▼世界一幸せな少女エミリーの一生を描いたスーパー悪趣味ゲーム「幸せなエミリー」作者の新作
「エミリー」は娘が主人公だったが、今作は母親
母親である主人公は荒れ果てた家にある地下室で「何か」を育てており、
その鳴き声は上まで響き渡る
主人公は「何か」のために家中を探索し、食べ物を探す…
▼探索ホラーゲームとしては非常に王道で、家を探索し、謎を解き、フラグを立て、資料を集め、見つかった食べ物を地下室で泣き叫ぶ「何か」に与える…を繰り返す
クリアまで20分ほどで、CHAPTERが4つに区切られているので、テンポがいい。
1つクリアしたら所持品がリセットされるので、「このアイテム、まだ使うの?」「アイテム欄がごちゃごちゃしてきたな…」という煩わしさも無い
攻略難易度もそこまで高くないので、気軽にプレイできる
▼肝心のホラーゲームとして、どうなの?怖いの?という問いに答えると…
怖いというか、気持ち悪かった。だってこれ、サイコホラーだもん
グロテスクなグラフィックやジャンプスケアはほぼなく、ただただ、演出でプレイヤーを煽ってくる。
特によかったのが、音を使った演出だね
地下室から響く「何か」の声は、とても不気味だ。だからプレイヤーとしては、一刻も早く、そこから離れたい…
…
ところが泣き声は日に日に強さを増していき、やがてはほぼ家中に聞こえるようになる…
…
…この、焦燥感を掻き立てる演出は見事だ
▼ストーリーとしては主人公に何があったのか?声の主は何か?といういわゆる考察系だが、真相が読めていても、食料が無くなった家で、主人公が最後に何を与えるか…
…
この結末も、良い感じに気持ち悪い
▼お使いが多かったことだけは残念。
アイテムが使えそうな場所を発見したらメモすることが、攻略のカギでしょう
評価C
60点
安定のサイコホラーで、「エミリー」にハマった人には、特におすすめです
怖いは怖いんだけど、序盤の泣き声……岩尾望っぽいよね
【フリゲレビューブログ小話】
▼先日から、スマホ版にカレンダー機能を追加しました。
…といってもテンプレートを変更しただけなので、ウケが悪そうならすぐさま戻します
当初はPC版にも実装していましたが、画面がごちゃごちゃするのを嫌って、カットした経緯があります
今回は、「月ごとに1年前の良作を振り返ると面白いかな〜」という狙いがあって、久しぶりに戻しました
▼ちょうど1年前の9月10月といえば、「鼓草」が出ました。今でも輝きを失わない名作です
戦死した夫の弟と再婚する…
…夫の死を乗り越えふたたび幸せになった主人公だが、戦死した筈の夫が帰ってくる…
…
いわゆるレビラト婚をテーマにした一作ですが、
実はレビューに書いた「大切なものはきっと失われてしまう」という文言は、
最初「喪われてしまう」という、非常に直接的な表現でした
しかしこれではネタバレになるので、「失う」に修正した……なんてレビュー裏話があったりします
まあこのネタ自体「らいとらいとらいと」で既出ですし、フリゲでは珍しいといっても誰もが1つくらいは聞いたことがあるでしょうけれど(私は「×一(バツイチ)愛を探して」を思い出した)、前情報がなければやはり大きな衝撃を受けますし、あれから約1年が経つも、フリーゲームではきわめて稀有な題材です
1年程度では全く色褪せない。きっと10年後も面白い
今でもおすすめの名作ですね
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