2015年08月15日
【都立中高一貫校】 80・50・20偏差値は正しいか?
★ 偏差値への違和感
毎日毎日、暑い日が続きます。
受験(受検)生は、このような暑い中でも、一生懸命に頑張っていることと思います。
でも、もう気がつけば8月も中旬となりました。
この夏が過ぎれば、受験(受検)勉強もいよいよ大詰めとなり、様々な模擬試験で実力を確認しながら、本番に備えていくことになるのでしょう。
今日、なにげなく、色んな方の受験ブログを見ていると、四谷大塚が実施している合不合判定テストのことが書かれているものがありました。
その流れで、合不合判定テスト⁽第2回⁾の学校別偏差値一覧を見てみましたが、都立中高一貫校に関しては、なんと言ったらいいのでしょう、違和感のようなものを感じたのです。
この違和感は何だろう・・・。
一覧表にある80・50・20偏差値の数値を眺めていると、そして同じ基準で私立中学と比べてみると、どうも違和感がある。
今日は、私が感じた違和感について書いてみたいと思います。
★ 80・50・20偏差値
違和感のポイントを書いていく前に、80・50・20偏差値の意味や算出方法をご存じでしょうか。
この意味・算出方法があやふやでは、これからの話が混乱してしまうので、ご存じの方も多いと思いますが、このポイントから押さえていきましょう。
簡単に記載すると、次のようになります。
〇 80偏差値=「受験⁽受検⁾する8割の者が合格するであろう下限の偏差値」です。50偏差値は5割が合格の下限偏差値であり、20偏差値は2割が合格の下限偏差値です。
〇 この80・50・20偏差値は、過去の模擬試験参加者の受験⁽受検⁾結果を追跡した結果をベースに、今回模擬試験での志望状況等で若干の補正を行い、算出します。
〇 過去の模擬試験参加者の模試偏差値と受験⁽受検⁾結果から、下の表Aのようなイメージの処理が行われ、80・50・20偏差値が算出されます。
〇 表Aを見て頂くとわかりやすいと思いますが、「模試結果は20偏差値ピッタリだった」ので、このままの実力で本番を迎えると「合格可能性は20%だ」と考えるのは大きな間違いです。この合格可能性は、偏差値の高い方からの累計人数で算出しますので、20偏差値付近の実質的な合格可能性は数%程度でしょう。
《表A:80・50・20偏差値の算出イメージ》
偏差値XX合格X不合格X合格累計X不合累計X全体累計XX合格率
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
X65XXX2XXX0XXXX2XXXX0XXXX2X100%
X64XXX2XXX1XXXX4XXXX1XXXX5XX80% ←80偏差値
X63XXX2XXX2XXXX6XXXX3XXXX9XX67%
X62XXX2XXX1XXXX8XXXX4XXX12XX67%
X61XXX2XXX2XXX10XXXX6XXX16XX63%
X60XXX2XXX2XXX12XXXX8XXX20XX60%
X59XXX1XXX5XXX13XXX13XXX26XX50% ←50偏差値
X58XXX1XXX6XXX14XXX19XXX33XX42%
X57XXX1XXX7XXX15XXX26XXX41XX37%
X56XXX0XXX6XXX15XXX32XXX47XX32%
X55XXX1XXX9XXX16XXX41XXX57XX28%
X54XXX0XXX6XXX16XXX47XXX63XX25%
X53XXX1XXX7XXX17XXX54XXX71XX24%
X52XXX0XX14XXX17XXX64XXX85XX20% ←20偏差値
X51XXX1XX12XXX18XXX76XXX98XX18%
★ 学校別偏差値
80・50・20偏差値の概要を理解頂いたと思いますので、次は都立中高一貫校の学校別偏差値を見ましょう。
偏差値が高い順に学校を並べています。
参考として、私立中学代表として、海城の偏差値も一番下に乗せてみました。
⁽海城を選んだことに特段の意味はありません。海城中学に通う知り合いの子供がいるため選びました。)
又、表を見て頂く前に、私が違和感を感じたポイントを書いておきたいと思います。
都立中高一貫校については、「80偏差値と20偏差値の差が非常に大きい」のです。
参考に記載した海城中学の偏差値と見比べてもらえればと思いますし、時間があれば、学校別偏差値一覧で他の私立中学と直接比較してもらえればと思います。
⁽参考:学校別偏差値一覧・男子、学校別偏差値一覧・女子⁾
《表B:四谷大塚の合不合判定テスト⁽第2回⁾学校別偏差値》
XXXX<男子>XXXXXXXXXX<女子>
学校名X80%X50%X20%XXX80%X50%X20%
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
小石川:X64XX59XX52XXXX64XX59XX52
都武蔵:X61XX56XX49XXXX64XX59XX54
桜修館:X60XX54XX48XXXX62XX56XX50
両国X:X60XX54XX48XXXX62XX56XX50
九段B:X58XX52XX46XXXX60XX53XX46
大泉X:X57XX51XX45XXXX59XX53XX47
三鷹X:X57XX51XX45XXXX58XX52XX46
白鴎X:X57XX50XX43XXXX59XX53XX47
富士X:X56XX51XX46XXXX58XX53XX48
南多摩:X56XX50XX43XXXX58XX52XX46
立川国:X55XX49XX43XXXX57XX51XX45
九段A:X44XX39XX34XXXX45XX40XX35
《表C:海城中学の偏差値》
学校名X80%X50%X20%
−−−−−−−−−−−−−−−−
海城X:X63XX59XX54
★ 思うこと
この「80偏差値と20偏差値の差が非常に大きい」理由・背景について、少し考えてみたいと思います。
常識的に考えると、この大きな差は、非常に不自然と思いませんか?
都立など公立中高一貫校は、私立中学に比べて受験⁽受検⁾倍率が非常に高く、年によっては女子の倍率が10倍超となるような学校もあります。
80・50・20偏差値の算出方法で説明しましたが、この偏差値は偏差値が高い方からの累計人数で求めます。
そう考えると、受験⁽受検⁾倍率が高ければ高いほど、80偏差値と20偏差値の差が小さくなるはずです。
なぜ、受検倍率が非常に高い都立中高一貫校の80偏差値と20偏差値の差が大きいのか?
理由として思いつくのは次のような点です。
@ 合否判定では、適性検査だけでなく、調査書の点数が加味されること。
A 模擬試験と適性検査の内容に大きな差異があること。
B 都立を第一志望とする受検生の多くが四谷大塚の合不合判定テストを受けていないと思われること。
私は、特にBの影響が最も大きく、四谷大塚の80・50・20偏差値というのは、あまり精度の高い数値になっていないのではないかと思っています。
以前にブログの記事にしましたが、都立中高一貫校に的を絞ったenaなどに通う受検生が増え、都立を第一志望とする子供達の多くが、四谷大塚の合不合判定テストを受けていないのではないかと思うのです。
ここ数年で私立併願が増えていると言っても、やはり都立を第一志望とする子供達が受検生の主流であることに変化はありません。
⁽ご参考:【都立中高一貫校】 「ena」はなぜ都立中高一貫校に強いのか⁾
私の感覚では、もっと精緻なデータで80・50・20偏差値を算出できるなら、80偏差値はもう少し低く、20偏差値はそこそこ高くなり、50偏差値付近を軸に80偏差値と20偏差値の差がぐっと小さくなると思います。
あと、私立第一志望の併願者が多い学校では、80偏差値付近には合格しても入学を辞退した受検生の割合が多く、80偏差値だけが蜃気楼のように高止まりして見えている可能性もあります。
夏が終われば、様々な模擬試験を受ける機会が更に増えると思いますが、あまり過剰に偏差値に振り回されないようにしましょう。
違和感あるような数値で過剰に反応し、ネガティブな思考に陥っても得することは何もありません。
私の長男も、2回だけですが模擬試験を受けたことがあります。
確か、夏過ぎに、四谷大塚の合不合判定テスト⁽おそらく3回目⁾も受けたように思います⁽当時はあまり熱心に情報収集していませんでしたので、テストの名前すら正確に覚えていませんが・・・⁾。
長男は2回共に、偏差値が50に達していませんでした・・・。
まあ、そんな偏差値でも、その後の頑張りでなんとか合格しました。
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以上
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算出方法ですが、やはり累計で良いです。
時間をかけて調べると、もっとわかりやすい記事がありそうですが、とりあえず次のものを見つけました。
読んで頂くと、私の説明と同じことが書かれています。
http://ameblo.jp/professionalthought/entry-11342046778.html
また、次の入試結果のグラフを見て頂けると、視覚的にわかると思います。
例えば、海城(2回目)を見てもらえると、20偏差値ライン上の合格者数が0人となっており、累計人数で求めることをイメージで捉えることができます。
http://www.yotsuyaotsuka.com/njc/point/graph/2014/p_graph_dan14.html