というのはすでに日本にも根付いていて、職業や年収などにより、地位は大きく変わる
「廃品回送」の世界観ではそれが居住区に表れていて、「ドラクォ」のような階層で分かれている
舞台となる第7区は、ほぼ最下層。太陽の光も届かない、スラム同然の闇の町
住人の心にも、光がさすことはない
アル中の父親に虐待されている主人公は、ジャンク品を拾っては小銭に変え、それを父親の酒代にされながらも、生計を立てている
なんとかして上へ這い上がろうと、もがき苦しむ
なんといっても、言葉は悪いんだけど「底辺」の描き方が上手かった
登場人物はみな腐ったような生活をしているし、死人みたいな存在
グラフィックが美麗で、演出もいい
ボロアパートの隣人が、面格子に傘をかけてるんだよね。何気ないオブジェクトだけど、とてもリアルだ
実際、粗悪な賃貸では決まって見る光景だろう
主人公には生き別れの妹ミヨがおり、第4階層で生活している
2度と会えないはずの妹だったが、ある切っ掛けから再会
彼女は、とある目的のためにやってきた
………
2つあるエンディングで、兄妹の運命を見届けた感想としては……
せがわやカロンの、ダーク要素だけを抽出したかのようなゲームだな
よくこんな救いのかけらもないゲームを作ったなというくらいには、ダウナーだ
なにせ2つあるエンディング、どちらも全く救いがない。
バッドエンドと思しき選択肢を先に選んだので、もう1つをグッドエンドだと思っていた
ところがもう1つの選択肢は、更にダークなエンディングへの片道切符だった
ここまで鬱ゲー路線に徹したことは凄い
兄を助けたい妹。這い上がりたい兄。
第4区に住む妹は、なぜ第7区まで落ちてこれたのか……
このあたりの真相や「バット」の使い道は予想の範囲ではあるが、それでもインパクトがあった
階層世界に翻弄されるふたりの末路。ぜひ見届けて欲しい
評価B+
70点
進めるたびに美麗なグラフィックがテキストごと変化したり、細部まで凝ってましたね
マップも狭いので、迷うこともないでしょう
なかなかの胸糞ゲー(妹ゲー)で、おすすめです
【フリーゲーム小話】
▼以前、「reversal」の作者は作品を最も多く見られたフリーゲーム作者
ではないか?
…と書いたけど、作者の作ったシバター動画が、なんと大晦日のRIZINで流れていた
しかも全国放送だ
編集でカットされたとはいえ、全国放送で自分の動画が流れたフリーゲーム作者は、日本中で1人じゃないか?
元ニホンジンであるウタエルの全国デビューに隠された、影のMVPだね
▼「機械人形は歌わない」をプレイ
ファイルを立ち上げたら、いきなりゲームシーンから始まる演出が面白い
「レシオハーバーへようこそ」などフリゲで稀に使われる手法だが、作者ロゴやタイトル画面を通過せず、唐突にゲームが始まるのはフリーゲームならでは
最初の仕掛けの時点で面白かった
▼ライブ2Dと聞けばVチューバーのイメージが強いだろうが、最近、フリーゲームでも使う人が増えてきた
私がこの技術を初めて目にしたのは、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル」だ
私がというか実はこれ、ライブ2Dを使った最初のゲーム作品
PSPの古いゲームなので、覚えているゲームファンは25歳以上だろう
だがクリエイターの技術が試作段階だったのか、当時としても不自然で仕方なかった。
胴体に反して顔が浮いており、要らないとさえ思っていた
それが今やプロが開発した「プロセカ」が別格にせよ、アマチュアでさえ使いこなすクリエイターが数多くいて、開発技術がどんどん上がっていると感じる
特にノベルゲームは紙芝居と揶揄されることが多いので、がんがん動かして動芝居に進化してほしい
フリーゲームでは、「きっとぜんぶ私のせい」「生真面目な後輩ちゃんのゲーム」「女のフリしてゲーム作ったら、女装することになりました」などが使っている
だがフリーエロゲでは私の知る限り、「ボランティアラブ」くらいか
これは乳が揺れていた。ライブ2Dのエロゲでの正しい使い方である
エロゲはノベルゲーム以上に紙芝居と揶揄されるので、そこを脱却する鍵はライブ2Dにこそあるのかもしれない
尚、私はこれっぽっちも使いこなせない
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