待つのも疲れるので、結果はともかく終わったことに安堵したなんて人も、結構いるんじゃないでしょうか。
「死神探偵少女」の感想にも書きましたが私はノベルゲームというよりも活字全般が好きなので、ノベルゲームという小さな枠組みではなく、活字界隈の一部、その一端であるティラノフェスという認識で見ていましたが(活字系コンテストや○○賞は物凄く多い。現在も増殖中)、それが盛り上がったことが単純に嬉しい。
参加者が集まらなかったら、うわぁやっぱどこもダメなのか…って失望してました
ゲームを全くやらない読書仲間にも、「最近本は売れないけどネットのゲームは、盛り上がってるよ。このゲームなんてゲームオーバーにならないから(選択肢のないゲーム)ゲームしない君でも遊べるよ」と薦めてます
こういう時、PCやスマホで遊べるというのは、強みです
SNSなどでゲームを全くしない人が突然フリゲのノベルゲームについて語り始めたら、私の差し金かもしれませんね
拘りの強い彼、彼女らの評価も悪くないのがフリーゲームのノベルゲーム
まあやっぱり面白いんだよな
さて、誰もが気になる「評価基準」…今回も不明瞭でしたね。
こういう時、得点制、ランク制じゃないと、不便ですね。数字ほど分かりやすいものはないからね。
採点競技がずっと採点制なのは、合理的な理由があるわけ
仮に今後、審査員がそれを公表したとしても既に後付けとしか思われないでしょうから、完全にブラックボックスです
絵は綺麗だがシナリオ要素が薄い「My precious.」などが選考外だったので、今回は「シナリオ」を重視した採点になってそうですが……でも多分これが最重要視されたんだろう、というものがあります
それは……
「オリジナリティ」!
m9(+ゝω・´+)
ぶっちゃけ「初恋は年齢天秤の中で」のシナリオは作り込み自体は粗削りで、ご都合主義も多いですが、参加作品にこれ以上にオリジナリティが高い作品は見当たりません。
タイトルにもこの、独自のアイテムが入っています。
つまり「ドラえもん」ではなく「タケコプター」なのです
「年齢天秤」は「ひみつ道具」にありそうな、タイトルや設定を聞くだけでこれをどう転がすのだろうというワクワク感があり、フリゲには時として独自のキーアイテムが登場しますが、「ドローガ」「血染織」に次ぐ独自性です。
ちょっと準グランプリ作品を見て下さい。
「#こっち向いて_めごちーv」……
…「無人島」
…「暴走族夜怪」…
…特にこのあたりは見るからに異色作じゃないですか?
「#こっち向いて_めごちーv」「暴走族夜怪」(インパクトあるもんこれ。作者は他にも古き良きタッチの絵で今風のフリゲを作ってる、このマッチングよ)は見るからに目を見張るデザインで、ちょっと真似できない
「無人島」は完全にアイディアの勝利です
このアイディアはなかなか出てこない
もうどんなゲームか聞いただけでも、単純に面白そう
佳作には「フリー素材のお姉さん 〜 ハニートラッパー 〜」が入選していますが、これは正直言って展開はありがちで、完成度自体は高くないです。
何より、これまでティラノフェスが優先していなかった、フリー素材のゲームです
しかしそれを逆手に取ったりして、一発芸に秀でてました。プレイすると、あ、こういう発想があったんだ!と感心します
以上のことから、審査員は緻密さや整合性よりも、オリジナリティを重視していると見ました
もう1つ。
オリジナリティが重要視された裏付けとして、選考外作品は、見渡すと「オリジナリティが低い」「よくも悪くも平凡」な物が多く、あるゲームは絵自体は専用で綺麗なのに、完全にティラノフェス2018の「小坂さん。」の模倣…
誰坂さん。かな?という内容で、やはり選考外に終わりました。(でも作者の最新作は抜群に良かったので、次は行けるのでは)
他には内容が暗い物は避けられる傾向なのか、「せめて、笑ってくれたなら。」も力作なのに選考外です。
「Please call me…?」「Last Resort」「色のない世界」「赤信号」「ヤンデレヒロイン」「お兄ちゃん、デートです!2」「ペンフレンド 〜国境を越えた色仕掛けの罠〜」
「今日、真夏の星を、愛衣と」「神さまの人生ゲーム」「再会はエレベーターの中で」あたりが惜しくも次点という気がします。
これらのゲーム…面白かったんだけどねえ…
少なくとも佳作のあれやこれよりダメということは、ないはずだが…
…入ってないのが信じられず、何度も確認したくらい。
??(゚Д゚≡゚Д゚)??
審査員もしつこいほど主観主観と繰り返してるように、今回はかなり「主観」的評価がされているので、「選考外=劣るゲーム」ではない。その逆も然り。
実際、これらのゲームのプレイヤー評価は、寧ろ高いです。
主観も複数あれば客観になります。よって、それを言わないという事は、ティラノフェスの審査員は、極めて少人数であると推測できます
選考外作品は「審査員(ほぼ個人)の主観に引っかからなかった」ということなのでしょうが、こういうゲームは問答無用で落とす、というものは、参加条件を満たした時点で、存在しないと思います
もし審査員がそれを公表してないなら、大問題ですから
どれだけ名作でもNG条件が1つあったら選考外…なんて滅茶苦茶ですからねえ…
フリーでもなんでもない…
因みに運営コメントを読む限り今回は評価方針を変えた雰囲気があるので、ティラノフェス2020でも、また変わるかもしれません(毎回変えてる可能性もあります)。
つまり、「せや!ワイもグランプリ狙いでオリジナルアイテム出したろ!これでワイもグランプリや!」と意気込んでも方針が違い、オリジナリティがさほど評価されないかもしれません。
ティラノフェス2020審査員
「飲むと性別が変わる「転換性水」だぁあ!?「らんま」のパクリじゃねえか!こいつは却下!」
ティラノフェス2020審査員
「顔に塗ると3分だけパンダになる「熊猫肌水」だと!?こいつも「らんま」!しかも「ウルトラマン」までパクってやがる!却下!」
ティラノフェス2020審査員
「不思議な商品を売る露店のババアぁ…?こいつは「週刊ストーリーランド」をパクってやがる!却下だ却下!!」
みたいな事になりかねません。
なのでやはり「作りたいもの」「好きなもの」「得意なもの」で勝負するのがいいかと。
本来フリーゲームってそういうものなので、目的を見失うと、本末転倒です。
あなたが「好きなもの」を作って、それが選考外だったからといって、あなたやあなたの好きなものが否定されたわけではないのです
なぜこんなことを書くかというと…
選考外だった事で闇落ちしそうな人を風物詩のように毎回見かけるからです
…
…
何か、さも甲子園でも目指す高校球児のような熱心すぎるテンションの人もいるんですが、そこまですべてを賭けられたら、周りも運営も、極端な温度差に困るでしょうし…。
審査員が主観と連呼するのは、何も自分への批判を恐れているからだけではなく、本音だからだと見ています。そのくらい主観で差が出るジャンルだしね
特に、ティラノのゲームはどうしてもティラノのフォーマットになるので、比較評価が難しい。
え?これティラノなの?マジ?
…というほどティラノ離れしたゲームは、滅多にない(他のエンジンに比べると)
本来こういったフェスは、もっとライトな腕試しや、皆で同じテーマで盛り上がる事が意義のはずですよ。
ティラノフェスは3割〜がなんらかの賞を獲れるくらい広範囲なので、いじけずに視野を広く持って、頑張って欲しいですねえ…。
「一枚の葉にとらわれては木は見えん。一本の樹にとらわれては森は見えん」なんて漫画の名言もあるしね。
私が参加したeb(アスキー)のコンテストなんて、ピーク時の投稿数が4105作ですよ。
大乱戦。
多分受賞は、甲子園優勝より難しいでしょう(賞金も高額な所為か、皆必死だしね)。
……結果?
勿論落ちましたよ?それが何か?
^o^
……^o^
………何か?
^o^
【このカテゴリーの最新記事】