作者のゲームは全部プレイしているが…
正直1番面白かったかも…
いや、前にも触れた通り、内容的に娯楽から離れているので、「面白い」、「面白くない」というものでもないのだが…
これまでの自作ゲームの、精神的続編だね。
同じテーマや名前が登場し、恐らく作者なりに現時点での答えを出したんじゃないか
自殺遺族というのも珍しいテーマだ
近いところだと東野圭吾の「手紙」が加害者家族。フリゲだと「探し屋トーコ」が被害者遺族をテーマにしているが、自殺遺族がテーマのフリゲは、ちょっとやった覚えがない
このゲームをテクニック面から批評すると、ストーリーテリングに近い手法を使い、プレイヤーを物語に引き込む事に成功してるね
序盤や設定の掴みも凄くいい
主人公の真一郎がネットで自殺遺族を募り、呼びかけに応じたザクロという女性と、ヨウという青年……3人で自分の体験を話すというストーリー
3人の独白は、まずは真一郎編から始まる
真一郎はいじめられっ子だが、クラスで孤高の存在だった栄一と、ひょんなことから親友になる
栄一はクールな一匹狼に見えて実はアツイ男で、とても自殺するようには見えない
だがそんな栄一が何らかの事情で自殺したからこそ、真一郎はこのような会を開いた訳だ
この時点で、なぜ栄一が自殺したのか?とプレイヤーの興味を掻き立てる事に成功しているのよね
ヨウ編とザクロ編も、考えさせられたな
ザクロの「もう来ないで!」という台詞の使い方は、「冬」から「春」にかけてのモノローグ同様、物事が大きく変わった事を意味する
しかもザクロ編は、主人公がフリーゲーム製作者という、一見趣味で作ったかのような設定を、ちゃんと意味ある物として回収してるんだよな。
全くの他人だった真一郎とザクロがネットやフリーゲームを介して繋がる伏線は、上手いよね。(ヨウだけは余り関係なかったが)
まあ、ザクロの彼氏である準が唐突にコンドームを出したシーンは、お前ヤる気満々だなって笑っちゃったけどね。しかも「ゴム」って(笑)
作風が、良い意味でソフトになったな。重いテーマを扱ってはいるが、そこまでの堅苦しさはない(「ゲーム」というからには、何かしら小休止できるシーンがあればいいと思っている)。
前作まではギャグ要素0なのでくすりともしなかったが、ザクロと準の会話も、少し笑ってしまった(「呼び捨て」のシーンね)。
ラストシーンが真一郎視点なのに、ザクロ(の立ち絵)だけ出て来ないのは………まあそういうことやろなあ………
1つスッキリしなかったのは…
ポジティブで一応の出来事が解決したかに見えるが、実は肝心な事が放置されてるんだよな
それは、結局真一郎が栄一の自殺の原因を理解してないこと
私は真一郎が栄一の為にゲームを作ると言い出した時に、オイオイオイ。死ぬわアイツ(栄一)
そう直感的に思った。
そしてやはり栄一はその夜、自殺した。
当たり前だ。栄一がこの時受けた精神的ダメージと絶望は大きいだろう
この男…真一郎は、相手の視点に立つ事や、物事を客観的に考える事が、全くできない。
だからこそ鬱を告白したヨウは真一郎に激怒し、ザクロも呆れていた。
しかもヨウは、栄一の自殺の原因を察している
あそこで真一郎の配慮があれば、栄一は死ななかっただろう。残念だけど、所詮友達がいない人間は、相手の気持ちを推し量れないよな
この一件ですこし人間的に成長し、栄一の死因を理解したと思うんだけど、どうなんだろうな。
いずれ経験を積んで賢くなったときには、流石に自分の愚かさに気づくだろうけど、そこでアフターストーリーが生まれそうだよな
栄一が自殺してからの栄一の母の描写が全く無かったのも心残りだが、間接的とはいえ、真一郎がやってしまったことは、自殺の原因として在るわけだからなあ…
評価B+
70点
作中の自殺についての議論は…
とある講談師が「死にたい死にたいって言ってる人もね、病気になったら病院に行くでしょ?それが本質」と言ってたけど、彼らは病気になったらどうするのだろうね……(ザクロは既に病気だが)
とだけ言っておきましょうかね
音楽や主題歌も自作しているし、かなり手が込んだ一作です。
クリア後に「死ぬよりもつらいこと」とだけ表示された簡素なタイトル画面にある変化が起きるんだけど、これもタイトル回収以上の上手さを感じたな。
作者のゲームは、テーマが余りにも主流とはかけ離れているため(エンタメ、萌えもない)、今回もDLされないタイプのゲームなんですが、プレイした人間の評価は間違いなく高くなりますよ
最後にもう1つ。
主人公と親友キャラがフリーゲーム製作者なのでフリゲの話が出てくるのだが、制作論や、制作論とも呼べないような若くて熱い感情には、色々とシンパシーも感じたな。
面白かった台詞を引用したい。
「(フリーゲームは)まあ、簡単に作れるからここまで栄えたんだろ」
最近はかなり簡単に作れるからね。ティラノビルダーが一番ハードルが低いかな
「(最初に作るゲームの)シナリオには適した長さがある」
最初のゲームは短編がいいだろうね。制作よりも、チェックが大変になるから
でもまあ、好きに作ればいいよ。大変な作業もやってみると結構楽しいから
「俺の伝えたいことが一番伝わるのが、ノベルゲームだったってことだ」
これは私にはない考え。私のゲームや小説にメッセージ性はほぼないから。作者のゲームが、まさにこれなんだろう
「シナリオ作りは教えねぇ」「俺のコピーになる」
教えられないの間違いじゃない?シナリオ制作のスクールに通ったり、教本を読んでスタートした作者のほうが少ないだろう。
プロットすら作れないのが普通。9割が我流だと思う。
「これ以上は言わない。作者が解釈をベラベラ喋るのは好きじゃないからな」
同意。作者が自分で解釈とか考察とか後付けのようにあーだこーだ語ってると、格好悪いよね。
それらをすべてゲーム内に込めるのが、創作なんだし
私は言いたいことは、全部シナリオに置いてきた
「あんまり俺の言葉を真に受けるなよ。所詮は他人の言葉だ。自分の生き方は自分で決めろ」
その通り!!
m9(。+・`ω・´)чoμ*:゚・☆
フリーゲーム 優しい世界とかいうブログのレビューなんて、真に受けないで欲しいよ。
なんだよあのブログ…
おかしいよ…
ゲームブログなのにオチンチンの話ばっかじゃないか
おっぱいの味考察とか、頭おかしいのかよ
しかも最近は「ラブプラス EVERY」の攻略日記ばっかじゃん。管理人はフリゲを見捨てたのか…!?
一体いくらソシャゲに使ってるんだ…!?
忙しいといいながらも、プレイ時間60時間突破とか…
それだけの時間があるなら、フリゲを何十本クリア出来るんだよ…
でもまあ、「死ぬよりもつらいこと」は良作だから、真に受けた上で、やってみて
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