2018年08月30日
映画「ダンケルク」の感想…大筋は「生きて帰ってきただけ」の映画だけど「よくやった」と言いたくなる。
今日は映画「ダンケルク」の感想です。
実はDMMの月額レンタルで2ヶ月ぐらい借りっぱなしにしていました。
勿体無いですね…貧乏人ほどそういうの雑なんですよね。
という事で今回はブルーレイでの鑑賞…日本語吹き替え。
映画「ダンケルク」は2017年公開のクリストファー・ノーラン監督作品。
そう言えばこのブログでクリストファー・ノーラン監督作品って書いてなかったですね。
ファンって訳ではないですが、だいたいの監督作品は観ています。
映画「インターステラー」と映画「フォロウィング」以外は観たかな。
映画「ダークナイト」以降はもう完全に名監督の仲間入りした感じですよね。
「ライジング」はどうなんだとかあるけど、それはまた別の時に。
映画「ダンケルク」は第二次世界大戦での実際にあった事を元に、
映画化した作品です。
クリストファー・ノーラン監督の作品だからいつか観ようって思っていたけど、
もっと「物語」だと思っていたら、結構思っていた映画とは違った。
これについてはまた後ほど。
映画の簡単なあらすじですが、
フランスのダンケルク海岸でドイツ軍に包囲された連合軍が脱出する話。
あらすじどころか物語としては「これだけ」です。
これについても後ほど。
キャストですが、正直役名で誰が誰とか分からなくて。
映画「オリエント急行殺人事件」に主演していたケネス・ブラナーや、
映画「レヴェナント 蘇えりし者」に出演していたトム・ハーディ、
その他、フィン・ホワイトヘッド、ジャック・ロウデン、トム・グリン=カーニー、
アナイリン・バーナード、バリー・コーガン、キリアン・マーフィーなどが出演しています。
さて、映画「ダンケルク」の感想ですが、凄い映画でした。
何が凄いって、ほとんどストーリーがないんですよ。
ない訳ではないのだけど、史実として知っていることなので、
多くの兵士は脱出するって知っている…なのにドキドキするですよね。
いや、ドキドキっていうかもうダメだって絶望する。
観る前は「ダンケルク」って包囲された連合軍が、
ドイツの隙をついて脱出するだけでしょって思っていたのだけど、
たぶんノーランは観客はそうやって舐めてるヤツが多いって思ったんだろうね。
安い物語を描いて感動させようって事なんて一切しておらず、
「ただ脱出するだけ」のオチを知っている観客を相手にどう映画を作るか、
そんな事を考えたのではないだろうか。
そして作られた映画は実に上手くいっていて、
観る前に舐めていてゴメンナサイってなりました。
さっきも書いたのですが、なんといってもストーリーがないって凄いですよね。
いや、あるんですよ、細かい設定とかも、それぞれのストーリーもあるのですが、
決して「物語として感情を揺さぶられる作りではない」んですよ。
昨日、「1.スジ 2.スキ 3.ドウサ」って書いたばかりですが、
スジで攻めない映画ってものもエンターテイメントとして成立するんだなと。
ちょっと勉強になりました。
正確にはスジは物凄く綿密に作りこまれている。
言ってる事がおかしいだろって思うかもしれないが、
どういう事かというと、普通はスジって物語なんですけど、
今回の映画はスジの大部分を構成が担っています。
それぞれ時間軸の違う陸、海、空で話を展開させ、
最終的に3つの時間軸が1つになる。
よくこんな事考えるな。
この構成が本当に上手くいっている。
テロップで戦況の説明とか始まった時は、
ちょっと今回のノーランどうなんだろうって思ったのだけど、
さすがだわ。
相変わらず画のクオリティは高い。
金かかってるだろうなって思うけど、
降伏せよってビラの舞う道路の画だけでも、
あ、これは金のかかってる映画だった分かる。
担架で人を運ぶシーンがあるのですが、
そこで担架視点というか、
そこにカメラ置く!?って映像があって、
ちょっと面白かった。
飛行機の戦闘シーンとか、
船が沈められて真っ暗なところに水が入ってきて、
さっきまで天国みたいな空間から地獄になるってところとか、
映像としてもエンターテイメントとしても凄いって思うところもあるのですが、
ただ、橋の穴を渡りきって「うおぉぉぉ!」って盛り上がるとか、
そんな地味なエンターテイメントもあった。
観ている人が混乱しない様に、
最初は海の時間軸だけ上下がクロップされてたり、
そういう配慮も優しいって好感持てます。
基本的にドキドキさせられる作りなのですが、
音楽が結構いい仕事をしていて、
緊張感のある雰囲気を上手く作ってくれている。
全然関係ないけどスピットファイアのエンジンがロールスロイス製と聞いて、
ロール・スロイスじゃないぞと思った。
各俳優の演技も緊張感があって良かった。
ある兵士が全然しゃべらないんだけど、
そういう事だったのかってのがあったり、
あのシーンの仲間割れ感とか良かったなあ。
それ以外もスタントマンは大変だろうなとか思う。
船に銃撃されて穴があくシーンも、
そのままにしてると浸水しちゃうし、
塞ぎにいくと撃たれちゃうしってのも、
葛藤として上手いなあって。
そうだよね、汚いものにまみれてるよ。
あと、波は穏やかだしまた迎えに来るからってやつね。
夜が明けるとめっちゃ波が荒れてるのね。
あの時の海に飛び込む人を呆然と見てる感じとかね。
ほんと史実として大勢の兵士が助かるって知っていいても、
ほぼ最後まで全然気を休ませてくれない。
良いですよね。
活躍したあの人がああなってしまう展開とか、
悲しいけどこれ戦争なのよねって思わせてくれるし。
そんな感じかな。
なので、この映画も凄く「良い」のだけど、
もし物語を求めてこの映画を観た場合は、
たぶん戸惑うだろうなあ。
それでも普通の人が観ても面白い感じに作ってあると思う。
なんか分からないけど、
この映画観た人は彼らに「よくやった」って…思うでしょ。
映画自体は「生きて帰ってきただけだ」って言うかも知れないけど、
それでも「よくやった」ってほとんどの人は言うと思うんだよね。
もしかしたら、あそこはそういうメタファーかもしれないね。
そんな感じかな。
戻ってくる遺体で流れが変わった事に気づけたり、
自軍からもチャーチルは二枚舌って言われているんだとか、
敵は太陽から現れるってのが知識として身につく特典付き。
でも本当に「生きて帰って来ただけの映画」に「よくやった」と言いたい。
もちろん、先ほども書いたような、
ただ生きて帰るために多くの人の労力や犠牲があるってシーンが印象的にあるのも上手い作りだと思う。
実はDMMの月額レンタルで2ヶ月ぐらい借りっぱなしにしていました。
勿体無いですね…貧乏人ほどそういうの雑なんですよね。
という事で今回はブルーレイでの鑑賞…日本語吹き替え。
映画「ダンケルク」は2017年公開のクリストファー・ノーラン監督作品。
そう言えばこのブログでクリストファー・ノーラン監督作品って書いてなかったですね。
ファンって訳ではないですが、だいたいの監督作品は観ています。
映画「インターステラー」と映画「フォロウィング」以外は観たかな。
映画「ダークナイト」以降はもう完全に名監督の仲間入りした感じですよね。
「ライジング」はどうなんだとかあるけど、それはまた別の時に。
映画「ダンケルク」は第二次世界大戦での実際にあった事を元に、
映画化した作品です。
クリストファー・ノーラン監督の作品だからいつか観ようって思っていたけど、
もっと「物語」だと思っていたら、結構思っていた映画とは違った。
これについてはまた後ほど。
映画の簡単なあらすじですが、
フランスのダンケルク海岸でドイツ軍に包囲された連合軍が脱出する話。
あらすじどころか物語としては「これだけ」です。
これについても後ほど。
キャストですが、正直役名で誰が誰とか分からなくて。
映画「オリエント急行殺人事件」に主演していたケネス・ブラナーや、
映画「レヴェナント 蘇えりし者」に出演していたトム・ハーディ、
その他、フィン・ホワイトヘッド、ジャック・ロウデン、トム・グリン=カーニー、
アナイリン・バーナード、バリー・コーガン、キリアン・マーフィーなどが出演しています。
さて、映画「ダンケルク」の感想ですが、凄い映画でした。
何が凄いって、ほとんどストーリーがないんですよ。
ない訳ではないのだけど、史実として知っていることなので、
多くの兵士は脱出するって知っている…なのにドキドキするですよね。
いや、ドキドキっていうかもうダメだって絶望する。
観る前は「ダンケルク」って包囲された連合軍が、
ドイツの隙をついて脱出するだけでしょって思っていたのだけど、
たぶんノーランは観客はそうやって舐めてるヤツが多いって思ったんだろうね。
安い物語を描いて感動させようって事なんて一切しておらず、
「ただ脱出するだけ」のオチを知っている観客を相手にどう映画を作るか、
そんな事を考えたのではないだろうか。
そして作られた映画は実に上手くいっていて、
観る前に舐めていてゴメンナサイってなりました。
さっきも書いたのですが、なんといってもストーリーがないって凄いですよね。
いや、あるんですよ、細かい設定とかも、それぞれのストーリーもあるのですが、
決して「物語として感情を揺さぶられる作りではない」んですよ。
昨日、「1.スジ 2.スキ 3.ドウサ」って書いたばかりですが、
スジで攻めない映画ってものもエンターテイメントとして成立するんだなと。
ちょっと勉強になりました。
正確にはスジは物凄く綿密に作りこまれている。
言ってる事がおかしいだろって思うかもしれないが、
どういう事かというと、普通はスジって物語なんですけど、
今回の映画はスジの大部分を構成が担っています。
それぞれ時間軸の違う陸、海、空で話を展開させ、
最終的に3つの時間軸が1つになる。
よくこんな事考えるな。
この構成が本当に上手くいっている。
テロップで戦況の説明とか始まった時は、
ちょっと今回のノーランどうなんだろうって思ったのだけど、
さすがだわ。
相変わらず画のクオリティは高い。
金かかってるだろうなって思うけど、
降伏せよってビラの舞う道路の画だけでも、
あ、これは金のかかってる映画だった分かる。
担架で人を運ぶシーンがあるのですが、
そこで担架視点というか、
そこにカメラ置く!?って映像があって、
ちょっと面白かった。
飛行機の戦闘シーンとか、
船が沈められて真っ暗なところに水が入ってきて、
さっきまで天国みたいな空間から地獄になるってところとか、
映像としてもエンターテイメントとしても凄いって思うところもあるのですが、
ただ、橋の穴を渡りきって「うおぉぉぉ!」って盛り上がるとか、
そんな地味なエンターテイメントもあった。
観ている人が混乱しない様に、
最初は海の時間軸だけ上下がクロップされてたり、
そういう配慮も優しいって好感持てます。
基本的にドキドキさせられる作りなのですが、
音楽が結構いい仕事をしていて、
緊張感のある雰囲気を上手く作ってくれている。
全然関係ないけどスピットファイアのエンジンがロールスロイス製と聞いて、
ロール・スロイスじゃないぞと思った。
各俳優の演技も緊張感があって良かった。
ある兵士が全然しゃべらないんだけど、
そういう事だったのかってのがあったり、
あのシーンの仲間割れ感とか良かったなあ。
それ以外もスタントマンは大変だろうなとか思う。
船に銃撃されて穴があくシーンも、
そのままにしてると浸水しちゃうし、
塞ぎにいくと撃たれちゃうしってのも、
葛藤として上手いなあって。
そうだよね、汚いものにまみれてるよ。
あと、波は穏やかだしまた迎えに来るからってやつね。
夜が明けるとめっちゃ波が荒れてるのね。
あの時の海に飛び込む人を呆然と見てる感じとかね。
ほんと史実として大勢の兵士が助かるって知っていいても、
ほぼ最後まで全然気を休ませてくれない。
良いですよね。
活躍したあの人がああなってしまう展開とか、
悲しいけどこれ戦争なのよねって思わせてくれるし。
そんな感じかな。
なので、この映画も凄く「良い」のだけど、
もし物語を求めてこの映画を観た場合は、
たぶん戸惑うだろうなあ。
それでも普通の人が観ても面白い感じに作ってあると思う。
なんか分からないけど、
この映画観た人は彼らに「よくやった」って…思うでしょ。
映画自体は「生きて帰ってきただけだ」って言うかも知れないけど、
それでも「よくやった」ってほとんどの人は言うと思うんだよね。
もしかしたら、あそこはそういうメタファーかもしれないね。
そんな感じかな。
戻ってくる遺体で流れが変わった事に気づけたり、
自軍からもチャーチルは二枚舌って言われているんだとか、
敵は太陽から現れるってのが知識として身につく特典付き。
でも本当に「生きて帰って来ただけの映画」に「よくやった」と言いたい。
もちろん、先ほども書いたような、
ただ生きて帰るために多くの人の労力や犠牲があるってシーンが印象的にあるのも上手い作りだと思う。
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