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価値観の違いを検証する


 自分の価値観と違うものは悪だと短絡的にものを考える、

これはよくある話で、

ドラマやアニメでは非常に良くあるシチュエーションである。



 しかし、価値観と言われても良く分からないので、

例えば、雨の降る日には傘をさすのが正しく、

傘をささないなんて信じられない、バカじゃないの、

という事にする。

これが価値観なの?

と思う人は私と価値観が違うのだ。



 それでは、雨が降ると傘をさす事を価値観とする人は、

当然のことながら傘をさすが、

傘をささない事を価値観とする人は、

当然ながら傘をささない。



 では、その二人が一緒にいた時は、

傘をさす人と傘をささない人が並んで歩く訳だが、

傘をさしている人は濡れて歩いている人に、

「傘に入りませんか、濡れますよ」と尋ねると、



「どうもありがとうございます。

傘に入ると濡れなくて良いですね」

「傘はいりません、でも、ありがとう」、

「傘をさすなんて信じられない、

せっかく雨が降っているんだから、一緒に濡れよう」

さて、どの答えが正しいのだろう。



反対に、傘をささず濡れて歩いている人が傘をさしている人に、

「せっかく雨が降っているのだから一緒に濡れませんか」と尋ねると、



「濡れるのが嫌だから傘をさしているのだ」

「ありがとう、それでは一緒に濡れて歩こう」

「濡れて歩くなんてとんでもない。何のための傘なんだ。

どうだ、一緒に傘に入らないか」



書いてある内に、どっちがどっちだかわからなくなってきた。



 雨の日に傘をさすささないというだけで、

仲良くなるか、ケンカになるか、どちらにもなり得るのだから、

価値観が違うということは、それほど大した問題ではない。



 問題なのは、価値観が違うと言うだけで否定する、

その料簡の狭さだ。



 例えば離婚する時によくつかわれる言葉で、

「価値観の違い」、「価値観の不一致」という言葉がある。

全くもって、意味のわからない使い道であるが、

それでみんな納得しているから不思議でしょうがない。

皆意味がわかっていて使っているのだろうか。



 私も意味が良く分からず使っているが、

離婚する時には、せめて

「性の不一致」くらい言ってくれれば、

面白くて分かりやすいのだが。







井上陽水/断絶

A / あこがれ / 断絶 / もしも明日が晴れなら / 感謝知らずの女

  / 小さな手 / 人生が二度あれば

B / 愛は君 / ハトが泣いている / 白い船

  / 限りない欲望 / 家へお帰り / 傘がない



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ちぃ
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