▼途轍もなくクオリティの高いゲームシナリオだった。これまでの中で1番面白い。早く次の展開が見たくて衝動的にプレーしたほど。そのくらい牽引力がある。夕子ルートほどじゃないにせよ、マコトルートよりもボリュームもあった(だが結末は呆気ない、後述)
前半は例によって、オモシロ関西人の割下と、心優しいアルビノの少女、春乃のハートフルな恋模様が繰り広げられる。
摩織も他のシナリオに比べ妙に優しいし、よく笑顔を見せる
本当に普通の恋愛ADVっぽい
前半の、会話劇が非常に面白かった。
通常このテのADVの日常パートは「前座」なんで、ダレて同じことのループになるんだが、視点切替のシステムなどを使ってゲーム性を高めているし、全然飽きない
▼徐々に恋人に近付く二人…波乱のはの字すらないハートフルなシナリオに心配になるが、例によって日常が唐突かつ悲劇で壊される。
堤の慕っていた先輩、雛が超能力者とされる犯罪者にレイプされ(レイプ展開多過ぎ)その犯人が春乃という噂が立ってしまう。
奇異な見た目もあり、イジメの対象にされる春乃。このあたりのシーンが本当に可哀想。
何が可哀想で怖いかって、これまで親しくしてきた堤がイジメの主犯だったというオチ。
なんかリアルすぎて、最早怖いね
自分はゴロツキとも繋がっており、一週間以内に真犯人をあげられなかったら彼らを使って春乃をレイプする。当然避妊なんてしないと恫喝する堤。(このゲーム本当にレイプ好きだな)
普段お嬢様ふうに通っている親切な堤が実はそっちの人だと分かって、気持ち悪さすら感じるね。本当に怖い奴は普段そうは見えないんだろう
▼そして今度は嫌がらせ、イジメが割下にも向いてしまう。
普段チャラチャラしている割下が完全に折れるのが、これも見ていてツライ。
あんなに仲良くしていた雪村からももう2度と話しかけるなといわれたり、泣きっ面に蜂。
普段から暗い奴だったらそうは思わないが、こういう明るいキャラが折れてしまうのは本当にキツイ。
この辺りの絶望感、本当に凄い。ゲームだけどズシンと来る。一昔前の言葉でいうと、鬱ゲーというやつだ
▼家に篭っていると春乃がやってくる。距離を取り、突き放すため、そして八つ当たりのために酷い態度を取ってしまう…
だがそれをも許し、見抜いて割下を慰める春乃…
なんというぐう聖。
このシーンの主人公とヒロインが救われた感、光が見えた感はもっと凄い。もう完全に感情移入している
やっぱりゲームはプレーするもの。漫画や小説との違いはそこ。
割下に完全に感情移入してたもんだから、もう、春乃のぐう聖ぶりには、心が打たれるのなんの…
このようなキャラクターを創造する作者は一体どのような人間なんだろうね。
え?エロリ専門家?そうですか
▼そして例によってこのゲーム、どういうわけか絶望と希望が交互にやってくるんだよね…
この後どんな絶望が待ってるんだろう。この感動的な流れから春乃がレイプされるバッドエンドがあったらドギツイなあ…と思ってたのだが、後日たった1日でまさかの完結。
雪村を通じて真鍋に電話してもらい、あっさり犯人の証明。
心配していた先輩も元気でやっているという…(夕子バッドの悪い印象も無くなって、妙にスッキリ)
あ、あっけねえ…今までの努力は一体…
余りにも熱い掌返しをする、堤。
うん…まあ知ってましたよ。
当然堤のことは信じてましたよ。
あそこまで先輩の雛を慕える人が、悪い人間じゃないって(熱い手の平返し)
そしてそんな汚い自分をも信じてくれた割下を好きになるという、まあ定番の流れ…
昨日までの話はなんだったのというくらい、阿呆な流れになって、物語は唐突に終了
え!?終わり!?
どうもこのゲームはラストが全部唐突だね。
普通、主人公達の悪評が無くなって、割下たちに危害を加えた連中が謝罪するまでがシナリオだろうに…
雛もまさかの復帰なしとは…
ハッピーエンドじゃなくてグッドエンドなのが気になってたが、、そういうことなのかな
▼エピローグは3人で念願のプールにいって、仲良しトリオ以上恋人未満のまま物語は幕を降ろす。
アフターシナリオは仲良しトリオが解散してしまっているのが少し悲しい。春乃に片思いしていた親友が諦めるまでを、ちゃんと描いてほしかった。
恋人になった2人の初体験
例によって無毛。下の毛も白いんじゃなかったのか。このゲームで毛まで描かれてるのがまさかの夕子だけとか
更には結婚までの意気込み。マコトアフターシナリオは殆どヤるだけだったけど、こちらは、ちゃんとここにも物語があるのがいいね
▼他のシナリオと違い、超能力犯罪者である五十鈴が登場せず、犯罪者との戦いもないので、毛色がかなり違った
ヒロインがアルビノの美少女だが、アルビノが障害であるという設定も使いこなしてた。
春乃が超能力者という噂が広まったのはあの見た目の所為もあるだろう。間違いなく(何故かその事が言及されなかったが)
親友キャラとして男性キャラが登場し、他のルートに比べると超能力モノという内容は薄かった。その分、恋愛ドラマに多くの時間を割いている
マコトルートでは春乃は一切登場しなかったが(厳密にいうとワンシーンだけ背景モブにいる)、春乃ルートではマコトや他のヒロインも活躍するという違いもある(マコトも春乃ほどではないにせよ、物凄いぐう聖ぶり)
▼残念なのはやはり誤字脱字やバグが多いところ。キャラAのセリフの発言者がキャラBになっていたり、ということが頻繁にある。
また、室内なのにシューズを履いているキャラもいた。チェックのとき視点変更しなかったのかな?
じゃあ纏めます
▼シナリオ評価S+ 95点。素晴らしいゲームシナリオだった。露骨な泣きとかを狙わないんだけど、ストーリー性、キャラクター性、ゲーム性全てで引っ張るいいシナリオ。
減点したのは、春乃探しの難易度が極端に高い事。ヒントなしでクリアするのはまずムリだろう。ファミコンの1ドット並で、まず気付かない。気づいてもクリックできない
まあ今のファミ通じゃあるまいし、満点なんてそうはつかないもんだから、これでも超優良です。
そしてトレオフの総合評価は…S+ 90点。
素晴らしいゲームでした。名作と呼んで全く問題ないデキ。
ツメの甘い部分もあるが、面白い部分が圧倒。
もし一般PCゲーでリリースしていても、間違いなく名作扱いされたでしょう。
同人ゲームとしても、歴代TOP10に入るクオリティ
ただ画面がよく動くような細かさがある反面演出が地味で、OPムービーすらないし、タイトル画面も大昔のゲームのように無音…というのはなんともチープ。
このあたりにも拘りがあれば尚良かった
同人ゲームとしてどの程度話題になったのかは知らないが、現在のDL数は3000を超えているし、フリーゲームとしてはかなりヒットしているほうでしょう。
シナリオ、キャラともに春乃>>>夕子>マコトの順で好きだが、どれも甲乙つけがたいよさがある
オススメの一作です。
後は、まだ到達していないオマケシナリオを出そうかな。それによっては評価が上下するかも。
【追記、その後のプレー】
ヒロインクリア後、オマケシナリオを埋めているが、深夜子の語りを除いた全てがエロシーンであることに笑った
アフターシナリオでも感じていたが、やはりこのゲーム、致命的にシナリオとエロシーンが噛み合ってない。
レイプされたマコトを輪姦したり、エロシーンのキャラクターが本編と完全に別人でありえないことだらけ。だからイマイチ気分が乗らない
私は断然ラブラブエッチ派だ
おなじ同人成人ゲームでも、かたわ少女はシナリオとエロシーンが見事に融合していたが、テイオフはシナリオとエロシーンでテイストがまるで違うし下品なだけで、イマイチつまらない。
今更減点対象にはしないが、萎える要素だ。シナリオ型ADVなのにね
そして後1個、エンディングが埋まらない。
マコトルートだと思うんだが…
全クリ後に俯瞰して気づいたが、春乃ルートは流さの割に分岐が一つもなかったんだな、バッドエンドが1個あるだけだ
もともとシナリオごとに発売されたゲームなので、その影響かな
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congratulations!
おめでとう…っ!クリアおめでとう…っ!
やはり乖離はおかしいですよね。作者は相当ハードプレイがお好きなんでしょうか。ストーリーがハードなのはいいが、Hシーンまで不必要な部分でハードなため、肝心のストーリーを崩している事は欠点でした(「風雲相討学園フラット2」もこのパターンっぽい事を危惧しています)。しかしそれでも「トレオフ」は、大変な力作でした。
ED、見つかりませんでしたか…。いつか私と貴方の無念を晴らしてくれる勇者の誕生を、ここで待ちましょう。全裸待機で。
おかげさまで全シナリオ、ハッピーエンドまで到達しました。
ただ、私もエンディング到達ルートが1つ欠けているようです。
相川ルートの8日目における左側の分岐かな?と思っています。
もう少し続けてみますが、半諦め状態です。
また、同じくシナリオとエロの乖離は感じましたね…。
エロを入れるために無理やりシナリオを崩してしまっている印象は受けました。
しかし、上記を差し引いても大変面白い作品でしたね。