いたって平凡な学生「割下惣二」は、転校先での新たな生活が始まってまもなく、
超能力少女「佐倉夕子」と出会う。
そんな折り、最近この付近で"超能力者が犯人"と噂される傷害事件があることを知る。
超能力者の存在を身近に知っている割下と相川は、
佐倉夕子たち超能力者と今後どう接して良いのか困惑する。
そしてついに事件が発生。
犯人の疑いがかけられる春乃。
何者かに襲われる相川。
超能力者を探す夕子の本当の理由。
様々な超能力をつかう者たちの間で、佐倉を手助けするために
なんの特技もない割下は無い知恵を絞ってヒロインと共に超能力を乗り切る、
痛快学園超能力ノベルアドベンチャー。
リリース
完全版:2012/05
相川編:2009/08/15
春乃編:2006/12/31
trade▼offのプレイ中レビュー
本作は06年にリリースされた、痛快冗談超能力学園ノベルアドベンチャーという、やたらくどいジャンルの同人ゲームの、完全版
それが今回フリーウェア化された。一応、今でも配信販売されてるけど、それは寄付という名目のようだ
メインスタッフが与根金次氏と朽木ヒロユキ氏のたった2名というのがありえないほどのハイクオリティかつハイボリュームに驚き。
もともとは断片的に販売された同人ゲームだけど、この完全版に関して言えば一般ゲーでも通用するほどの完成度
・オリジナリティ
まず主人公が関西弁というのが新しい。てっきり序盤だけかと思えば、全編関西弁。広島弁も混じった不思議な喋り方になっているが、すぐに慣れる
シナリオは、極シンプルなSFゲーム。超能力が題材で、主人公は超能力を持たない少年。超能力者との戦いが繰り広げられるが、能力が無い分知恵と勇気で敵を下すのがとても面白い。
超能力という題材だとフウキがGBAで出したZERO ONE(ZERO ONE SP)とかを思い出すけど、あれよりはライトで、SF知識、超能力知識はほぼいらない。
タイムパラドックスは定番だし、テレポートの原理などはどこでもドアと同じだし、基礎知識があれば十分理解できるレベル
そしてこのゲームは独自のシステムとして、紙芝居ADVの限界に挑戦
なんと視点を自由に操作できるという、画期的なシステムを採用している。
これが思ったよりも凄い。視点を変えるだけならメモリーズオフ〜それから〜が立ち絵を視点切替したりズームアップ出来たので、その程度のものを想像していたが、本作は文字通りプレイヤーが主人公の目線を操作、または主人公とは違う視点を操作でき、それがゲーム性を高め、攻略にもつながっている。
つまり、紙芝居型ADVでありながら、ただ読み進めて選択肢を選ぶだけでは攻略が不可能なんですよ
視点切替やそれによる画面クリックによってのみ、攻略できるシーンも出てくるし、それには頭をヒネらないといけない
超能力者との戦いでは、リアルタイムの選択肢も登場し、臨場感、緊張感もある
実にお見事で、よくこんなギミックを思いついたなと感心した(逆に、メモオフみたいなズームはできないんだけど)
勿論ギャルゲーエロゲーとしての役割も果たしており、なんとヒロインの足元を見ることができるんですよ。
靴下にもパターンがあるという、謎の拘りが凄い。衣装は同じでも靴下だけ違う
これで気になるあの子の靴下を毎日チェックできる!やったね!
他にも太股を見ながらプレーすることも可能。やったね!
・シナリオ
非常にレベルが高い。ギャルとシリアスの落差の大きさには驚く。アホな学園モノだったのに、唐突に主人公が犯罪者に殺されたり、ヒロインが主人公が拘束される目の前でレイプされたりと、とてつもなくハードな展開もある。
超能力が題材だが、説明文が分かりやすいのもいい
・キャラデザ、グラフィック
2005年には既に開発しておりキャラデザもあがっていたようだが、12年前とは思えないくらい可愛い。
確かに古さはあるが、非常に作画が丁寧で、スチルも殆ど違和感がない。
そして紙芝居にしても演出がとても面白く、漫画的なフキダシ演出と、立ち絵が動く(厳密にいうと立ち絵を高速表示しているだけで、絵そのものが動いているわけではない)アニメ的な演出を使い分けている、これにはびっくり
そしてこのテのゲームじゃ珍しく、ロリキャラが2人もいる(正確には3人)。作者がエロリゲーの専門家らしいが、これは人を選びそう。
説明書の「18歳以下、精神年齢の低い人はプレイしないでください」ってのは、作者の自虐だろう
・音楽
作者のお手製により、のんびりしたものから緊迫感のあるものまで、クオリティが高い
開発同人サークルThe Dungeon In Yarnのレベルの高さには心底驚く。
代表の与根金次はコミックLOにも漫画が掲載されたセミプロの漫画家でもあるようだし
私はLOはクジラックスとか雨がっぱ少女群くらいしか知らないので、どの程度か、ってのは分からないんですが、まあ…
作者が今になって、「ちびっ子先輩とせっくす えっちな妹ともせっくす」という、本作セルフカバーのエロリ同人を出す程度にはエロリを愛している事はわかりました
そういえばスタッフロールにすたひろの名前があったのにも、驚きました。
おたくの娘さんはあの当時久々にハマった漫画だったけど、作者もツイッターですたひろをリツイートしてるし、今でも交流あるのだろうか
「おたくの娘さん」というセリフや、作者が同名のエロゲーを出してるのは、パロディ?
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