特別仕様車の抽選受付は「9月15日(木)」までと少々時間がありますので、検討中の方はぜひ実物チェックをされるとよろしいかと思います。
展示車両は、リーフレット表紙と同じ「ホワイトノーヴァガラスフレーク」のIS500”F SPORT First Edition”。
以下、当方の主観に基づく各ポイントをチェックしてまいりました。
展示会場にお越しいただけない方のご参考になれば幸いです。
正直「辛口」な意見が目立ちますが、これも「愛ある指摘」と感じていただければ・・・
「質感(特に内装)は気にしない」、この時代に「V8自然吸気エンジン搭載車を出してくれただけでも感謝!」という方も多いと思いますが、「IS500特別仕様車」に関しては、諸税コミコミで「約1,000万円」のクルマとなりますので、レクサスブランドである以上、ある程度の品質・質感を求めたくなりますね。
この点、このクルマが「メインカーなのか、複数所有前提なのか」という点でも意見がわかれそうです。
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■フロントビュー
V8エンジンを搭載するため、全長(フロント部分)が現行ISより50mm長くなっています。
ボンネットは確かに隆起しており、プレスラインも通常のISとは異なりますがエアインテークはありません。
フェンダーも一見、通常のISとの区別はつかないため見た目で「IS500」と気づくのはなかなか難しいと思いました。
■リヤビュー
「F」シリーズを彷彿とさせる、4本出しマフラーと大型のリアディフューザーが特徴的です。
リヤディフューザーは高品質な艶ありブラックで塗装されており、大型フィンの存在はレーシングカーをイメージさせますが、既存の純正エアロパーツ(エアロダイナミクスパッケージ)装着車との違いはあまりないなぁと正直なところ感じました。
(参考)純正ディーラーオプション
(※レクサスIS ディーラーオプションカタログより)
■マフラー部拡大
かつて「つながってる/つながってない」論争があったのが懐かしいですね。パーツはRCF(2016年モデル〜)/GSFと同じに見えます。
■フロントホイール(特別仕様車専用)
「Mode Black」シリーズでおなじみの「BBS製鍛造アルミホイール」(マットブラック)の採用に加え、ブレーキローターが2ピースタイプになっています(GS、RC、LSの”F SPORT”およびLCで採用済)
なお、ブレーキーキキャリパーは「対向4pot」なので、「Fモデル」をイメージすると見た目の物足りなさはあります。(また、近々登場予定の新型「RX」のF SPORTモデルでは「対向6pot」の大型ですし・・・)
■リヤホイール(特別仕様車専用)
キャリパは片押し式のフローティングキャリパーなので、とてもレクサスロゴが入る余地はありません。
性能的には十分なのでしょうが、あまり高性能車っぽさが感じられません。ここは「F」を知る人は寂しいですね。
■ドアミラー(特別仕様車専用)
ドアミラーカバーの「下部」がブラック塗装になっているのが通常版との違い。
ボディ同色の方が好み、という方もいらっしゃるでしょうが、「根元」もブラックなのはこだわりがありますね。
■F SPORT Performance専用エンブレム(IS500共通)
色の配置を変え、ブラック部分が目立つ専用エンブレム
ちょっとした違いですが、エンブレムチューニングも流行するかもしれませんね。
■アウタードアハンドル(IS共通)
これもベース車と同様。設計時期の問題から、ドアハンドル照明やドアミラー下照明もありません。
コストの制約があるのは理解できますが、ドアハンドル照明ぐらい追加できないものでしょうか・・・?
また、鍵穴が丸見えなのもちょっと不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
■サイドビュー
エクステリアは現行ISと同様、クーペフォルムでとてもかっこいいです。
ただし、フェンダーのサイドインテークもないので、通常のISとの見分けはつきにくいです。
ブラックステンレスのウィンドウモールは「IS500 標準仕様」も同様です。
■リヤビュー
リヤ側は他のレクサス2023年モデルと同様、「LEXUSロゴ」エンブレムが消失しています。
テールランプのウィンカーは、引き続き電球式を採用、LED化はされていません。
リヤスポイラーの形状も通常の”F SPORT”モデルと同じです。
さて、注目のインテリアですが、これは特別仕様車のリーフレットでも詳細がわからなかった部分が多く、普段から眼にする部分ですので、実車でぜひ確認してください。
これは当方のように「内装の質感を重視」、「過去”Fモデル”の所有歴あり」の方は、厳しい評価をする方も多いのではと感じました。
やはりもともとのベース車が「レクサスが最も厳しい時期に設計された」かつ「設計が古い」ということに尽きます。
セカンドカー/複数所有の方だと「希少なV8エンジン搭載車」ということで割り切れる部分と思いますが、「2022年〜2023年に購入できる新車」の「1000万円級」と考えると「うーん・・・」というのが正直なところです。
■スカッフプレート(特別仕様車専用)
まずはドアオープン後に目につく足元のスカッフプレート。
お出迎えするのは”F SPORT Performance”専用ロゴ。フェンダーエンブレムと同様、微妙なデザイン違いですがコレは嬉しい点ですね!
ディーラーオプションで準備されている「スカッフイルミネーション」に換装する方も多そう。
■ドアカーテシランプ(IS共通)
現行レクサス唯一?の「電球式」カーテシランプ。
兄弟車のRCはすでにLEDに換装されていますがISはそのままで、なぜかアップデートされません・・・
■フットランプ(IS共通)
事前に説明書でわかっていたことですが、現行レクサスモデルで数少ない(IS/RC/RCFのみ)の「電球式」を継続使用です。
LEDと違いオン/オフのみで照度調整ができないため、走行時には「消灯」するという・・・(涙)
これぐらいなんとかならないものでしょうか?夜間の足元の視認性にも影響しますし・・・
■インテリアパネル(特別仕様車専用)
特別仕様車専用の「アッシュ(オープンフィニッシュ/ベンガラ)」は、新設定のインテリアパネルですが、杢目の色がしっかりわかるのでなかなか渋く、ちょっと好みがわかれるなぁ・・・と正直感じました。
私的には、その隣に隣接する「ドアトリム」(L-tex)と色も、柄もあまりマッチしていないのが気になりました。
■フロントドアトリム(IS500専用)
ウルトラスエードですが、使用部位はアームレスト部分のみとなっており、ドアトリムには使用されていないことに驚きました!
また、フロントドアトリムの「L字エンボス加工」もありません。
これにより、ドアトリムの分割線の意味がよくわからなくなっています(エンボス加工もなし、素材も同じなのになぜここに分割線が?)
なお、ISで数少ない照明のうち「インナードアハンドルイルミネーション」は健在ですが、点灯しているかどうかわからないぐらいの控えめさは健在です。
ちなみに、2022年モデルで設定されていた「モードブラックS」(北米仕様のIS500ローンチエディションも同じ)のドアトリムはこちら。
「グレー」の部分がウルトラスエードですので、今回の「IS500 特別仕様車」ではウルトラスエードの面積が大幅に減少しているのがわかります。(L字エンボスは「モードブラックS」でも使用されていません)
この場合、ドアトリムにL字のエンボスが採用されていなくても、一部ウルトラスエードが採用されていますので、分割線も違和感がありません。
■ステアリング(特別仕様車専用)
特別仕様車専用の「アッシュ(オープンフィニッシュ/ベンガラ)」を使用しており、高品質感があります。杢目がはっきりしているので、パワーウィンドウスイッチパネル同様、好みが分かれそうです。
ステアリングスイッチ自体は2014年に発売された「NX/RC」で採用されたものをそのまま使用。
「パドルシフト」も通常モデルと同じということで、「Fモデル」で使用されている大型のパドルシフトは不採用です。
■シフトノブ、サイドパネル(IS500専用)
どちらも「ウルトラスエード」を使用して、差別化を図っています。特にサイドパネルのウルトラスエードは高品質感が感じられ、この点は非常に良いところ。
シフトノブですが、中央部分は、プラ感の残る仕上げで残念。レクサスGS等に使用されている、質感が1ランク上の「金属調塗装」ではありませんでした。
それにしても、オーディオパネル下部は「マークレビンソン」を装着しているのでクオリティ高い仕上げですね!
IS500購入する方で少しでも内装のクオリティを上げたい方はマクレビ装着は必須です。
別角度から、「First Edition」のバッジが見えますね。ベンガラ柄なのも良いですね。
センターコンソールパネル部分は2014年に発売された「RC/RCF」を踏襲していますので、もう8年間もデザインが変更されていません。
■メーターフード(特別仕様車専用)
「ウルトラスエード」とブラウンステッチがあしらわれています。
フロントガラスへの映り込みも最小限ですし、何よりクオリティ高くていいですね!
■エアコントリム(IS共通)
2023年モデルから、エアコン吹出口が「ダークシルバー」に変更され、スポーティ感をアップさせています。
質感が高く見えるかどうかというとなかなか微妙なところです。
左右部分の丸形レジスターも「ダークシルバー」に変更されています。
周辺の「ブラウン」のステッチはいい感じでしたね。
■スピードメーター(IS500共通)
メーターデザインは「RCF/GSF」に近い形になって「IS300/350/300h」とは差別化が行われています。
暖気の具合により、最高回転数(レッドゾーン)が可変する仕組みになっています。
■センターアームレスト(特別仕様車専用)
高品質な「ウルトラスエード」仕様でブラウンステッチを組み合わせており、質感が向上しています。
■IS500 特別仕様車専用プレート
本杢素材を使用したプレート。シリアルナンバーは入っていませんがヒーターコントロールパネルの中央にきれいに設置されています。
■マークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステム(IS共通)
IS/RCのマクレビで嬉しいのはこのかっこいいオーディオパネルと高品質なアルミ製ホワイトノブ。
これだけで質感が「グッ」と向上しますので、IS500でもぜひ装着したいところ。ただ、RCと異なり、スピーカーグリルの変更は今回もありませんでした。
他のレクサス車も全部このパネルを使用してくれればいいんですけどねぇ・・・
■フロントシート(特別仕様車専用)
さて、注目のフロントシート。「ブラウンパーフォレーション」がどんなものなのか?期待感があったのですが、当方はかなり「ガッカリ」しました。
見た目は、ほぼブラック。
最初見たとき、どこに「ブラウン」が使用されているのかわかりませんでした・・・
実は、シートの「座面」と「土手」の間に挟まれた細い部分、ここのみに「ブラウン」のパーフォレーションを採用。シートや背中のメイン部分のパーフォレーションは「ブラック」なんです。
少し離れてみると、「ブラウン」のパーフォレーションの存在感はほとんど感じられません。
今までのレクサス車のカラードパーフォレーションは結構目立つ存在だったので、予想していたものとだいぶ異なりました。
もっとも「ブラックの方がいい」という方もいらっしゃると思いますが、いや、それは「標準仕様」で達成できるので・・・もう少し差別化すべきなのではと思いました。
シート背中メイン部分。どこに「ブラウン」のパーフォレーションが使用されているかわかるでしょうか?
■ルームランプ(IS共通)
今回の改良のトピックスの1つである、「カップホルダーLED」が確認できました!
ISが発売してから9年経過してようやくユーザーの声が反映されました。
画像の通り、ランプ部分の前方のスリット内に白色のLEDがインストールされています。(日中は確認出来ません)
イグニッションONで点灯する仕組みになっていました。
■ルーフ/ピラー/バイザー素材(IS共通)
もしかしたら「IS500」は高品質なファブリック(ベレーザ)が使用されているかと期待したのですが、一般的なファブリック素材が使用されていました。
(NXやUX等と同じ)
こういった点も、地味に「ISF、RCF、GSF」オーナーの方は気になると思います。手触りや見た目が結構違いますので・・・
■リヤドアトリム(特別仕様車専用)
シンプルな構造ですが、ベンガラのインテリアパネルが主張しています。フロント同様、ドアトリムにはウルトラスエードが使用されていません。
マークレビンソンを装着してもスピーカーグリルの変更がないのは残念です。
■後席シート(特別仕様車専用)
後席がしっかり乗車できるのは実用性を確保した「IS」の利点です。
後席もウルトラスエードがメイン部分に使用されていますが、「ブラウン」のパーフォレーションは確認できませんでした。フロントのみかな?
「ブラウンステッチ」もあまり目立たいので、全体的には「ブラック」のインテリアなので、標準仕様との差が小さいのが気になるところです。
ちなみに、「モードブラックS」のリヤシートはこちら。
コチラのほうが、「特別仕様車感」があるように思いませんか?
特に質感が悪い所もありませんが、後席側に「USB端子」がないのは、設計の古さゆえ仕方ないですね。
2ドアクーペではないので、せめて電源が供給できる「アクセサリーソケット」ぐらいはほしいところですが・・・ディーラーオプションで後付の充電設備のサポートがほしいところです。
2013年、ISがデビューしたときは今と異なりスマートフォンやタブレットなどの電子機器の仕様はまだ一般的とまではいえませんでしたが、今は事情がことなりますからね。
■トランクルーム(ISガソリン車共通)
トランクルームはIS300、IS350と共通のサイズです。ランプは「電球式」なのでかなり暗く、換装は必須。
パワートランクリッド(電動)やハンズフリーパワートランクリッドは採用されていません。
ハイパフォーマンスセダンでもトランクルームの電動化は珍しくないので、そういう意味でも「IS500」の価格帯では不満が残るかもしれません。
■ハイマウントストップランプ(IS共通)
先日コメントで初めて気づいたのですが、ハイマウントストップランプは新型ISでは「LED12灯」になっていたんですね!
IS500でもLEDに12灯式を継続採用していました。
チラチと見える「マークレビンソン」のバッヂもなかなか素敵ですよね。
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さて、ざっと特別仕様車”F SPORT Performance First Edition” をチェックしてまいりました。
すでにお気づきの方も多いと思いますが、実はこの「IS500 特別仕様車」は、モードブラックシリーズと比べ、コスト的にはお買い得仕様にはなっていません。
内装のカラーももう少し差別化されているのかな・・・と思ったのですが、「ほぼブラック」ですので、標準車との違いがインテリアパネルぐらいなのではと感じました。
なお、もともと「IS500」は基本装備が充実しているので、標準仕様+50万円という価格は、「ちょうどよい」具合です。(割高でも割安でもない)
そのため、「Mode Black」シリーズと共通のBBS製鍛造ホイールが好みではない場合は、「標準」仕様を選択すべきと思います。
IS500特別仕様車は納車が早い部分が、価格に織り込まれている・・・と考えても良いかもしれません。
一方、同時発表の”F SPORT Mode Black3”は、間違いなくお得な仕様で、BBS製ホイールに加え、3眼LEDヘッドライト、シートの機能アップ、ウルトラスエード化、本杢インテリアパネル等、これで50万円高はまさにバーゲンプライス。
どうしても「IS500が欲しい」方は、当選するかどうかわからない「特別仕様車」にエントリーするより、「標準仕様」をいち早く契約するほうが確実とも言えます。
標準車は「グレーステッチ」に「オレンジキャリパーあり」ですし、ENKEI製ホイールもなかなかかっこよく、サテンクロムのインテリアパネルも質感は十分です。また、価格も「50万円」安価になっています。IS500の場合、「モードブラックシリーズ」と異なり、装備自体は「標準車」と「特別仕様車」との違いはありませんので・・・
(ただし、販売店によっては、同時注文を受付しない場合や、制限を設けている場合もあるかもしれませんので要確認を!)
なお、東京・日比谷の他、名古屋ミッドランドスクエアにも「IS500」が展示中のようです。
ただ、こちらは特別仕様車ではないようです。(ホイールがなぜBBS製鍛造ホイールなのが謎ですが・・・ENKEI製ホイールが見たいところ)
https://lexus.jp/dealership/lexus_gallery/midland_square/
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