ボクを引き取ってくれたのは、お金に余裕があっただけで、最初から全部ウソの愛だったんだなって…
▼今日世界が滅ぶなら、君は何をする?誰と過ごす?
…という誰もが1度は妄想したであろうテーマをフリゲにしたオリジナリティを、まずは見て欲しい。
設定の時点で面白い。
▼「救済少年の終末」は、地球最後の10時間をテーマにした一作。
時間経過型探索アドベンチャーで、探索中は常に時間が流れるため(イベント中は停止)、リアルタイム10分でゲームは終了する。
登場人物たちはそれぞれのタイムテーブルで行動しているが、これがなんとも懐かしい。
「牧場物語」や「Moon」のような雰囲気を感じた。
▼トゥルーエンドを見て強く感じたのは……
「よくぞたった10分に、これほどのドラマを詰め込んだな」ということ。
登場人物それぞれにドラマがあり、密接に糸が絡まっている。
主人公は彼らの最後の日を幸せに導くべく奔走するが、どのエピソードも素晴らしい完成度だった。
特にレモ姉の恋の話は…
グッドエンドには意外性、バッドエンドには狂気があった。
彼女の部屋に隠された狂気は、必見。
…これをレモ姉の恋のお相手が見ていたら、グッドエンドのような結末にはならなかった気がする。
▼グラフィックや音楽のクオリティも素晴らしい。
特に全編灰色で表現されたグラフィックは、演出にも一役買っている。
とあるシーンでよく見ると〇〇のグラフィックが〇〇〇になっていることは、トゥルーエンドへの面白い伏線だったね。
この灰色グラフィックじゃないと表現できない、面白い演出だよね。
それ以外にも伏線はあるが、真相を知った後、なんと見事なんだと思わず膝をたたいた。
▼たった10分でマップを奔走するので難解に思えるが、思いのほか簡単。
タイムテーブルも使わずなんとなくで動いたが、それでも攻略できた。
あらすじもそこそこにいきなりマップに放り出されるので
初見は複雑に思えるかもしれないが、まずは5分だけでもプレイして欲しい。
評価B+
75点
素晴らしい良作でした。
全てが救われたトゥルーエンドは、滅びの愛に包まれています。
彼らの地球最後の日は、あなたが導いてあげて下さい。
▼参戦タイトルが少ないかに思われた今回のウディコンでしたが、良作が次々と滑り込みましたね。
まだまだプレイ中なので、引き続きレビュー感想を書く予定です。
…今のところ、グランプリ最有力は『SIBLINGS』かな。
RPGに見せかけた(?)ハイスピード斬撃アクションで、カットイン演出がとにかく格好良い。
フリーゲームでこのようなスタイリッシュアクションは稀有なのでは。
▼…ウディコン作品ではありませんが、「逢魔ヶ探偵 【完全版】」も面白いです。
よりATLAS作品っぽくなりパロディや風刺が現代風に変更されましたが、
たとえこのようなアマチュアゲームであっても、飯塚幸三が差し替えられてないのは、寧ろ英断かもしれません。
あれは絶対に風化させてはいけない、残忍な事件でしたから(なので敢えて、この風刺を不謹慎とは言いません)。
数年前に書いたオリジナル版のレビュー感想では「ヒロインはアカネ派」と書きましたが、今の感覚だとタヅコ派です。
数年で自分の好みに変化があったのかと自己分析できますし、そういう意味でもオリジナル版をプレイしていると面白い完全版だと言えます。
作者の描く女性キャラは可愛いですね。
なぜ初期は描かなかったのだろう(絵は別の作者だった)。
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単に変えるアイディアが出なかった可能性もありますが。
横スク画面や、↑ボタンで家に入るーみたいなのはレトロゲーム的ですよね(当時のゲームコントローラのボタンが少なかったゆえの操作?)。
まあそういった操作部分はキーボードですし、今風に快適化されてますが。
横スクロールのマップも面白いし今回のゲームでは3位内の良作でした