まず最初に結論ありきでいうと…
かなり面白かったです。
既に一定数のDLや感想があるし、紹介、解説はせず、ネタバレ感想を書きます。
とにかく良かったのがこの、年齢天秤という独自のアイテム。
フリーゲームでこのような、独自色の強いアイテムを出すって、案外珍しい
これが2人の主人公と2つのストーリーを上手く回すキーアイテムになってるが、同時に、少年青年の成長物、恋愛物としても、よく出来てるんじゃないかと
ラストで年齢天秤の恋愛に於ける意義を、上手く昇華出来てた
でも私は、ハナビはユリアとくっつくと思っていた(笑)。
夏乃はハナビを過去にして、既に結婚していると予想した(その役目はナギが担ったので、半ば予想は当たった)
ユリアの「シゲちゃん」に対する感情って、恋愛っぽいもんなぁ…
かつて夏乃に年齢天秤のことがばれたのと同じように、ユリアにもばれ、歴史は繰り返される…って流れだと思ってた(28のシゲが驚くくらい、鋭い子って前フリもあるしね)
何故かスルーされたまま雑に終わっちゃったけど、ユリアにシゲちゃんの存在は、どうフォローするのだろうか…
毎回工藤新一に戻るコナンみたいな事をやったら、間違いなく無理が出てくると思うが……しかも天秤は30までしか使えない
ぶっちゃけ、ユリアとその家族は、騙されたまま終わっちゃったからなあ…(同じようにされた夏乃も、やはり騙されたと感じていたようだし…)
まあ、最後は3人とも幸せになれたのは、よかったね。
ニートのハナビも、彼女の会社にコネ入社できるしね!
逆に残念なのは、全体的に伏線が露骨で、2つのシナリオが別時間というヒントを、ミスリードにしては出し過ぎな事かな
特に、「年代が分かる物」が多過ぎる
ハナビルートで中学生に流行ってるのがバンプ、ミスチル…(嵐だけは今の女子中学生も好きだろうけど)
「ワンピース」の「最新刊」という言葉の強い違和感
「青の炎」なんて懐かしい小説まで出てくる始末
それに対しシゲルートでは、米津玄師、ニンテンドースイッチ、薄型PS4だからなあ…
「LOSER」という曲名まで出てくる
ジェネレーションギャップがあり過ぎる…
この時点で余程鈍いプレイヤーでもなければ、トリック(ギミック)に気づいて、「シゲちゃん」の正体が分かっちゃうからね
それが分かると、もう他の謎もするするっと解けちゃう
プロのゲームを手本として出すと、「Ever17 -the out of infinity」のように、2つの時間のキーワードは共通させたほうがよかったのではないかと
たとえばどっちのルートでも「FF」や「ポケモン」の話をしているが、実はかたや新作、かたや旧作…
そうかハナビルートに出てくる「FF」は「FF12」だったんだ!なんてミスリードだと上手かったんじゃないかと(「FF12」は06年らしいが)
…立ち絵素材が統一されておらず、サイズ感もバラバラなので、どうしても安っぽさを感じてしまうシーンがあるかな。
折角ストーリーがいいので、違和感が…
オリジナルの立ち絵でブラッシュアップ出来れば、相当な良作になりそうではある…
評価B
70点
キャラは夏乃(中学生)と、ユリアが好きですね
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当時の「中学生の好きなアーティスト」のデータが無いので、分かりませんが、ミスチルの黄金期は90年代で、CD売上トップ10も、全て90年代です。
黄金期を過ぎた昔のアーティストを果たして流行に敏感な2000年代の中学生が好むか?というと、確かに違和感はあります。
バンプは「天体観測」でブレイクしましたが、発売後、即ブレイクという感じだったかは分かりません。
レビューでは割愛した事を補足すると…
「ワンピースの最新刊」の何が不自然かというと、その巻数に触れない事ではなく、「異様な長期連載に触れない事」です。
普通「ワンピース」や「コナン」の話をする時、決まって「100巻近い事」「いつまでやってるんだよ」「いつ終わるんだよ」という話題になるんです。
あれだけ口幅ったいナギがそのことに触れないのは変なので、プレイヤーは真相に気づいてしまいます。(17年には既に90巻近い)
じゃあどうすればいいかというと、もうずばり「この漫画って凄く長くやってるよねぇー。一体いつ終わるんだろうねー」と言わせればいいんです。
中学生にとっては20巻オーバーでもそれなりに長いですし、いつ終わるんだという疑問もおかしくはない。読み手をミスリードできます。
実際、当時少年だった私は既に「ワンピース」は長いと思ってました。この少し前の90年代の作品が、どれも短い(当時はそれが普通)ことも理由でしょう。(「幽白」は19巻)
他にも「バンプ」「米津玄師」という固有名詞ではなく、両者を連想させる共通ワードを使うか、二通りの解釈をさせる事が、叙述トリックの定石です。
例えば「最近売れてるアーティスト」の話題で「あの前髪の長い人、上手いよね」と言えば読み手を「これは米津玄師だな」とミスリードし、
実は「バンプ藤原」(の売れていた2000年代)だったというオチに、綺麗に持っていけます。
叙述トリックには他にも様々な手法がありますが、「年齢天秤」は良作なだけに、もっと上手くやれたのになぁと残念に思う部分が多いです。
でも作者にも好きなアーティストの名前を出したいとか、様々な思惑があったのではないでしょうか。あえて露骨に描写したのかもしれません。
他にもストーリーのためだけに強引に作られた設定、展開が目立ちます。
こんな頼りない感じのまだ中学生の息子を一人暮らしさせる親が、携帯電話を持たせないのは有り得ません。普通の親なら心配で持たせます。
バイトを探す時に、これだけ苦労人で、しかも頭脳派のヒロインが手っ取り早く稼げる仕事がいいと突然短絡的になるのも、強引なストーリー展開でした。
これはダメだろという、余りにも致命的過ぎるバグもあります。
色々書きましたが、このあたりを修正できれば、衝撃系の凄いゲームになれそうな逸材です。しかしながらそこはフリゲですし、完成度だけを追い求めず、好きに作ればいいかと。
なんか意外
ミスチルはいまの中学生は知らないレベルでしょうね
あのころの中学生だけどすでに流行ってなかったw
バンプは逆に売れる前か