2018年09月13日
映画「女優霊」…映画「劇場霊」との違いと20年の月日に思いを馳せる楽しみ。
今日は映画「女優霊」の感想です。
以前、映画「劇場霊」の感想を書いた時に、
映画「劇場霊」は中田秀夫監督作品の映画「女優霊」から20年という感じで売り出されのだけど、
まだ観てませんと書いておりましたが、やっと今回観れました。
という事でレンタルDVDでの鑑賞です。
映画「女優霊」は1996年公開の中田秀夫監督作品。
以前も書いたかも知れませんが、
中田秀夫監督作品の映画「リング」は映画館で観たホラー映画で一番恐かった作品。
信頼できる監督の1人だと思っています。
その中でもこの映画「女優霊」は中田秀夫監督の出世作であり、
映画「リング」での監督につながったのかなと思うと、
ホラー映画好きには外せない作品です…今まで観てなかったですが。
映画の簡単なあらすじですが、
映画監督の村井はデビュー作品を制作している中で、
試写中のフィルムに自分達が撮った映画とは違う映像が入っている事に気づいた。
その映像は自分が子供の頃に観た気がしたのだが思い出せない。
以前に撮影されたフィルムが未使用のところに紛れていたのだろうとなり、
映画の撮影は続いていったのだが…みたいな感じかな。
キャストですが、
新人映画監督の村井俊男を演じるのは柳ユーレイ。
なんでしょうね、カッコいい訳ではないのだけど、
画になるというか、しかも演技に違和感がない。
カッコよくて、演技が上手いって人はいるけれど、
実はこういう人が本当は凄いんじゃないかって気がする。
劇中の映画の主演女優黒川ひとみを演じるのは白島靖代。
今観るといい感じで昭和感がする…とは言え、
1996年はすでに平成なんですけどね。
なんというか絶妙に当時の感じが出ていて、良い。
同じく劇中の映画に出演する女優村上沙織を演じるのは石橋けい。
麻宮アテナの石橋けいですよ…観てないですが。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、良い感じの足の動かし方でした。
その他、大杉漣、サブ、高橋明、根岸季衣、李丹などが出演しています。
さて、映画「女優霊」の感想ですが、まさに邦画ホラー映画。
改めて邦画ホラーの良さに気づかされると共に、
それでも時代の変化は確実にあるなとも思わされました。
基本的にネタバレはしないように書いていきますが、
どうしても今回核心にふれてしまう部分が出てきてしまうので、
何も知らずに映画を観たいって人は、
読むのを止めてまずは映画を観てください!
…という事で、まずこの映画「女優霊」がどんなホラー映画か、
そしてどんな部分で「まさに邦画ホラー映画」と感じたか、ですが、
自分は「後味の悪さ」だと思うんですよね。
映画「リング」がなんで一番恐いと今でも言っているかと言えば、
映画館で観た事で自分も呪いがかかって1週間後に死ぬんじゃないかって、
本気でちょっと思ったぐらいに嫌な後味があったんですよ。
なかなか忘れれなかったり、全然関係ない時にふと思い出したり。
やっぱ、あの「後味の悪さ」がホラー映画の1つの魅力なんじゃないかなと。
今回の映画も、解決しない、謎は残ったまま、
何も悪い事をしてない人達が巻き込まれてしまう。
不条理というか後味悪いですよね、やっぱ邦画ホラーってこうだなと思った。
そういう意味では、前に観た映画「ゴメンナサイ」の後味の悪さは良かった。
まあ、あの映画は本編がちょっと残念だったけど。
そういう部分以外でもやっぱフィルムはホラーと相性いいなあと思った。
映画が始まってすぐの人形の映像の質感…全く関係ないけど雰囲気最高です。
最初と言えば、DVDを入れてバンダイビジュアルって出てきてビビッた。
違う映画かなって…いや、ホラー映画でモアイとEMOTIONとか出てもさ。
キャストのところでも昭和感って書いたのですが、
フィルムの感じがすごく昔の気がするんだけど実は96年って平成8年。
結構、平成に入ってから何年も経ってるんですよね。
俳優の服装とかも凄く時代を感じるんだけどなあ。
フィルムの時代は心霊写真とかいっぱいあったのに、
デジカメとかスマフォで撮影する様になると心霊写真は激減しましたが、
似た様な感じでフィルムには何か映っちゃうんじゃないかって、
デジタルにはない可能性があるんじゃないかなと思う。
ほんとなんでもないシーンで、
女優がふっとカメラ目線になるってテストシーン。
あそこだけでも雰囲気あるもんね。
で、もちろん、「何か映ってるシーン」のあの感じ。
あれ?後ろに何か…って感じを、
劇中の柳ユーレイと同じ様に観客も見入ってしまう。
あの映像の作りは良いですね。
あと、今にも通じるホラー演出として音でビックリさせるやつ。
個人的にはあれ、あんまり隙じゃないんだけど、
そう言えば映画「リング」の最初にビックリしたシーンは音だったなと思った。
今回は扉を叩く音なんだけどさ。
映画序盤のお約束的な感じって思えばそれも良いかな。
音と言えば、BGMというか効果音と言うか、
それにも時代を感じた…今だったら絶対違う音だよなって。
ホラー映画とは関係ないんだけど、
この映画が映画を撮影しているという事もあって、
業界用語が覚えられるという効用がある。
「襖わらってくれる?」
「ラッシュどうでした?」
「吹き替えでいきましょう」
個人的にはこういうのに説明がなくて、
「あ、そういう意味なんだ」って気づかせてくれる見せ方、
いいなあって思う…それに撮影現場っぽくなるし。
あの「1回ピシッと〆ないと」ってのもリアリティあるなあって。
そんな訳で、良い邦画ホラー映画でしたね。
あの子供の頃みたかもという屋根裏部屋で行く映像と、
セットの上にのぼっていく感じがリンクしていくの、
あれ恐いですよね。
そりゃ昭和46年にテレビが恐いって言いますよ。
あと、女社長のお守りとか、あの人は関係者だったのかなみたいに、
観ている人が考える余地の残し方が上手かったです。
ちょっと血の赤さが赤すぎるのは気になりましたが、
ある人物が落下して死んでしまうのですが、
あの落ちた感じは印象的で良かったです。
さて、映画「劇場霊」を観てからこの映画「女優霊」を観て、
先ほどホラー映画の良さと共に「時代の変化」を感じたと書いたのですが、
この2つの映画はどちらも「人間の感情」が霊というか、
禍々しいものを生んでいるという共通点がありながら、
映画「女優霊」は嫌な後味を残して終わる、
…どこに行っちゃったのかなあ、みたいな。
それに比べて映画「劇場霊」では嫌な後味はありながらも、
立ち向かうというか、禍々しいものを受け止めながらも進む姿で終わる。
もしかしたら時代の変化というよりも、監督の変化なのかもしれない。
自分としては凄く映画「劇場霊」から伝わってくる事は好きなんだけど、
この映画「女優霊」の感覚を期待して観ると「違う」って思う人がいるのは分かった。
それについて、1つ言うのであれば、
20年の月日が経っていて、
「同じものを期待する」のは期待する方が違うんじゃないかなって。
どちらかというと、この映画「女優霊」と映画「劇場霊」を観て、
「その違いと20年の月日」に思いを馳せた方が良いのではないだろうか。
そんな感じで観ると、物凄く楽しめるんだけどなあ。
これって少数派なのかな。
以前、映画「劇場霊」の感想を書いた時に、
映画「劇場霊」は中田秀夫監督作品の映画「女優霊」から20年という感じで売り出されのだけど、
まだ観てませんと書いておりましたが、やっと今回観れました。
という事でレンタルDVDでの鑑賞です。
映画「女優霊」は1996年公開の中田秀夫監督作品。
以前も書いたかも知れませんが、
中田秀夫監督作品の映画「リング」は映画館で観たホラー映画で一番恐かった作品。
信頼できる監督の1人だと思っています。
その中でもこの映画「女優霊」は中田秀夫監督の出世作であり、
映画「リング」での監督につながったのかなと思うと、
ホラー映画好きには外せない作品です…今まで観てなかったですが。
映画の簡単なあらすじですが、
映画監督の村井はデビュー作品を制作している中で、
試写中のフィルムに自分達が撮った映画とは違う映像が入っている事に気づいた。
その映像は自分が子供の頃に観た気がしたのだが思い出せない。
以前に撮影されたフィルムが未使用のところに紛れていたのだろうとなり、
映画の撮影は続いていったのだが…みたいな感じかな。
キャストですが、
新人映画監督の村井俊男を演じるのは柳ユーレイ。
なんでしょうね、カッコいい訳ではないのだけど、
画になるというか、しかも演技に違和感がない。
カッコよくて、演技が上手いって人はいるけれど、
実はこういう人が本当は凄いんじゃないかって気がする。
劇中の映画の主演女優黒川ひとみを演じるのは白島靖代。
今観るといい感じで昭和感がする…とは言え、
1996年はすでに平成なんですけどね。
なんというか絶妙に当時の感じが出ていて、良い。
同じく劇中の映画に出演する女優村上沙織を演じるのは石橋けい。
麻宮アテナの石橋けいですよ…観てないですが。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、良い感じの足の動かし方でした。
その他、大杉漣、サブ、高橋明、根岸季衣、李丹などが出演しています。
さて、映画「女優霊」の感想ですが、まさに邦画ホラー映画。
改めて邦画ホラーの良さに気づかされると共に、
それでも時代の変化は確実にあるなとも思わされました。
基本的にネタバレはしないように書いていきますが、
どうしても今回核心にふれてしまう部分が出てきてしまうので、
何も知らずに映画を観たいって人は、
読むのを止めてまずは映画を観てください!
…という事で、まずこの映画「女優霊」がどんなホラー映画か、
そしてどんな部分で「まさに邦画ホラー映画」と感じたか、ですが、
自分は「後味の悪さ」だと思うんですよね。
映画「リング」がなんで一番恐いと今でも言っているかと言えば、
映画館で観た事で自分も呪いがかかって1週間後に死ぬんじゃないかって、
本気でちょっと思ったぐらいに嫌な後味があったんですよ。
なかなか忘れれなかったり、全然関係ない時にふと思い出したり。
やっぱ、あの「後味の悪さ」がホラー映画の1つの魅力なんじゃないかなと。
今回の映画も、解決しない、謎は残ったまま、
何も悪い事をしてない人達が巻き込まれてしまう。
不条理というか後味悪いですよね、やっぱ邦画ホラーってこうだなと思った。
そういう意味では、前に観た映画「ゴメンナサイ」の後味の悪さは良かった。
まあ、あの映画は本編がちょっと残念だったけど。
そういう部分以外でもやっぱフィルムはホラーと相性いいなあと思った。
映画が始まってすぐの人形の映像の質感…全く関係ないけど雰囲気最高です。
最初と言えば、DVDを入れてバンダイビジュアルって出てきてビビッた。
違う映画かなって…いや、ホラー映画でモアイとEMOTIONとか出てもさ。
キャストのところでも昭和感って書いたのですが、
フィルムの感じがすごく昔の気がするんだけど実は96年って平成8年。
結構、平成に入ってから何年も経ってるんですよね。
俳優の服装とかも凄く時代を感じるんだけどなあ。
フィルムの時代は心霊写真とかいっぱいあったのに、
デジカメとかスマフォで撮影する様になると心霊写真は激減しましたが、
似た様な感じでフィルムには何か映っちゃうんじゃないかって、
デジタルにはない可能性があるんじゃないかなと思う。
ほんとなんでもないシーンで、
女優がふっとカメラ目線になるってテストシーン。
あそこだけでも雰囲気あるもんね。
で、もちろん、「何か映ってるシーン」のあの感じ。
あれ?後ろに何か…って感じを、
劇中の柳ユーレイと同じ様に観客も見入ってしまう。
あの映像の作りは良いですね。
あと、今にも通じるホラー演出として音でビックリさせるやつ。
個人的にはあれ、あんまり隙じゃないんだけど、
そう言えば映画「リング」の最初にビックリしたシーンは音だったなと思った。
今回は扉を叩く音なんだけどさ。
映画序盤のお約束的な感じって思えばそれも良いかな。
音と言えば、BGMというか効果音と言うか、
それにも時代を感じた…今だったら絶対違う音だよなって。
ホラー映画とは関係ないんだけど、
この映画が映画を撮影しているという事もあって、
業界用語が覚えられるという効用がある。
「襖わらってくれる?」
「ラッシュどうでした?」
「吹き替えでいきましょう」
個人的にはこういうのに説明がなくて、
「あ、そういう意味なんだ」って気づかせてくれる見せ方、
いいなあって思う…それに撮影現場っぽくなるし。
あの「1回ピシッと〆ないと」ってのもリアリティあるなあって。
そんな訳で、良い邦画ホラー映画でしたね。
あの子供の頃みたかもという屋根裏部屋で行く映像と、
セットの上にのぼっていく感じがリンクしていくの、
あれ恐いですよね。
そりゃ昭和46年にテレビが恐いって言いますよ。
あと、女社長のお守りとか、あの人は関係者だったのかなみたいに、
観ている人が考える余地の残し方が上手かったです。
ちょっと血の赤さが赤すぎるのは気になりましたが、
ある人物が落下して死んでしまうのですが、
あの落ちた感じは印象的で良かったです。
さて、映画「劇場霊」を観てからこの映画「女優霊」を観て、
先ほどホラー映画の良さと共に「時代の変化」を感じたと書いたのですが、
この2つの映画はどちらも「人間の感情」が霊というか、
禍々しいものを生んでいるという共通点がありながら、
映画「女優霊」は嫌な後味を残して終わる、
…どこに行っちゃったのかなあ、みたいな。
それに比べて映画「劇場霊」では嫌な後味はありながらも、
立ち向かうというか、禍々しいものを受け止めながらも進む姿で終わる。
もしかしたら時代の変化というよりも、監督の変化なのかもしれない。
自分としては凄く映画「劇場霊」から伝わってくる事は好きなんだけど、
この映画「女優霊」の感覚を期待して観ると「違う」って思う人がいるのは分かった。
それについて、1つ言うのであれば、
20年の月日が経っていて、
「同じものを期待する」のは期待する方が違うんじゃないかなって。
どちらかというと、この映画「女優霊」と映画「劇場霊」を観て、
「その違いと20年の月日」に思いを馳せた方が良いのではないだろうか。
そんな感じで観ると、物凄く楽しめるんだけどなあ。
これって少数派なのかな。
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