…のはまあいいとして、いくら何でもゲームバランスが悪すぎる。
普通、推理ゲームは徐々に難易度が上がっていくものだが、このゲームは序盤が難しくて徐々に簡単になるという逆仕様。最終チャプターなんて、調べるところがほとんどない。
序盤が一番面倒臭くて調べるところが多いので、推理ゲームに慣れていないプレイヤーは即積んでしまうだろう
▼そもそも選択肢が無駄に多すぎる。
かの名作、ファミコン探偵倶楽部Uでさえ、調べるポイントはせいぜいこの程度
ところが本作はたった1シーンでこれだけある(実際はこれが何十倍も、何十往復もある)
多過ぎ!!!
ここまでやると捜査ではなくただの作業になるんで、テンポは著しく落ちる
リードミーのADVに対するコメントにはシンパシーこそ感じたが、これは一体何のゲームに影響を受けたのだろう…
▼中年のセンスが、萌え絵に比べると余りにも古臭すぎてパロディやギャグが極めて寒い。
中年のおじさんが、無理して若い言葉を使ってるような不自然さ、厳しく追求すると痛々しさが酷いんですよ
川越シェフはまだしも、郷ひろみがジジイになったとか、こういう台詞って50代くらいがいいそうだが、女子高生のセリフではあり得ないでしょ(そもそもゲームユーザーの多くは、郷ひろみの若い頃を知らないだろう)
毒にも薬にもならないオヤジギャグを執拗に連発するのも寒かった。これ、明らかに「主人公の言葉」じゃないでしょ。
こういうの、叩かれて炎上してた「クロエの流儀」もそうだけど、萌えキャラを通じて自分の意見を主張したいだけというウラが透けて見えてしまう
消火器を調べると、消火器にもA火災用、B火災用、C火災用と種類があるんだよと雑学を話すので為になるんだが、なぜこの路線でやれなかったのか
▼さて肝心の推理物として。
推理はロジカルでもなんでもなく、ほとんどただの答え合わせ。犯人当ては一つでも間違うと全てやり直しで、ヒントも0なので、ちょっと難しいかもしれない。
終盤まではヒント機能があるので初心者はそれを見ると攻略出来る。
▼肝心のストーリーは非常に安っぽく、これといったドラマなし。このあたりの丸投げっぷりは、本当に酷い
ストーリーもドラマも何も無く、推理モノの王道である犯人との対決も無ければ、悲しい動機も事件の闇も、マジで何も無いまま終わる
しかも終盤は、ただ淡々と1人で捜査するだけ。ラストも犯人があっさりと自首してENDという、余りにもあっけない結末にガッカリ。
二転三転やハラハラドキドキの展開もなく、多くのプレイヤーが最初に「こいつが犯人だ」と踏むであろうつぐみ先生が、何の工夫も無くそのまま犯人で、非常に拍子抜け
見るからに怪しい奴がそのまま犯人じゃあ…なあ。
予想では、自殺したセリはつぐみの妹なのだが…そのあたりの動機、人間関係も全てスルー。
(昔の神風動画っぽいキャラだな)
そしてつぐみの共犯者と思われた他のキャラの暗躍も、全てスルー。伏線丸投げで終わってしまった
▼というかこれ、本当にエンディングなのかな?
このレビューは一応これをエンディングとして書くけど、これがミスリードで、真犯人がいる真ENDがまだある可能性もあるので、その場合後々加筆修正します。
つぐみは一言も自分が犯人だとは言ってないしね
というかこれで真エンドが無かったら余りのショボさにガッカリですわ(´・ω・`)
▼そしてそれとは別に何がまずいかって、バグやエラー、誤字脱字が凄まじい。
クリアまでスクリプトエラーが20回以上発生した
リードミーに「推理ゲームは徹底的に同じことを調べよう」とあるのに、いざそれをやるとエラーするので、悪いんですが、なんとも本末転倒で、マヌケでした
この後、強制シャットダウン。
何度もセーブを取れずに逝ったので、バグ多すぎヤバイって気付いてからは、セーブはホント小まめに取った。
▼テキストが流れるとドラクエ的な効果音が鳴るのだが、テキストを読み切っても効果音だけ鳴っているのが不自然だし、非常に鬱陶しかった。普通は音も切れるものです
▼そんな具合で、「思い通りのゲームを作りたい」というエネルギーだけはあるが、悪く言えば独り善がりな自慰で、ユーザー視点の欠けた、空回りした部分がかなり目立つので、相当人を選ぶゲームじゃないかと
▼評価E
40点
難しくてクリア出来ないってコメを見るし、バグも滅茶苦茶多い。とても人にはオススメし兼ねます。
でも結構遊べたのは、私がADV好きだからかもしれないですね。
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そこまでの情報の中で論理思考して推理するシーンがないし、
アキトDATEとはえらい違いでした。
作者が推理ADVにはかなり拘ってるみたいなので期待したけど、正直期待ハズレでした。
別ルートがあるならその限りではありませんけど。
ゲームは、好きってだけじゃ作れないな〜っと改めて思った次第。
これって推理じゃないよな…でした