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2020年02月29日

未完の後悔 レビュー感想 OMINI

面白いフリーゲームを探し、ダウンロードする人は、どこを見ているか?




クリアまでの時間、ED数、サムネ、ジャンル、設定、キャッチコピー……色々あるが……




こんなの私だけだろうなあと思いながらも注視してるところがあって…




…それは…





「タイトル」を結構見てるんだよ








タイトルってのはどのメディアでも「流行り」があって、たとえば「○○さんは○○で○○」「○○くんは○○」という漫画を誰しも1本は知ってるだろう





ラノベなら、一時期無駄に長い物が流行ってた





…というか今でも流行ってる




「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の影響だろう








CSゲームでは…






「夏色ハイスクル★青春白書 〜転校初日のオレが幼馴染と再会したら報道部員にされていて激写少年の日々はスクープ大連発でイガイとモテモテなのに何故かマイメモリーはパンツ写真ばっかりという現実と向き合いながら考えるひと夏の島の学園生活と赤裸々な恋の行方。〜」
という「タイトルが長すぎるラノベ」よりも更に長いゲームもあった






滑ってるけど、ユーザーの記憶には残った



そのくらいタイトルってのは、重要なわけ








このブログのおすすめ名作フリーゲームも、全部そう(以下ちょっとネタバレ)。






「死月妖花〜四月八日〜」は、ただの駄洒落っぽい当て字ではなく、重要な意味がある。ある人物によるタイトル回収が行われるシーンのカタルシスは、凄かった




「籠の街」……まさにこれそのものが、壮大な伏線。更に最後の最後でタイトルに込められた本当の意味が分かるのが、ニクイね。「そうか「籠の街」って○○の○だったんだ!」と…






「夜底奇劇・星空物語」はドラマチックなシーンで、台詞に用いられ、そしてエンディングへと続く





「ほろびのゆりかご」は意味がゲーム中、何度も上書きされた







これほどの名作であろうとも、「俺の母親がこんなに可愛いわけがない」だったら、ここまで評価されなかったでしょこれはこれで面白そう…
2_mini.jpg






カロンは他にも、「みことにっき」「まことメビウス」のようにヒロインの名前を入れるパターンを確立しており、タイトルだけでカロンと分かる雰囲気がある









繰り返すが、そのくらいタイトルは大事なわけ。ストーリーの一部であり、作品の顔だから





名作のタイトルって、「凄く分かりやすい(第三者に伝わりやすい)」か「面白い」かでしょ



ラノベも「商品」としてタイトルが売り上げに直結するからこそ、流行りがある




創作以外のヒット商品には駄洒落系が多いが、「ドクターグリップ」は秀逸だ










編集者が改名するラノベの長文タイトルと違い、フリーゲームは大部分のタイトルは作者が決めるから、センスが如実に表れる





その点…本作はよかったな






「未完の後悔」








ゲームというより小説のようで、私の目を引いた





「神宮寺三郎」に「未完のルポ」というゲームがあった。


「未完の」という言葉はよくあるが、そこに「後悔」とつくわけだ。フリゲにしては御堅い






一昔前の萌え漫画だったら「みかこう!」だろうな









「未完の後悔」は立ち絵すらない(イメージイラストはある)、音楽も少ない、非常に地味なゲームなのだが、なかなかよかった…




何より、期待通りタイトルに則った内容だったよ








フリゲには様々な制作スタイルがあるが、作者の内面を具現化したストーリーではないか



「五時のアオイ」「せめて、笑ってくれたなら。」に少し雰囲気が似ているかもしれないね












主人公はバスケ部員の少年「平山宥」。




運動部なだけあって結構オラついてる

初対面の先輩の女性を「女」と言ったりする(地の文で)








訳あってバスケ部を引退し、写真部に入部



一見のんびりした部員たちだったが、やはりそこにはがあった




部員たちはそれぞれに「未完の後悔」を抱えており、乗り越えるのがメインストーリー

















…痛々しい青春だった。それに苦々しくもある。私は甘々が好きだが、こういうのも、好きなんだよな。





男女の関係も友情でも恋愛でもない奇妙なもので(ただエピローグでは結構いい雰囲気)、創作にはあまり出てこない関係性だ。大体は無理矢理にでも恋愛にされるだろう







特に主人公とヒロイン(!?)が、背中合わせで座り、本音をぶつけ合うシーンは、一番よかった。情景がありありと目に浮かぶようだ。






そこに至るまでの流れも、平山くんがオラついてたのはこのためかって思った





ずっとバスケ部を引き摺って「写真部のバスケ部員」だった彼が「本当の写真部員」になっていく様に、成長ストーリーがミックスしているのよね






先生もなんとも言えない人物で、公衆の面前で、生徒に頭を下げる事も厭わない。


頼りないが、無力感を自覚している珍しい教師だ。












前半にボリュームを割き過ぎたのか、後半端折り気味なのは気になった。




写真甲子園はダイジェストだし、河原で出会った人物もスルーだ(でもプレイヤーには正体が分かる)






しかしながら写真とは何か?を問うゲームではないので、これでいいかと





写真ではなく「写真部」が主役だしな











評価C
65点




ひらがなを多用した文章は、ゲームというより、小説に近い。



短い話ごとに区切られておりインターバルもあるので、テンポもよかった。



昔ながらの、ちょっとかちっとしたゲームがやりたい人には、おすすめです。












そういえば本文中に引用した「五時のアオイ」の制作サークル……サイトが404ですね……







…あっ…(察し)






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