まず、エンジン始動に関しては従来のRCFとの違いはありません。同型式のエンジンを搭載する「LC500」が可変バルブマフラー採用でエンジンオン時に派手な演出をしているので、今となっては少しおとなしく感じますが、やはり他レクサスモデルとの違いは明確です。
運転し始めて気づくところでは2015年モデルと比べ、低速域でのエンジン回転レスポンスがよくなっていると感じます。
そのため、信号待ちからアクセルオンなどの際に、少し勢い良くクルマが出る場面があります。(”F”の場合はこの方が良いと思う方が多いでしょう。)
また、2015年モデルでは低速走行等から、アクセルを急に踏む場面で、エンジンが「息継ぎ」のようにごく一瞬加速が途絶えるような動作をすることがあり、その際、ボディが前後に揺さぶられるような動作がありましたが、これが改善されています。
小一時間の一般道+バイパス走行程度では特段不満はありませんでした。
交差点でカーブを曲がるときもLCに比べ非常に軽快でクイックに曲がるのが好印象。LCに比べボディの軽さを感じます。
やはりボディサイズが185cm程度というのはギリギリ扱いやすい範囲と感じます。
また「TVD」付き車輌ということもあり、アクセルを踏みながら曲がると思った以上に内側に曲がるのは久々の感覚。また、TVDの制御方法を3パターンからセレクトできるのはやはりイイですね。
一方変わらないのが「トランスミッション」で、日常使用する「Dレンジ」での変速(特にシフトダウン)のスピードは相変わらず遅いままです。
これは、レクサスLC500の新型10速ATのDでレンジと比べると明確に遅いです。レクサスLCのDレンジはカタログスペックでは0.2秒で変速が完了するとされており、実際の体感上もそれぐらい速く、シフトダウンが気持ちよく決まります。
しかし、RCFではLC500と同じようにシフトダウンをしても「ピピッ!」というサウンドとともにシフトダウンがキャンセルされことが多いですし、シフトダウンのブリッピングサウンドもDレンジにおいては、LC500の方が圧倒的に快音です。
乗り心地については、可変ダンパー機能である「NAVI-AVS」機能がついていますが、正直なところ1時間程度の試乗ではあまりわからず・・・
もともとRCFノーマルでもそれほど乗り心地は悪くないと感じますので、特に気になりませんでした。ノーマルモードにおいて、リヤが多少跳ねるような感覚は改善されていると感じました。これはリヤサスペンションアームとブッシュが改良された効果かな、思いましたが、明らかに違うとまでは感じませんでした。
快適装備では、試乗車はセミアニリン本革ではなく、「アルカンターラ+本革」仕様でした。
ホールド性は確かに良いように思いますが、少し暑くなってきたこともあり、シートベンチレーション機能がないのは気になりますね。
(むしろ、ファブリックタイプのスポーティなシートでシートベンチレーション機能があるLCの方が珍しいのですが・・・)
新車でRCFを購入されたオーナーさんの大半は初回の車検を迎えている頃と思いますが、AVS機能の追加、ナビゲーションサイズの拡大、「LSS+」の標準化などは行われたものの、まだマイナーチェンジが行われていないということもあり、”買い替え”をするまでの訴求力がないというのが率直なところ。
2017年冬に標準装備された「LSS+」についても、以前から設定されていた各種メーカーオプションの組み合わせとまったく同一ですので現状の内容では車検等を期に買い替えるという動機づけが薄いと思われます。今年度の改良で標準設定されるとは思いますが、せめて「インテリジェントクリアランスソナー」や「全車速追従型」レーダークルーズコントロールへアップデートはぜひ行って欲しいところ。
現在の販売数では根本的な構造変更(トランスミッションの換装、電動パーキングブレーキの採用等)は難しいと思いますので、やはり「外観」の違い、前後ヘッドランプの意匠変更、内装カラーバリエーションの追加、可変バルブマフラーの採用など、わかりやすい変更が期待されます。
特に内装に関しては1000万級のクルマにしては2014年当時とは違い、2018年の現在ではかなり見劣りする感じがします。
現在、数が多い2015年式のRCFの認定中古車(CPO)の価格650万円〜700万円レンジに落ち着いてきましたが、新車はオプション+諸税コミコミで1050万円〜1100万円レンジ。その「差」を感じられる改良をぜひ期待したいです。
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