2017年07月25日
映画「幽霊列車」(1949年)の感想…今観ても笑えるのは凄い事。
今日は映画「幽霊列車」(1949年)の感想です。
最近は時間が出来たらPS4「ニーアオートマタ」をしていたため、
なかなか映画が観れていませんでした…が、セーブデータを綺麗に消したため、
また時間が出来たら映画が観れる…かなと。
で、ずっと買ってはいたけどほとんど観れていない、
デアゴスティーニの「大映特撮映画」シリーズの中から何かを観ようかなと思いました。
そして選んだのが、この映画「幽霊列車」でした。
という事でデアゴスティーニのDVDでの鑑賞です。
※映画「幽霊列車」の関連の動画がなかったため柳家金語楼の動画。
映画「幽霊列車」は1949年公開の野渕昶監督作品。
勉強不足で、この頃の監督とかはほとんど知らないのですが、
多くの作品を手がけている監督で最初の映画「大尉の娘」は1936年。
もう80年以上も昔に映画を作っているとか考えると、感慨深い。
また、この映画では円谷英二が特撮シーンに参加しているのも大きな見どころだそうな。
そこら辺は是非、デアゴスティーニの大映特撮映画DVDコレクション45を読んでいただければ。
キャストですがさすがに時代を感じます。
話の性質上、登場人物は限られていて、特に序盤なんかは誰が主人公って感じでもありませんが、
まあ主演に当たるのは山下を演じる柳家金語楼。
落語家ということもありますが、笑わせる存在感は今観ても感じます。
今ではこういう人が主演の映画ってなかなか作れないですよね。
主人公はどの映画を観てもイケメンばっり…こういうスタンスの映画があっても良いと思いますが、
やはりそれで人が入るかと言われると難しいのかなあ。
笑わせてくれる登場人物として藤木を演じるのは花菱アチャコ。
吉本の漫才師でもありますが、
コンビで笑わせてくれる石田を演じる横山エンタツとの掛け合いは笑えます。
これだけ年月が経っても面白いってのは、
時代が変わっても人が笑えるポイントというのは変わらない部分もあるって事かなと。
その他、羅門光三郎、日高澄子、大伴千春などが出演しています。
物語のあらすじですが、温泉に向かうためバスに乗り込んだ16人だが、バスの故障で駅まで戻ってきた。
しかし、5分前に最終列車は出てしまっていた。
仕方がなく駅で一晩を過ごそうという事になったのだが、
駅長から止めたほうが良いと言われる。
駅長が言うには過去に女優などが死んだ列車事故があり、
それ以来幽霊列車が目撃されるというのであった…という感じ。
まず、1949年の映画なのでマスターがだいぶ痛んでいるみたいで、
画質というかフィルムの傷などはさすがに気になるぐらいの状態。
モノクロで4:3という比率は別に観始めると気にならなくなるのですが、
画の乱れ…気になりますね。
しかし、一番の問題は「音の劣化」かなと。
以前から何度も書いている事ですが、映画で「音」って結構大事で。
話している言葉が聞き取れないってのは、それだけで映画の印象を悪くしてしまう。
他より音の大きいところ、音が小さくて話の聞き取れないところがあるだけで、
映画の質が下がってしまう。
もちろん、これはマスターフィルムの劣化によるもので、
公開当時は問題なかったのだろうなとは思う。
DVD化するにあたって音の調整とかして欲しかった気がしますが、
なかなかそこまでの手間はかけられなかったのだろうなあと…少し残念でした。
話としては、随所で笑わせてくれるけども、ちゃんとした幽霊列車をめぐる話があって、
1本の映画として、物語として、しっかり作られていると思います。
もちろん、真面目に観たら色々ツッコミどころはあるのですが、
コメディ映画でもあるし、これだけ時間が経っていると、
細かい事は気にせずに純粋に面白く見れる気がする。
個人的には「話や演技の面白さ」も、もちろんありますが、
「映画から感じる時代」というものも面白く観れました。
冒頭の歌からすでに時代は感じますが、
改札口の「WAY OUT」という看板1つでも雰囲気を感じますが、
何より「切符」ですよ!
今や、非接触カードで改札通れる時代。
もちろん、今でも切符の地域や駅もありますが、
そういえば自分が子供の頃は切符だったなあと懐かしく思いました。
あと、乗客がバスに急いで乗ろうとしている姿に、
今の時代だったらもうちょっと秩序だった画になるのかな、なんて思ったり。
バスに乗るときには一列に並んで…とかになったのはいつ頃なのかな。
その他、バスの形だったりナンバープレートだったり、時代を感じます。
あと速度を時速40マイルって言うところとか。
「DDT」と書いたビンの中にサントリーの12年物が入っているのですが、
日本ではこのころは農薬とかに使っていたんだな、とか。
映画ってこういう時代を残すっていう側面は時間が経つと味わい深いですよね。
映画としても、もちろん見どころはあります。
目線だけで状況を説明する演技とかこの時代でもあったんだとか書いたら怒られそうだけど、
おおって思ってしまいましたし、
「幽霊がでるんです!」って駅長が言った瞬間に別のシーンへカットが変わり、
幽霊が出た(本当はただの乗客なんだけど)感じに演出したり。
あと劇中に「東京ブギウギ」で踊るシーンがあるのですが、ここを1カットでやるとか、
結構見どころなんじゃないかと思います。
あと、後半のクライマックスシーンでは、ちゃんと動いている汽車での撮影。
もちそん、冷静に見たら速度はそんなに出ている様には見えないのだけど、
動いている汽車の上を動くだけでも結構恐いと思うんですよね。
頑張ってると思いました。
まあ、何よりも主な役者達のやりとりは本当に今観ても面白いです。
「ちゅうちゅうたこかいな」みたいなのも良いですが、
花菱アチャコと横山エンタツのやりとりは良いですよね。
「また石田くんか、永久に石田くんか」とか笑ってしまいます。
君は秘書で僕は社長もね。
ひざ、トンッで足が上がるのもなんか笑ってしまったなあ。
そんな訳で映画としても、貴重な時代を感じる作品としても良い1本ではないでしょうか。
本当に「音」だけは残念。
なんどもテレビのリモコンで音を自分で調整するのはストレスでした。
最後の帽子が飛んでいく時の紐はガッツリ見えていましたが、まあいっか。
帽子が飛んでいって汽車よりも先に行ってるのは不思議だったが、
あの帽子が轢かれるのはどういうメッセージがあったのだろうか。
飛んでいった帽子が出てきたら幽霊だって言った後なので、幽霊なんていないんだよって事かな。
終
最近は時間が出来たらPS4「ニーアオートマタ」をしていたため、
なかなか映画が観れていませんでした…が、セーブデータを綺麗に消したため、
また時間が出来たら映画が観れる…かなと。
で、ずっと買ってはいたけどほとんど観れていない、
デアゴスティーニの「大映特撮映画」シリーズの中から何かを観ようかなと思いました。
そして選んだのが、この映画「幽霊列車」でした。
という事でデアゴスティーニのDVDでの鑑賞です。
※映画「幽霊列車」の関連の動画がなかったため柳家金語楼の動画。
映画「幽霊列車」は1949年公開の野渕昶監督作品。
勉強不足で、この頃の監督とかはほとんど知らないのですが、
多くの作品を手がけている監督で最初の映画「大尉の娘」は1936年。
もう80年以上も昔に映画を作っているとか考えると、感慨深い。
また、この映画では円谷英二が特撮シーンに参加しているのも大きな見どころだそうな。
そこら辺は是非、デアゴスティーニの大映特撮映画DVDコレクション45を読んでいただければ。
キャストですがさすがに時代を感じます。
話の性質上、登場人物は限られていて、特に序盤なんかは誰が主人公って感じでもありませんが、
まあ主演に当たるのは山下を演じる柳家金語楼。
落語家ということもありますが、笑わせる存在感は今観ても感じます。
今ではこういう人が主演の映画ってなかなか作れないですよね。
主人公はどの映画を観てもイケメンばっり…こういうスタンスの映画があっても良いと思いますが、
やはりそれで人が入るかと言われると難しいのかなあ。
笑わせてくれる登場人物として藤木を演じるのは花菱アチャコ。
吉本の漫才師でもありますが、
コンビで笑わせてくれる石田を演じる横山エンタツとの掛け合いは笑えます。
これだけ年月が経っても面白いってのは、
時代が変わっても人が笑えるポイントというのは変わらない部分もあるって事かなと。
その他、羅門光三郎、日高澄子、大伴千春などが出演しています。
物語のあらすじですが、温泉に向かうためバスに乗り込んだ16人だが、バスの故障で駅まで戻ってきた。
しかし、5分前に最終列車は出てしまっていた。
仕方がなく駅で一晩を過ごそうという事になったのだが、
駅長から止めたほうが良いと言われる。
駅長が言うには過去に女優などが死んだ列車事故があり、
それ以来幽霊列車が目撃されるというのであった…という感じ。
まず、1949年の映画なのでマスターがだいぶ痛んでいるみたいで、
画質というかフィルムの傷などはさすがに気になるぐらいの状態。
モノクロで4:3という比率は別に観始めると気にならなくなるのですが、
画の乱れ…気になりますね。
しかし、一番の問題は「音の劣化」かなと。
以前から何度も書いている事ですが、映画で「音」って結構大事で。
話している言葉が聞き取れないってのは、それだけで映画の印象を悪くしてしまう。
他より音の大きいところ、音が小さくて話の聞き取れないところがあるだけで、
映画の質が下がってしまう。
もちろん、これはマスターフィルムの劣化によるもので、
公開当時は問題なかったのだろうなとは思う。
DVD化するにあたって音の調整とかして欲しかった気がしますが、
なかなかそこまでの手間はかけられなかったのだろうなあと…少し残念でした。
話としては、随所で笑わせてくれるけども、ちゃんとした幽霊列車をめぐる話があって、
1本の映画として、物語として、しっかり作られていると思います。
もちろん、真面目に観たら色々ツッコミどころはあるのですが、
コメディ映画でもあるし、これだけ時間が経っていると、
細かい事は気にせずに純粋に面白く見れる気がする。
個人的には「話や演技の面白さ」も、もちろんありますが、
「映画から感じる時代」というものも面白く観れました。
冒頭の歌からすでに時代は感じますが、
改札口の「WAY OUT」という看板1つでも雰囲気を感じますが、
何より「切符」ですよ!
今や、非接触カードで改札通れる時代。
もちろん、今でも切符の地域や駅もありますが、
そういえば自分が子供の頃は切符だったなあと懐かしく思いました。
あと、乗客がバスに急いで乗ろうとしている姿に、
今の時代だったらもうちょっと秩序だった画になるのかな、なんて思ったり。
バスに乗るときには一列に並んで…とかになったのはいつ頃なのかな。
その他、バスの形だったりナンバープレートだったり、時代を感じます。
あと速度を時速40マイルって言うところとか。
「DDT」と書いたビンの中にサントリーの12年物が入っているのですが、
日本ではこのころは農薬とかに使っていたんだな、とか。
映画ってこういう時代を残すっていう側面は時間が経つと味わい深いですよね。
映画としても、もちろん見どころはあります。
目線だけで状況を説明する演技とかこの時代でもあったんだとか書いたら怒られそうだけど、
おおって思ってしまいましたし、
「幽霊がでるんです!」って駅長が言った瞬間に別のシーンへカットが変わり、
幽霊が出た(本当はただの乗客なんだけど)感じに演出したり。
あと劇中に「東京ブギウギ」で踊るシーンがあるのですが、ここを1カットでやるとか、
結構見どころなんじゃないかと思います。
あと、後半のクライマックスシーンでは、ちゃんと動いている汽車での撮影。
もちそん、冷静に見たら速度はそんなに出ている様には見えないのだけど、
動いている汽車の上を動くだけでも結構恐いと思うんですよね。
頑張ってると思いました。
まあ、何よりも主な役者達のやりとりは本当に今観ても面白いです。
「ちゅうちゅうたこかいな」みたいなのも良いですが、
花菱アチャコと横山エンタツのやりとりは良いですよね。
「また石田くんか、永久に石田くんか」とか笑ってしまいます。
君は秘書で僕は社長もね。
ひざ、トンッで足が上がるのもなんか笑ってしまったなあ。
そんな訳で映画としても、貴重な時代を感じる作品としても良い1本ではないでしょうか。
本当に「音」だけは残念。
なんどもテレビのリモコンで音を自分で調整するのはストレスでした。
最後の帽子が飛んでいく時の紐はガッツリ見えていましたが、まあいっか。
帽子が飛んでいって汽車よりも先に行ってるのは不思議だったが、
あの帽子が轢かれるのはどういうメッセージがあったのだろうか。
飛んでいった帽子が出てきたら幽霊だって言った後なので、幽霊なんていないんだよって事かな。
終
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