2018年02月05日
映画「きっと、うまくいく」の感想…「オール・イズ・ウェール!」と言いたくなる元気が出る映画、インド映画の勢いをまた感じました。
今日は映画「きっと、うまくいく」の感想です。
後輩に何かおススメ映画ある?って聞いて返ってきたのがこの映画。
インド映画って事と3時間ぐらいあるって聞いて、
なかなか観れていなかったのですが、ついに観ました。
最初に書いておきますが、もっと早く観れば良かった。
今回はPS4でAmazon Prime Videoでの鑑賞…字幕スーパー版です。
映画「きっと、うまくいく」は日本公開2013年のラージクマール・ヒラーニ監督作品。
インドでは2009年に公開されていて、
こんな良い映画が何で日本で公開されるまでに4年もかかってると思うと、
なんでかなあと思ってしまう。
インド映画はあまり観ていないのでどうこう言えないのですが、
こんな映画が作れるのだからラージクマール・ヒラーニ監督は良い監督だと思う。
映画の導入部分ですが、
インドの工科大学で仲良しだった3人組のランチョー、ファラン、ラージュー。
大学を卒業後、何故か姿を消してしまったランチョーだが、
10年経ったある日、同級生のチャトルから
「ランチョーに会える」とファランに連絡があり、
飛び立つ飛行機を急遽止めてラージューを連れ大学に行くのだった…みたいな感じかな。
キャストですがインド俳優は全く知識がないので情報だけ。
ランチョーを演じるのはアーミル・カーン。
ファラン・クレイシーを演じるのはR・マドハヴァン。
ラージュー・ラストーギーを演じるのはシャルマン・ジョシ。
ランチョーに恋するピア・サハスラブッデーを演じるのはカリーナ・カプール。
大学の学長ヴィールー・サハスラブッデーを演じるのはボーマン・イラニ。
ランチョーをライバル視するチャトル・ラーマリンガムを演じるのはオミ・ヴァイディア。
などなど。
さて、映画「きっと、うまくいく」の感想ですが、面白かったです。
笑ったし泣いた!
まず言及したいのは上映時間で2時間50分ぐらいありまして、
やっぱり長いなって思う反面、もっとあいつらを観ていたいって思わせるぐらい、
3人が魅力的なのがこの映画の成功ポイントだと思う。
そして、その魅力的にみせるための作り方を考えると、
インド映画というものが見えてくるのではないだろうか。
以前、このブログで映画「バーフバリ 伝説誕生」の感想を書きましたが、
その時も「勢いが凄い」ってのがあったのですが、
今回も正にインド映画の勢いを感じずにはいられませんでした。
インド映画独特の感性というか、
見慣れているハリウッド映画や邦画などとは基本的な感覚が違い、
例えばCGの使い方にしてもリアルに見せるってよりも、
「作りものですが何か?」ってぐらいの派手な使い方。
実写だけどアニメとかコミックみたいな表現方法に近いって気がした。
映像だけじゃなくて、例えば目を開ける時に効果音が鳴ったりとか、
リアクションに効果音って普通はダサいというかダメな演出なのに、
インド映画だと別物というか、これはこれで納得できてしまう。
俳優の演技についても、リアリティというよりは、
舞台演出というよりもアニメとかに近いんだろうなあ。
軽い運動をしてから動くとか、
いわゆる「分かりやすい」演技であり、
総じてインドの「エンターテイメント」ってパワーを感じる。
まずもって映画が始まる前のロゴの時のBGMの時点で、
すでにインドっぽさがあるのですが、
映画冒頭の飛行機の中で電話がなっちゃった気まずさ、
そして急病人を演じて飛行機を止める展開。
この時点で邦画もこれぐらい勢いがあったらなと羨ましくなった。
2時間50分もあるので、1つ1つストーリーを書いていくと、
それだけでも物凄く長くなってしまうので、
良いなって思ったところをサラッと書いていきます。
笑えて泣ける映画なのですが、
自分がこの映画で一番泣いたのは、
ラージューがとある展開で入院する事になり、
仲間が励ましてくれるシーン…泣けるなあ。
その流れでファランが自分は写真家になりたいと、
父の説得のために実家にいくところ。
「プロ用のカメラはいくらだ」って、もう何も見えませんでした。
泣かなかった産まれたての赤ちゃんが泣くシーンとか、
学長がお前は好きなものになれと言ったり、
ランチョーにペンをあげるシーンもグッときました。
笑えるところとしては、
ヨガやってる彼女の言葉が「ズボン履いていって」とか、
大学の試験の前にエロ本をドアから忍ばせるとか、
あいつはいつまでズボンはいてないんだってのとか、
学長が両手で文字がかけるのとかね。
ペットの名前がキロバイトにメガバイトも良いね。
耳栓、鼻栓も。
そして病人を乗せてスクーター3人乗りで病院で行くシーンとか面白い。
面白いだけでなく、上手いなってのが、
学長の演説をお手伝いのあいつが裏で合わせて言ってるってので
あの学長は毎年同じ言葉で同じ事をやってるって説明になってたり、
車にスーツがあるのにはちゃんと後で使う場面があって意味があったりと、
ちゃんと考えて作られているのが分る。
最後の1対4の構図とかも分かりやすくていいなって。
そうそう、過剰な演出は面白い。
インド映画独特の主人公とヒロインが恋に落ちた時にミュージカルが始まるのは、
ある意味で過剰な演出なんだと思う。
ズビドゥビ、パランパンですよ。
そんな訳で3時間近くあるのに飽きないストーリーと、
それぞれうまく絡み合ったりしていて上手いと思う。
構成が上手い…intervalって出た時は苦笑いしたけど。
あと雷の停電になった時は、正直まだ「あるのか」と思ったけどね。
まあ短く観やすくするのも1つだと思うけど、
もっとアイツらを見せてくれるってのもサービスだと思う。
あと長い映画でも見飽きない様に、
様々な手法を用いているのも特徴で、
上からや下からのカットの種類の多さだけでなく、
クロスフェードみたいなつなぎはもちろん、
早送りやタイムラプス、
ワイヤーアクションやCG、
精子のアニメーションだってある。
もちろん歌とダンスがあってモノクロにだってなる。
これでもかってぐらいの表現手段を使う。
スタッフ紹介にだって歌がはいる。
ミュージカル部分のセットとか洪水の演出とかのお金のかけ方、
エキストラの数の多さはインド映画の勢いを感じる。
そのエキストラをただ使うのではなくて、
エキストラの服の色彩を豊かにしてみたり、
ほんと彩度が高いというか鮮やかな画面作りは味がある。
忘れてはいけないのが、
この映画を観るとインドの国内事情も知る事ができる。
左ハンドルなんだとか、そんな事ではなく、
インドも自殺大国であり、
貧富の差とか学歴社会というか競争社会など、
そうそう2番じゃだめなんですよね。
ちょっと日本に似ていますよね。
インドの社会問題が描かれている。
人生は競争だ、
金持ちのところは男はエンジニアで女は医者になれと。
日本だったら官僚とか公務員、医者になれってなるのかな。
学校について、
「ここは学問ではなく点の取り方を教えている」とか。
考えさせられます。
地味にスクーターをノーヘルで3人乗りが大丈夫なんだとか、
あれ?飲酒運転じゃないの?とかも。
携帯はサムスンが使われているんだなとも思った。
少し残念とは言わないけど、
あれって思う部分を少し書くのであれば、
ギターの音と役者の手の動きがあってないとか、
結婚式で連れ出すシーンで、
車か結婚かって感じで間逆の位置に出来たら良かったのになって。
そして一番はランチョーが完璧すぎる事。
原題は「3 Idiots」で、3人のバカというか、
大学で呼ばれていたグループ名なんだけど、
ランチョーにファランとラージューは助けられるんだけど、
決定的にファランとラージューがランチョーを助けるって感じにはならない。
もちろん、その2人のおかげでピアを連れていけたのだけど、
ランチョーがダメになりそうな時に、
あの2人がいたから間違わなかったとか、
何か3人で乗り越えたってイベントがあったら、
もっと良かったのになあとは思う。
全然今のままでも傑作級に面白いんだけどね。
何はともあれ「オール・イズ・ウェール!」ですよ。
ほんと、元気になる一本です。
最後に、先ほども書きましたが原題「3 Idiots」で、
ちょっと分りづらい感じはあって、
この映画で一番印象的な「オール・イズ・ウェル」を持ってくるのは
とても良い選択だと思うのですが、
確かに不安な時に「きっと、うまくいく」って感じに言う言葉なんだけど、
この映画を観たら「きっと」なんて感じではなく、
「オール・イズ・ウェル」って感じなんじゃないかなって。
だから邦題は「オール・イズ・ウェル」で良いんじゃないかなと思う。
字幕で、いとうせいこうって出てビックリした。
後輩に何かおススメ映画ある?って聞いて返ってきたのがこの映画。
インド映画って事と3時間ぐらいあるって聞いて、
なかなか観れていなかったのですが、ついに観ました。
最初に書いておきますが、もっと早く観れば良かった。
今回はPS4でAmazon Prime Videoでの鑑賞…字幕スーパー版です。
映画「きっと、うまくいく」は日本公開2013年のラージクマール・ヒラーニ監督作品。
インドでは2009年に公開されていて、
こんな良い映画が何で日本で公開されるまでに4年もかかってると思うと、
なんでかなあと思ってしまう。
インド映画はあまり観ていないのでどうこう言えないのですが、
こんな映画が作れるのだからラージクマール・ヒラーニ監督は良い監督だと思う。
映画の導入部分ですが、
インドの工科大学で仲良しだった3人組のランチョー、ファラン、ラージュー。
大学を卒業後、何故か姿を消してしまったランチョーだが、
10年経ったある日、同級生のチャトルから
「ランチョーに会える」とファランに連絡があり、
飛び立つ飛行機を急遽止めてラージューを連れ大学に行くのだった…みたいな感じかな。
キャストですがインド俳優は全く知識がないので情報だけ。
ランチョーを演じるのはアーミル・カーン。
ファラン・クレイシーを演じるのはR・マドハヴァン。
ラージュー・ラストーギーを演じるのはシャルマン・ジョシ。
ランチョーに恋するピア・サハスラブッデーを演じるのはカリーナ・カプール。
大学の学長ヴィールー・サハスラブッデーを演じるのはボーマン・イラニ。
ランチョーをライバル視するチャトル・ラーマリンガムを演じるのはオミ・ヴァイディア。
などなど。
さて、映画「きっと、うまくいく」の感想ですが、面白かったです。
笑ったし泣いた!
まず言及したいのは上映時間で2時間50分ぐらいありまして、
やっぱり長いなって思う反面、もっとあいつらを観ていたいって思わせるぐらい、
3人が魅力的なのがこの映画の成功ポイントだと思う。
そして、その魅力的にみせるための作り方を考えると、
インド映画というものが見えてくるのではないだろうか。
以前、このブログで映画「バーフバリ 伝説誕生」の感想を書きましたが、
その時も「勢いが凄い」ってのがあったのですが、
今回も正にインド映画の勢いを感じずにはいられませんでした。
インド映画独特の感性というか、
見慣れているハリウッド映画や邦画などとは基本的な感覚が違い、
例えばCGの使い方にしてもリアルに見せるってよりも、
「作りものですが何か?」ってぐらいの派手な使い方。
実写だけどアニメとかコミックみたいな表現方法に近いって気がした。
映像だけじゃなくて、例えば目を開ける時に効果音が鳴ったりとか、
リアクションに効果音って普通はダサいというかダメな演出なのに、
インド映画だと別物というか、これはこれで納得できてしまう。
俳優の演技についても、リアリティというよりは、
舞台演出というよりもアニメとかに近いんだろうなあ。
軽い運動をしてから動くとか、
いわゆる「分かりやすい」演技であり、
総じてインドの「エンターテイメント」ってパワーを感じる。
まずもって映画が始まる前のロゴの時のBGMの時点で、
すでにインドっぽさがあるのですが、
映画冒頭の飛行機の中で電話がなっちゃった気まずさ、
そして急病人を演じて飛行機を止める展開。
この時点で邦画もこれぐらい勢いがあったらなと羨ましくなった。
2時間50分もあるので、1つ1つストーリーを書いていくと、
それだけでも物凄く長くなってしまうので、
良いなって思ったところをサラッと書いていきます。
笑えて泣ける映画なのですが、
自分がこの映画で一番泣いたのは、
ラージューがとある展開で入院する事になり、
仲間が励ましてくれるシーン…泣けるなあ。
その流れでファランが自分は写真家になりたいと、
父の説得のために実家にいくところ。
「プロ用のカメラはいくらだ」って、もう何も見えませんでした。
泣かなかった産まれたての赤ちゃんが泣くシーンとか、
学長がお前は好きなものになれと言ったり、
ランチョーにペンをあげるシーンもグッときました。
笑えるところとしては、
ヨガやってる彼女の言葉が「ズボン履いていって」とか、
大学の試験の前にエロ本をドアから忍ばせるとか、
あいつはいつまでズボンはいてないんだってのとか、
学長が両手で文字がかけるのとかね。
ペットの名前がキロバイトにメガバイトも良いね。
耳栓、鼻栓も。
そして病人を乗せてスクーター3人乗りで病院で行くシーンとか面白い。
面白いだけでなく、上手いなってのが、
学長の演説をお手伝いのあいつが裏で合わせて言ってるってので
あの学長は毎年同じ言葉で同じ事をやってるって説明になってたり、
車にスーツがあるのにはちゃんと後で使う場面があって意味があったりと、
ちゃんと考えて作られているのが分る。
最後の1対4の構図とかも分かりやすくていいなって。
そうそう、過剰な演出は面白い。
インド映画独特の主人公とヒロインが恋に落ちた時にミュージカルが始まるのは、
ある意味で過剰な演出なんだと思う。
ズビドゥビ、パランパンですよ。
そんな訳で3時間近くあるのに飽きないストーリーと、
それぞれうまく絡み合ったりしていて上手いと思う。
構成が上手い…intervalって出た時は苦笑いしたけど。
あと雷の停電になった時は、正直まだ「あるのか」と思ったけどね。
まあ短く観やすくするのも1つだと思うけど、
もっとアイツらを見せてくれるってのもサービスだと思う。
あと長い映画でも見飽きない様に、
様々な手法を用いているのも特徴で、
上からや下からのカットの種類の多さだけでなく、
クロスフェードみたいなつなぎはもちろん、
早送りやタイムラプス、
ワイヤーアクションやCG、
精子のアニメーションだってある。
もちろん歌とダンスがあってモノクロにだってなる。
これでもかってぐらいの表現手段を使う。
スタッフ紹介にだって歌がはいる。
ミュージカル部分のセットとか洪水の演出とかのお金のかけ方、
エキストラの数の多さはインド映画の勢いを感じる。
そのエキストラをただ使うのではなくて、
エキストラの服の色彩を豊かにしてみたり、
ほんと彩度が高いというか鮮やかな画面作りは味がある。
忘れてはいけないのが、
この映画を観るとインドの国内事情も知る事ができる。
左ハンドルなんだとか、そんな事ではなく、
インドも自殺大国であり、
貧富の差とか学歴社会というか競争社会など、
そうそう2番じゃだめなんですよね。
ちょっと日本に似ていますよね。
インドの社会問題が描かれている。
人生は競争だ、
金持ちのところは男はエンジニアで女は医者になれと。
日本だったら官僚とか公務員、医者になれってなるのかな。
学校について、
「ここは学問ではなく点の取り方を教えている」とか。
考えさせられます。
地味にスクーターをノーヘルで3人乗りが大丈夫なんだとか、
あれ?飲酒運転じゃないの?とかも。
携帯はサムスンが使われているんだなとも思った。
少し残念とは言わないけど、
あれって思う部分を少し書くのであれば、
ギターの音と役者の手の動きがあってないとか、
結婚式で連れ出すシーンで、
車か結婚かって感じで間逆の位置に出来たら良かったのになって。
そして一番はランチョーが完璧すぎる事。
原題は「3 Idiots」で、3人のバカというか、
大学で呼ばれていたグループ名なんだけど、
ランチョーにファランとラージューは助けられるんだけど、
決定的にファランとラージューがランチョーを助けるって感じにはならない。
もちろん、その2人のおかげでピアを連れていけたのだけど、
ランチョーがダメになりそうな時に、
あの2人がいたから間違わなかったとか、
何か3人で乗り越えたってイベントがあったら、
もっと良かったのになあとは思う。
全然今のままでも傑作級に面白いんだけどね。
何はともあれ「オール・イズ・ウェール!」ですよ。
ほんと、元気になる一本です。
最後に、先ほども書きましたが原題「3 Idiots」で、
ちょっと分りづらい感じはあって、
この映画で一番印象的な「オール・イズ・ウェル」を持ってくるのは
とても良い選択だと思うのですが、
確かに不安な時に「きっと、うまくいく」って感じに言う言葉なんだけど、
この映画を観たら「きっと」なんて感じではなく、
「オール・イズ・ウェル」って感じなんじゃないかなって。
だから邦題は「オール・イズ・ウェル」で良いんじゃないかなと思う。
字幕で、いとうせいこうって出てビックリした。
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