極楽とともに「呪いのアパート」に訪れた花島少年は面妖な出来事に巻き込まれるのであった。
▼久々にオカルティックノベルの良作がきたなーって思った。
…でも…製作としてはオカルトを題材にしたホラーノベルだろうけど、
個人的にはキャラクターノベルかな。
書店でよく見る、「ライト文芸」って奴。
キャラクターを中心とした構成であることが多いジャンルだが、
「怪異探訪」も、それに属すると解釈してる。
主人公の相棒である極楽のキャラが、そのくらい強かったんだよ。
このゲームの主役は怪異よりも寧ろ、極楽だからね。
▼極楽はいいキャラしてるね。
中学生の間でヤバイ不審者と噂されても、まるで意に介さない。
「BLEACH」の浦原喜助と「化物語」の忍野メメから面白いおじさん成分を中心に抜き出したようで、1つ1つの台詞が、とても面白かった。
このように飄飄とした掴み所のないオッサンキャラは、フリーゲームではかなり珍しい。
なかなかどうして、創作するのが難しいんだろう。
▼キャラが立ってる。
世界観も立ってる。
ギャグも良い。
…この3つが揃ってる。
オカルト要素も単なるグッドエンドやバッドエンドではなく、良いでも悪いでもない、
結論が明確に示されず、割り切れない…
ぬめェっ…!っとした気持ち悪さで、得も言われぬ終わり方。この読み味も良し。
家に帰ったら母親が全くの別人に変わっていたシーンは、「はざまたそがれ」「怪談ひとつ」などにも共通する、独特の気持ち悪さを感じるホラー感。それが味わえる。
▼残念なのは3本のストーリーに、結構な格差があることかな。
1本は非常に優れたストーリーだが、残り2本はもう少し頑張れたと思う。
本作の評価は、その1本の良作が支えていると言ってもいい。
評価B
70点
▼実に面白いホラーノベルゲームでした。
極楽が〇〇〇の〇を廃屋と間違えるシーンで爆笑し、序盤から掴まれた。
繰り返すと、本質はキャラクターノベルじゃないかと(演出はテレビドラマ風)。
ホラーゲーム好き、ノベルゲーム好き、オッサン萌えの方は、是非やってみて。
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