フリーゲームだけに限らず、イラスト、漫画、小説…
アマチュア創作は多数あるものですけれど、最も現代的、かつ盛況している創作は何か?
…と言えば間違いなく動画です
動画は動画創作ではなく動画制作と呼ぶのが普通ですが、技術を高めてアイディアを練るという点に於いては、創作であると言えます。
だから「動画クリエイター」という言葉もあるのです
「電映の子」は女子高生たちが動画を制作する苦悩や、その裏に見え隠れするダークゾーンを描いたゲーム
この世界の、ネガティブな一面をメインに描写しています
彼女たちの世代というのは小学生の時、既に動画サイトが存在した訳です
所謂youtube世代、動画世代。
創作を元ネタにしたゲームとして稀有なのは、台詞の大半がメッセージ的である事で、私もノンプロ創作者の端くれなので、共感する台詞が多かった
今風に言うと、「刺さった」と言う奴です
「ネットでの誉め言葉は真に受けないようにしてる」
「自信がなくて褒められたい人たちばかりだから、みんな自分のことしか見てなくて」
「まあ、イラストもそうだけど、どちらかというと傷付きやすい人たちが集まって、傷付きやすい事をしてる世界だから」
などの印象的な言葉が多い。メッセージ性というより、風刺に近いかもしれませんね。
ストーリーは動画を制作する上での苦労話やトラブル、SNS疲れなどがテーマになっているが、その裏に隠されたテーマもある
そのひとつが、友情
主人公には疎遠になったかつての親友がいて、彼女と動画を通して仲を修復させるのは、切ないがいいシーンだった
誰にだって疎遠になってしまった友達はいるだろうし、リアリティを感じた
特に私が気に入ったのは、この台詞
「イラストも、流行ってるキャラとか描いて需要ありそうなことをやりまくれば、人の目は集まるかもだけど、自分の好きな事をしてるわけじゃないから、虚しくなるのだよ」
この友人「爽和」の言葉を裏付けるような、主人公「綴理」の言葉…
「私は好きなものだけ動画にしてる。だから、私のチャンネルにある動画は私の好きなものしか映らない。私の部屋みたいな」
……
これ!!!
m9( ゚Д゚)
何気にアマチュア制作の核心を突いてますよ。
ここ数年、特に二次創作界隈では流行作品にばかり人が群がってるが、君本当にこの作品好きなの?という、明らかに原作への理解やリスペクトが無い人が多いんですよ。売れ線目当ての人も多いでしょう
創作にSNSが大きく絡むようになり、承認欲求を満たすことが目的にすり替わった影響もある(販売する場合、金銭的な問題が発生しますが)
それとは関係なく、「そもそもアマチュア創作は自分の好きな物を、作りたいものを作って表現する場」なのです。
知り合いの同人作家が180度路線を変えた事で叩かれた時、私はこうフォローしました。その人を批判する人たちや周りからは、割と好意的な反応が得られました。
その知り合いは、「本当に作りたいもの」を差し置いて、「ずっと無理してた」のですよ
だから私もこのブログ(二次創作と言える?)では、好きなゲームのレビューだけを、
……
綴理はこの真実に気づいた後、最後にもう一つある気づきを得て、このゲームは終わります。
壮大でもなければ物語的なラストではないところも、リアルで良かった
評価B+
75点
キャラクターは皆可愛いが、自分に近い匂いを感じるので、爽和派です(絵は無いが、母親のキャラが面白い)
「電映の子」は大変よく出来た、創作を元ネタにした創作でした
BGMもなく淡々としている分、実話ちゃうか?というくらいにはリアル
(補足:BGMが鳴らないバグだったらしいが、淡々とした無音のゲームとしてハマっていたので、マイナスファクターとは見做しません)
作者は女性同士の絡みでテーマごとのストーリーを描くゲームを作ってきたが、これはアマチュア製作者にとっても、最大の問題作なのでは?
尚、これらは私が勝手に解釈しただけなので、執筆の意図までは、知りません
「全然メッセージや風刺じゃなくて、それっぽい台詞を書いただけなんだよ」と言えばそれまで
重要な事は他人の言葉なんかではなく…
答えはそれを解釈する私や貴方の中にあります!!!
m9( ゚Д゚)
【このカテゴリーの最新記事】