今回は競合激しいDセグメントセダンということで、非常に興味深い内容でした。
SUVブームが続く中でもやはりプレミアムブランドの顔はDセグメント、Eセグメントの「セダン」。
主役のBMW 新型3シリーズを含む「8台」の比較競合車で各分野(加速性能、燃費、乗り心地etc…)等の得点を積み重ねて評価しています。
今回、その8台のうち、日本車代表として、「レクサスIS」が登場しています。
・カーグラフィック 2019年7月号「第27回ジャイアントテスト」
http://www.cargraphic.co.jp
8台の車種は以下のとおり。
・アルファロメオ ジュリア 2.0ターボ ヴェローチェ
・アウディ A4 45TFSI クワトロ
・BMWの 330i Mスポーツ
・ジャガー XE300 スポーツ
・レクサス IS300 F SPORT
・メルセデス・ベンツ C200 アバンギャルド
・プジョー 508GTライン
・VW アルテオン R-ライン 4 Motion
▼Amazon カーグラフィック 2019年7月号
新品価格 |
▼楽天ブックス カーグラフィック 2019年7月号
カーグラフィックの「ジャイアントテスト」の良いところは、一般的なカー雜誌のようなモータージャーナリストや編集者の独自基準や試乗もしない「思い込み」で評価しているのではなく、しっかりと数値で「見える化」しているところにあると思います。
そのため、「乗り心地」や「商品力・先進装備面」、「静的質感」でレクサス車は得点を稼ぎ、上位にランキングされることも珍しくありません。
輸入車との比較において、動力性能や官能性ではまだまだ一歩劣ると標されるレクサス車ですが、日常的な使い勝手の面も含めて評価しているのはカーグラフィックならでは。
結果は雑誌でご確認いただければと思いますが、2013年5月のデビューからすでに6年が経過しているレクサスIS(テスト車はIS300 F SPORT)に対しては厳しいものとなっています。(テスト車はターボエンジンのレスポンス改良を受けた最新の2019年モデルが使用されている模様)
しかし、それは各項目のテストを見れば一目瞭然と言えるもの。
特に私がショックを受けたのは、「燃費」の項目で、なんと前8車中、IS300が「最下位」だったことです。
実用燃費も高いと言われるレクサス車において、非ハイブリッドモデルとはいえ、複合的なシチュエーションによる実走行テストで最下位というのは、競合車の燃費効率が向上しているなか、厳しいものがあります。特に一般道での通常走行の燃費が唯一「リッター10km」を割っているのは厳しい。
また発売時期が古いこと(MCで抜本的な改良をされなかったこと)による先進装備の不足にあることが所々で触れられています。
たとえば、比較競合車8車のうち、「全車速追従型」のレーダークルーズ装置を持たないのはIS300のみ、「足踏み式のパーキングブレーキ」を採用しているのもIS300のみであることが記事でも触れられています。
アイドリングストップ機能の復帰制御の面でも課題とされているなど、本来レクサスが得意とすべき分野が今や足かせになっているのは厳しいといえます。
しかし、良いこともありました。IS300は「マイナス」の項目も少ないこと。(大きな欠点もない)
とはいえ、500万円を超える価格帯になってくると、万人受けする車ではなく、個性のある車を求める方の比率も高くなってくると思いますので、その中ではIS300は個性のないクルマになっているともいえ、ますます選ばれにくくなっていると言えそうです。
なお、2019年4月のISの販売状況は合計約170台(内訳/IS350:1台、IS300h:136台、IS300:33台)と実用的なセダン車としては、非常に厳しい状態が続いています(おそらくCクラスや3シリーズの1/10程度の台数なのでは・・・特にIS350の1台というのは・・・)。
170台というのは、レクサスディーラーの数とほぼ同程度。つまり、ブランドの顔となるFRセダンのISが各ディーラーで1ヶ月に1台しか売れていないわけです。(ちなみに2月が171台、3月が231台、今後このような傾向が続くと思われます)
2020年、レクサスISは「2回目のマイナーチェンジ」をするのでは?という噂があります。
2016年のマイナーチェンジでは基本構造部分にはあまり手が入りませんでしたが、仮に2020年に再度マイナーチェンジしても前後バンパー&ヘッドライトの意匠変更、内装の一部装備の改善だけだとすると、よほどのレクサスファンでない限り購入の食指は動かないでしょう。
せめて「RC/RCF」と同等のナビゲーションシステムのアップデート(できればApplecarplay等の装備も)や、競合に見劣りしない安全装備「LSS+」のアップデート、万一をサポートする「インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ)」など最低限のアップデートはしてもらわないと・・・。
Eセグメントクラスの「レクサスGS」に関しての動向も気になるところですが(現時点では某雑誌に記載されている2019年8月でのオーダーストップはない模様)、プレミアムブランドの中核Dセグメントセダンの「IS」は本来であれば最量販車種でなければならない存在。ブランドの「顔」として、なんとか大切に育ててほしいと切に願います。
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
コメントありがとうございます。
(返信が遅くなり申し訳ありません)
ISはホント育て方がもったいないと思います。先代ISは継続的な改良がなされていたのですが・・・
来年は大きな改良が入るとの話ですので、しっかりライバルに追従できるような魅力的なアップデートが行われることを期待したいと思います。Dセグメントセダンは、ブランドの顔ですので、ぜひぜひ継続してほしいですよね!
IS300(2018年モデル)Fスポーツに乗っています。
レクサスは、SUV系ばかり魅力的なアップデートして、GS、IS、RC、CTなどのアップデートは、あまり力を入れていないことが残念です。
SUV系が売れていることは分かりますが、もう少し車種を育ててほしいです。
ISは決して悪い車だとは思いません。欧州車に負けない装備面のアップデートをきちんとすれば、商品力はあると思います。
マークXも今年で生産が終了し、GSも生産終了のうわさもあり、僕は国産FRセダンがなくなっていくのは寂しく思います。
レクサスのアイドリングストップ装置はなかなか投入されなかったわけですが、満を持してアイドリングストップ機構を導入した割には案外普通だったのが残念です。
一定速度以下で予めエンジンを停止するとか、始動時には蓄電池で走行、その後エンジン始動など、他メーカーが実現できていることがレクサスではコストを掛けることができるので実現できるはずですが・・・
TAKUMIの評価については、当方も思うところがあり、もう10年近く今の体制のはずですが、なかなか全車種共通の走り味が実現できていないのは疑問に思います。
2度めのマイナーチェンジ、もしくはフルモデルチェンジでは、先進性や先を見据えた基本設計で投入してほしいですね。
ただ、先代の250も200tも燃費は悪いです。高速に乗らず、移動が短いのもあり、両者ともに7km/ℓ前半です。慣れてしまってこんなものかな、と諦めています。
ドライブモードの変化幅が少ないのも疑問で、殆ど使わなくなりました。
アイドルストップは300hだけで良かったのではないでしょうか?
燃費に貢献していると感じませんし、従来式エアコンのため、寒い時はガラスが曇ってしまいます。現代のクルマでこれは無いです。
何より復帰時の振動と音は「本当にレクサス車?」と思います。
慣れはしましたけど、よくTAKUMIがGOを出したなぁ、と不思議に思います。
尾崎氏・伊藤氏の性能評価や感性評価は、走りの味だけ担当なのでしょうか?
感性評価に、NVHのレクサス基準や、運転中のUIの使い勝手も含め、設計・デザインにフィードバックして欲しいです。
そして、ISのパワーイージーアクセスや、RCのアンビエントライトの様に、ユーザが満足する装備を削ることなく、他ブランドが驚くような進化をしてもらいたいです。
サービスや店員さんの姿勢・店舗は素晴らしいので、離れることは考えていませんけど、今のままですと先行きが心配です。
コメントありがとうございます。
ほんと、最近の日本メーカーの車は進化しましたね!(価格もアップしていますが)
トヨタ、レクサス系はどうしてもフルモデルチェンジでないと大きなアップデートが行われにくいのがここ最近の技術革新のスピードに追いついていない感がありますね。
レクサス車はもともと高額な設定ですから、トヨタブランドではできないようなこまめなアップデートをしてほしいものです。
いつも拝見させてもらっています、
マツダ、スバル、日産、ホンダ、内装の質感向上や、安全性、利便性向上、、、着実に進んでいますね。
レクサスは、進化の度合いが、低く感じ、他車に流れました。値段も高いけど、もっと進化しないとならない状況ですね〜