帰り道、殺人鬼に拉致された主人公は、硫酸を飲まされ咽を焼かれ、声を出せなくなる
地下監獄の行く先々で知恵と勇気を振り絞り、殺人鬼から逃れる
か弱い女の子が、強靭な殺人鬼相手に…
まあ先に結論から述べると、作者の最高傑作でしょう
でも、ぶっちゃけホラーゲームとしては然程怖くない
プレイヤーを怖がらせる演出が少なく、そもそも明らかにガチなホラーゲームとしては作っていないので、実質パズルアクションだね。
様々なギミックを駆使し、頭を使い、殺人鬼から逃れることがゲーム性
そしてストーリー、演出、謎解きの爽快感、伏線回収までのカタルシスが、すばらしかった
エンディングでタイトルが出るシーンでは、久々にゲームでため息をついてしまったほどだ
先に述べた通り、主人公は行く先々で謎のメッセージを残していく殺人鬼から逃れることになる。
「妊娠できなくしてやる」や「食え」など、意味不明で不気味なメッセージが多い
逃げアクション&パズルとしての難易度はかなり高いんじゃないだろうか
20回くらいのゲームオーバーは当たり前だと思う
だが、ゲームでこんなにトライアンドエラーしたのは久々だったので、実に楽しめた。
ゲームというのは、本来そういうものだしね
ガソリンステージだけは無駄に右往左往させられたので、もっと簡単でいいと思うが。
ネタバレ
井戸を上がって(主人公、凄い身体能力(笑))辿り着いたのは、これまでの異常空間と違い、至って綺麗な民家
食卓もあり、生活感すら感じさせる
だが扉から脱出しようとすると、案の定パスワードロックがかかっている
娘を殺した日と不穏なヒントを残しながら…
この時点で多くのプレイヤーがあっ…(察し)となるだろうが…
本作は主人公が、殺人鬼の娘を殺したいじめっこというお話。
つまり殺人鬼の目的は復讐である
かなりエグい描写があり、主人公側が悪で殺人鬼が正義だとすら思った。結局は私刑の話だからね
作者のゲームにはハッピーエンドがないというテキストが出てくるが、このゲームは、殺人鬼にとってはハッピーエンドじゃないだろうか
テイルズオブファンタジアとかもそうだが、悪人だと思ってたキャラが実は…というどんでん返しは、インパクトあるよね
ここに至るまでの伏線回収がすばらしく、バックで車の音がする音楽プレイヤーのトリックは、ヘッドフォンを推奨するこのシリーズならではの謎解きだった
殺人鬼が達筆だったり、台詞がなくても知性を感じさせる描写があったことも、見事な伏線。
落とし穴に叩き落される主人公。泣き叫ぶも、助けは来ない
セーブもロードもできない、タイトルに戻ってやり直すことさえできない
いつから自分が逃げられたと錯覚していた?とかブリーチのキャラみたいに正体を明かし、追い詰め、そして娘がそうされたように、主人公を殺す父親。
家に入りスタッフロール…
この瞬間のカタルシスは、最高潮
クリア後に変化しているタイトル画面での、主人公の死亡も、ぞっとする
まさに、消えたあの時の叫び…
庇護欲を掻き立てるような萌えキャラなので、ド畜生だとは思わないよね。
殺人鬼ことムキムキマッチョパパも実に誠実な男であった。
人を見た目で判断してはいけない(戒め)
オチとしては過去にも例があるが、本当細部までよく出来た一作だ。
演出的には、ジエンドの前に井戸の底で骸骨になった主人公を映すと、尚インパクトがあって良かったと思う
どうやらもうひとつEDがあるようなので、もう少しプレイしたい
評価A+
80点
2018年下半期はホラーゲームが豊作すぎやしないか?と何度か書いてきましたが、また出てしまいましたね…
とんでもない良作が…
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それ多分ネタがメインで、レビューはおまけですよ。
一番信頼できるレビューサイトだわ
地獄エンドは本質的には同じではないか?と苦労の割に変化がなかった気が…。あそこで父と刺し違えてたら、結局復讐は主人公と同類である、同じ末路を辿る…というようなメッセージ性が生まれる余地があったんですが…。
主人公にも家族がいる筈なので、今度は主人公の父がゆみの父を殺す、結局復讐劇の連鎖だ…なんてオチでも面白かったかも。
あ、qはダブルミーニングですゆえ(ギリギリ)
フリゲレビューサイトは確かに少ない。しかも全部小粒なのでは。