何が変かって、続編の意義が全く無い謎の続編であること。
前作とは余りにも変わり果てている事、似て非なるものであること
そもそも前作終盤で既にマンネリ化していたし、売上も落ちていたのに続編というのが不思議だが(あのときも打ち切りといわれてた)、結果として、ストーリーも中途半端で、短期終了のクオリティの低い漫画として終わってしまった
前作の中盤までは本当に面白い漫画だっただけに残念
打ち切りということでその原因を探ってみる
1.単純な絵の劣化
前作もぐささんは絵が綺麗でスッキリした構図に可愛い女性キャラ、シャープでカッコいい男性キャラと、優れた作画の条件を満たしていたが(これを新人が週刊で描いてたのだから凄い)、続編はそれら全てが酷い
こっちが「え゛っ!?」って言いたいよ
これ、知らない人は下が前作でしょ?だって下手だもん、って思うくらい絵に差があるけど、上が前作、しかも序盤なんですよ
新人が初の週刊連載でこの作画レベルとか、すごいね。
女性キャラもスタイルがよくて可愛いし、髪の毛なども精細に描かれてるが、続編はキャラの線が太くなり、デブっててブサイクなんですよ。
デフォルメ顔を多用しすぎで、ヴィジュアル的にもしつこくて胃に凭れる。
髪の毛も大幅に簡略化しているが、作画がキツイのだろう。るろうに剣心の和月伸宏も、週刊連載で髪の毛をデフォルメしたと言っていた
2.舞台設定の変更、まさかの前作レギュラー全員リストラ、更には新キャラがショボイ
恋人の小口くんすらまさかのリストラ。前作は小口くんの視点でもぐささんを見るというストーリーだからこそ成立したのに、とんでもない愚策。
よってもぐさが、一方的に暴走するだけの、ただの痛い子になってしまった(しかもキャラクター性も知的からは程遠い阿呆の子に)
前作の委員長とか、いいキャラしてたのに最終回にちょっと出るだけという余りにも酷い扱い
新キャラはキャラも立ってないし絵的にもモブ臭い
今作、もぐさの親友キャラの水戸忍。些細なことでブチギレる。頭おかしいんですか?
おにぎりを食べながら走ってくるという、なんかもう、キャラ立てが雑すぎて、痛すぎてどうでもいい存在です(しかもキャラが佐野と被っちゃってるし、シャツもダサイし)
一方、前作のもぐさの親友キャラ、平ちぐみ(委員長)。ぶっちゃけ、キャラデザはもぐさよりも正統派ヒロインしてて可愛かった。
ヒロインの代名詞である黒髪ロングが、ヒロイン以外で使われるのは珍しいかも
小口のよき理解者でもありました。グルメマンガとしても、もぐさの対極のキャラとして登場し、クールで、衣装も可愛く、キャラ立ても丁寧
頭がいいキャラとして描かれ、小口のもぐさへの気持ちにも最初から気付いてる(頭がよくなくても普通気付くが)
役割が一貫しており、終盤まで、2人が付き合うためにアドバイスをしたりと、活躍するシーンが多かった。委員長がいなかったらあのハッピーエンドもなかったかも、というくらいには
え?水戸の活躍も教えてくれって?
マジでどうでもいい扱いのキャラなんで、(役割は)何もないです
3.青年雑誌なのに男性キャラが少女漫画、乙女ゲームのようなスカしたイケメンで、男性読者のハナについた
前作の男性キャラは、小口くんは素直な好青年で、佐野もアホながらに真っ直ぐな奴で、イヤミがなかった
君に届けのピンのような、長身でガタイのいい、ワイルド系イケメンの佐野。男性読者にウケる王道親友キャラ
ところが何故か今回の男キャラはイケメンのすかした奴ばかり。
しかも大口なだけで、能力が高い訳でも活躍の場があるわけでもない、意味不明なポジション。いなくても成立するくらい。
なのにそれがなぜかもぐさの恋人候補っぽく登場するので、NTR臭さが嫌な読者も多いんじゃないか
まるで調教。徐々に堕ちていくもぐさ……。ビクン!!悔しい…っ!でも感じちゃう…っ!
鬼のいぬ間に…
このキャラクター性や描写が完全に女性読者向けで、青年漫画としてはかなり大きな違和感があるし、そもそも「男から見たイケメン」と、「女から見たイケメン」は大きな差があります
近年はオタク女子も増え、腐女子という言葉もメジャーなスラングになり、ヤンジャンも女性読者が増加傾向にあるんだろうけど、ヤンジャンの読者層、ボリュームゾーンはあくまで20代〜30代の青年じゃないでしょうか。だって「青年誌」なんですから。ターゲットもそこを中心にすべき
それがなぜか女性向けの描写ばかり。
しかも「続編」なのに「前作」とはそこがまるで違うとなれば、読者も当然離れます。あ、なんかもぐささん変わっちゃったな…今回はつまらないな…と。
前作の小口くんはもぐさを全力で守ってた
イケメンってのはこういうことじゃないか?
なのに今作の男性キャラは、ジャマばかりする。ただ適当にスカしてるだけで中身スカスカキャラです
最後も大学生で会社立ち上げたとか、勘違い意識高い系っぽい痛いキャラ
そして作者の絵が美醜の感覚に疎いので、イケメンがいうほどイケメンに見えない。
なのに、しつこく凄いイケメン!超イケメン!!とまで連呼されるので、単純に鬱陶しいし、違和感が生じる。
小口や佐野もイケメンのハズだけど、なんか違うの?と。
4.食事シーンが汚い。しかもゲテモノ好きキャラ(↑のダメキャラと同キャラなので、ダメ度も2倍)までいる始末
致命的
前作はステルス食いがテーマなのでこのテのメシマンガにしては割と綺麗だったが、今回はもう汚いのなんの…。
前作終盤も、ただの汚らしいフードバトルマンガに成り下がっていたので、改善しないままやってしまった
ゲテモノ料理キャラまで登場させたが、グルメマンガとしての、超えちゃいけないライン、考えろよ。
これが許されるのは、かみやたかひろ先生のOH!MYコンブだけなんだよ(しかもコンブはコミックボンボン。子供向け雑誌と同じことを、青年誌がやりますか普通?)
5.食欲と闘うというテーマがそもそも意味不明
闘うのは結構だが、作中の描写と読者の温度差が凄まじい
もぐさがまるで食欲に負けたら死ぬくらいのカンジなんで、読んでて違和感がある。そんなことどうでもよくない?と冷めてしまう
そもそも、もぐさは事有るごとにこんなことじゃ小口君に…小口君にぃいいいいい!と叫ぶんだけど小口君は別に、もぐさがよく食べる事に対して否定的ではないんですよ。
ましてやシナリオ上の行間を読むと、もぐさがそのことを理解してないってのは、前提からしてありえません。付き合ってからも結構長いし
なので作品性、コンセプトの全てが根本から崩れ去るわけです
6.恋愛要素がほぼ廃止
小口がほとんど登場せず遠距離恋愛という設定。恋愛要素はほぼなし。前作はラブコメとグルメでバランスがよかったが、今回はグルメだけなので読者が飽きる
7.続編としてのメリットがない
冒頭でも少し触れました。
漫画にしろゲームにしろ、続編もの最大のメリットは、やはり前作を踏襲した展開や、前作キャラクターの登場によるアツイ展開でしょう
だが、本作にも一応小口君は登場するものの、ほぼゲストキャラで、他のメインキャラに至っては最後に少し出るだけで一切登場しない
しかもその代わりに出るキャラクターが、まさかの大食い女王のみ(それも登場シーンが、「このキャラはまさか!?」という、謎の自信満々な引き方)
ええぇぇ…一番いらない子じゃん…。
マジでどんな判断だ
汚らしいとしか言えない前作の戦犯キャラ
まあね、出した意図は分かるんですよ(結果スベっているとはいえ)。
今回が食欲と闘うという意味不明な謎テーマだからその真逆で大食いキャラを出すってのは
でも、その代わりにレギュラーキャラを除外するというのが、本当に意味不明です。
帰省する話で地元に残った前作キャラとの再会があるものと期待するや、全員全国に散らばったという謎の設定により、誰もいません(旧キャラは飛び散ったドラゴンボールかよ)
他に登場するのは、もぐさの家族とか端役だけです。このキャラたちがレギュラーより人気だとでも?
読者としてはちっともワクワクしない展開なんですよ
8.そもそも舞台が大学である
もぐさも女子大生になっている。
結論からいうと大学を舞台にした漫画でヒット作は殆どない。
高校を舞台にした漫画のヒット作は大量にあるのに(より娯楽性の高いゲームとなると、大学が舞台のヒットゲームはほぼない)
まあぶっちゃけ、大学という世界が高校に比べてあんまり面白くないからだと思うんですよね…
「青春」といえば高校までで、大学生活はフリーターとほぼ変わらないし
毎日出るわけじゃないし、バイトばかりしてる学生もいるし…
続編はなぜかその大学のつまらなさを反映して、もぐさがバイト生活までしてる。
これ、何も面白くない
制服もないしね…(これを言いたかっただけ)
羅列したが、特に1.2は致命的だったんじゃないか。
折角の続編なのにキャラ総入替とかガッカリした。前作キャラのその後が見たかった。恋人になった小口ともぐさの描写とかもね
編集がテコ入れでもしたのか、ただのネタギレなのか、明らかに方向性を間違えた。
前作が好きだっただけに、勿体無い漫画だった。
【後日談。2020年追記】
作品までは否定しないが、「100日後に死ぬワニ」の一連の騒動は本当にくだらない。
だが思わぬところで収穫もあった
それは、本家より遥かに面白いパロディが量産されたことだ
発想が面白く、タイトルだけで笑ってしまうものもある
twitterでも数多くのバズり漫画が出ている
中でも、打ち切りにされた「もぐささん」が「1いいね1円で晩ごはんを食べる腹ペコ女子」としてまさかの復活を遂げたことが私にとって嬉しい。絵柄こそ違うものの、もぐさ……らしきキャラも女子高生に若返っている
既に「もぐささん」を知らないキッズが大勢いることに時代の流れを感じた。
ただでさえヤングジャンプという青年誌だし、彼らには縁がない漫画なのだろう
元ネタが電通ということで、書籍化は無理なのだろうか?しても集られるだろうか。
大竹さんはこれを機にどこかの編集の目に留まり、もうワンチャン掴んで欲しい。
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という事は、多々あるのですが、私はそれは前作の途中からだと見ています。突然、下品な大食い漫画へと変貌しました。
ただあの後また爽やかな青春展開に戻ったので、あれはまだよかった。一時の気の迷いくらいの感じで。
だが、続編は終始あの汚い路線だったので、辟易していました。
これが編集者の所為なのか、作者の迷走によるものなのかは、本人が明かさない限りは、わかりません。
大竹さんがこの程度で終わるとは私も思ってないので、もうワンチャンあればいいんですが…
でも絵を初期に戻すのは、もう難しいでしょうねえ…
かなり時間に余裕がありそうな状態で描いた読み切りも、絵はもぐさ欲末期のものでしたし…
ここの管理人さんが書いておられるように、途中からものすごく違和感を感じました。
今作のそもそもの始まりとかも。
作品をリリースするにあたっては嫌な話ですが、どうしてもお金がかかわりますので、
出版社、編集者の意向がどうしても色濃く出てしまいがちです。
今作もそのような事情が結構な割合で関わっているのでは?と思いました。
憶測でいろいろと書いてしまい申し訳ありませんが、
大竹先生は間違いなく実力者ですので、他の作品もぜひ読んでみたいです。
その時、先生のネームに目を通される方々が作品に対してどのような関わり方をするかは
分かりませんが、是非とも良い機会に恵まれることを強く切望致します。
大竹先生の本当に初期のころの作画のタッチやコマ割り、ストーリーの進行、
キャラの立て方がものすごく好きでした。
Twitterも実はフォローしております。(コメントの名前とは異なりますが)
大竹先生の作品をこれからも応援しております。
もぐささんが当初はグルメをテーマにしながらも多くの読者に受け入れられた青春グラフィティだった事。そしてそんな漫画がどうなってしまったか、私、忘れてませんよ
次回作…あるんでしょうか。もぐささんを読んだ時の「これはYJで数年に1人の才能だ」という直感を未だ信じているので、まだまだ描いて欲しいんですが。
私は大竹さんに15巻分の印税をプレゼントしました。
なので是非とも売れっ子になったらマンションでも買ってください。