付き合うことになる2人だったが…
まず導入部、主人公とヒロインが付き合うところからスタートというのが、恋愛モノとしてはちょっと珍しい。
大抵は恋愛成就=EDだが、最初から両想いという設定だからね
ジャンル的には百合ゲーだし、メインストーリーはそんな2人がキャッキャウフフとおっぱいを揉んだり、イチャコラなラブコメ描写もあるが、レズビアンのカップルを通じて同性愛者についての考察や訴えをするというのが主題に見えたね
簡単にいえば、ゲームを通じて同性愛者について考えよう、偏見は捨てよう、という
クリア時間は25分くらいなのだが、良く言えばハイテンポで無駄が無い。
だが悪く言えばストーリーの折り返しがどこも唐突で、設定が設定のままで終わっており、投げっ放しな印象
その点を、具体的に幾つか。(ネタバレ)
同性愛者をフォローするのはいいが、同性愛者を嫌う人間=悪という描き方が露骨過ぎる。
同性愛者が嫌いというよりは最早差別主義者の父親が、特に顕著。
当然世の中は多種多様なので、同性愛者を嫌う人間にも正論はあるのに、全てが悪いみたいな描き方
この描き方だと、寧ろ同性愛者を嫌う人間に対しての偏見がある(嫌う奴は全員悪なんだ!という)と見られそう
妻を若くして亡くした父には、主人公を真っ当に育てないといけないと言う強い意思がある筈なのに、それについての描写や葛藤も余りなく、ほぼスルーで終わってしまった。
かといって、あれだけごねていた割には、受け入れるのも、妙にあっさり。
全ての展開が強引で、展開にもうワンクッション欲しい。
前半で父に彼女を紹介するまでが、早すぎる。ゲーム内時間でたった数日しか経ってないんじゃあ…?
これだと父目線でも、まだ恋人との付き合いが浅い娘の意思が、一時の気の迷いと解釈するのは自然では。
途中、モノローグで一ヶ月経過するので、ここで経過させたほうが自然。
流れてる音楽が妙に軽快
講演会のシーンとか、主人公達が大衆を前にカミングアウトする緊迫のあるシーンの筈なのに…
まあこれは、シーンを暗くしすぎないためだとか、何か意図があるかもしれないが…
尚子の弟がイジメられている設定や、千穂と尚子がレズとバレてからの展開がほぼない。引っ越しは何か意味があったのか?
講演会(これも結構唐突。もっと準備とか、クリアすべき条件が多そうだが…)には小学生ではなく、クラスメイトが出席して、2人を見直すという展開のほうがよかったのでは。
祭りもあっさり過ぎ去るし、2人の関係が周りに許されるところまではやってほしかったな。
テーマが恋愛から同性愛者への偏見を無くそうって事にシフトしたことが露骨過ぎて、別れの悲しさなどを、キャラクターが感じる描写がほぼないことも違和感
主題が同性愛者そのものである割には、掘り下げがいまひとつ。
レズビアンがゲイビデオでオナニーする理由なども、書いて欲しかった。
概要だけ羅列するのではなく、内容も欲しい
評価C
60点
色々マイナスファクターを羅列しましたが、この題材のゲームを、結構楽しんでプレイしていました。
テーマ主張系ゲーム作品としての水準は、満たしているのではないでしょうか。
気になる人は、プレイしてみては。
最後に虹が出て、同性愛者の生き方の象徴が虹であるというEDも、綺麗でしたね。
でも虹(LGBTの生き方)、メッセージウィンドウに隠れて半分しか見えねぇ…
前が見えねェ…
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