ネコと贅沢　ボンビーライフ

英、EU離脱へ＝欧州分裂、大きな岐路に―
残留派に僅差で勝利・国民投票
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160624-00000071-jij-eurp


なんだかだんだんとこのイギリスのEU離脱投票は
キャメロン首相がタックスヘブン騒ぎをかき消そうと
意図的に問題を大きく仕立てていったんじゃないかと思えてきた。

最初EUから離脱するぞと脅しをかけたのがキャメロン首相。
国民投票するからな！いいんだな！と凄んだものの、
冷静に考えればEUを離脱してもいいことはない。

そこでキャメロン首相は閃いた。
でも待てよ、
これは使えるんじゃないか？

タックスヘブンを利用しての税金逃れが原因で辞任したら
不名誉な退任として歴史に残ってしまう。
だが、EU残留の旗頭となって国民投票に臨めば
国民投票でEU離脱になった場合は
その選挙結果に対しての責任をとって辞めれば格好がつく。

逆にEU残留という結果になったとすると
イギリスを良い方向に導いたということで
人気が上がって辞任しなくても済むかもしれない。

今回の国民投票はキャメロン首相にとって
どちらに転んでも得だったわけだ。

経済的に余裕のない状態が続き
政治的に不安定な状態が続くと
人は守りに入るから右傾化するものである。
今回のイギリスの結果を見ると
予想以上にイギリスの経済と政治の状態が思わしくないことが分かった。

今回離脱を支持したのは高齢層である。
彼らは過去の栄光に執着が強いし
目先の利益しか考えていないから
EU離脱後のことなど何も考えていないに等しい。
これからのイギリスの舵取りは大変である。

EUを離脱することで離脱派は独立独立とはしゃいでいるが、
この結果はスコットランドの独立にも火をつけるだろう。
イギリスがEUから独立することが認められるなら
スコットランドがイギリスから独立することも認められるのが道理だ。

そうなったらアイルランドだって黙ってはいない。
割譲されている北アイルランドを返せと言ってくるだろう。
イギリスはISとともにIRAのテロも警戒しなければならなくなるのだ。

大変さはイギリスにとどまらない。
EU各国も大変なことになる。
特にしゃかりきになってEUを支えてきたドイツは
その存在をイギリスに否定されたと受け取るドイツ国民も出てくる。
自分たちが稼いだ金で支えてきたEUを
イギリスは後ろ足で砂をかけて逃げ出したのだ。

この構図を見ていると
第一次世界大戦、第二次世界大戦は
これと似たような流れだったんじゃないだろうかと思えてくる。

歴史は勝者のものだから、
必然的に戦争の敗者は悪者になってしまう。
ドイツは二度とも負けている側なので悪者扱いになっているが、
果たして戦争の原因はどこにあったのだろうか。
ドイツは追いつめられて仕方なくという面もあったのではないだろうか。
どうも今回の流れは
そういった嫌な予想をしてしまう展開なのだ。

それはさておき、当面の日本への影響だが、
早速円高とそれにともなう株価の下落である。
安倍首相の思惑とは違ったが、
偶然ながら幸運にも消費増税延期はして正解だった。

ああ、ダメだ。
考えれば考えるほどやはりドイツが心配だ。
これまでイギリスに置かれていたヨーロッパにおける各国の経済拠点は、
今後ドイツにシフトしていくことだろう。
そうなればますますドイツが経済的に優位になる。
ヨーロッパにおいてドイツ１強というのはバランス的に良くない。
必ず歪みが生まれてしまう。
国家間の歪みは何を生むのかといえば
過去を見ても分かる通り戦争である。

ヨーロッパで戦争が起きれば
アメリカが黙ってみているはずはない。
そうなれば同盟国である日本も参加するのが
日米安保条約での決まり事である。

グローバル社会において
イギリスのEU離脱は他人事ではない。
次の参議院選挙をしっかりと考えて投票しなければ
世界の渦に巻き込まれて後悔することになる。