2017年05月04日
【都立中高一貫校】適性検査の特徴を学校別に知る 〜 適性検査を知り己を知れば百戦危うからず by 孫子 〜
★ 恋もまた芽吹く季節
最近、仕事が忙しすぎて、ブログ更新をずっとサボっていました。
でも、私がブログ更新をどれだけサボろうとも、季節は移り変わります。
いつの間にか、新緑だけでなく、恋もまた芽吹く季節となったようです。
我が家の長男、学校行事のクラマチ(※)にある男女ペアの応援ダンスに意中の女の子からお誘いを受け、一緒に踊ることになったようです。
気のせいか、最近ニコニコしていることが多く、「クラマチの朝練あるんだから、弁当をもっと早く作ってよ!」と、妻の弁当作りを毎朝煽りに煽っている、今日この頃です。(笑)
(※)3日間続くスポーツ大会+運動会のようなイベントで、学校の3大行事の一つ
ちなみに、今年一緒に踊る女の子は、去年の女の子とは違うとのことです。
そう言えば、去年もクラマチのことを記事にしたので、参考までリンクを貼っておきます。
↓(クリックして下さい!)↓
【都立中高一貫校】 クラマチと適性検査
去年の女の子とは、結局、どうも距離を縮めることができなかったようです。
恋バナ大好きな妻が、「あのかわいい子とはどうなったの?」とよく聞いていましたが、長男からは要領の得ない答えしか返ってきませんでした。
まあ、結局どうなったのかはよくわかりませんが、上手くいかなかったのは確かです。(笑)
一緒にダンスはしてくれたものの、それ以降はあまり相手にしてもらえなかったのでしょう。(笑)
さてと、今日は、こんな楽しい都立中高一貫校生活の関門にあたる「適性検査」について、ちょっと書いてみようと思います。
実はこの適性検査、よく見ると、学校毎に重視しているポイントが意外なほど違うものなのです。
★ 適性検査の出題傾向から見ていこう
よくご存じの方には退屈なスタートとなるかもしれませんが、適性検査の構成などを簡単に説明するところから話を始めたいと思います。
この都立中高一貫校の適性検査検査には、T・U・Vと3種類があります。
但し、半分弱の学校は、Vを行わず、T・Uだけの実施です。
また、明確に色分けするのは難しいのですが、T・U・Vの出題傾向は次のようになります。
まずここは、enaの説明を借用してみたいと思います。
< enaの言う適性検査の出題傾向 >
適性検査種類 a | aaaTaaa | U⁽大問1⁾ | U⁽大問2⁾ | U⁽大問3⁾ | aaaVaaa |
---|---|---|---|---|---|
出題傾向 a | 作文 | 理系問題 | 文系問題 | 理系問題 | 理系問題 |
まず、適性検査Tというのは、基本、文章を読んで問いに答えていくという国語の問題です。
最後の問いには長文での回答を求めるため、enaでは「作文」と表現しているものと思います。
あと、桜修館のみ、絵や短文などを見せて、思ったことを自由に書かせる独特のスタイルですので、同じ適性検査Tと言っても、かなり内容が異なります。
続いて適性検査Uですが、enaの説明では、大問1〜3毎に理系・文系と分けています。
しかし、私の感覚で言わせて頂くと、全問、算数の能力をベースにした論理的な思考力を問うものです。
まあ、enaが大問2を文系と分類しているのは、受検を商品化して金の成る木にするためのカラクリでしょうかね。(笑)
大問2について、社会の要素がほんの少しあるなど理由で、enaは敢えて文系とし、「うちで作文・理系・文系をバランスよく勉強しないと合格できないよ!」という空気を醸成することで、多くの迷える家庭から講習代金を吸い取っているんでしょう。
おっと、enaを悪く言うつもりは毛頭ないので、これぐらいにしておきましょう。(笑)
最後に適性検査Vですが、学校毎に傾向もかなり異なるようで、一言では表現できません。
ただ、このVを理系と決めつけるのはやや乱暴かと思います。
例えば、小石川で見ると、小石川らしく理科実験などに関する問題が多いのですが、何か複雑な計算をして答えを導くよりも、実験結果の予想とその予想理由を文章で書かせるような内容が目立ちます。
当然ながら、登場する実験は特別な知識がなくともわかる内容ですから、理科実験だから理系と単純に分類するのは浅はかで、Uの大問2よりもVの方がはるかに文系と言えます。
★ 独自問題と配点比率
まあ、上段で述べたことをまとめると、適性検査とは「国語と算数の能力をベースにどこまで論理的に物事を考えて表現できるか」を問うものなのです。
そして、ベースとなる「国語」と「算数」の能力ですが、学校毎にどちらを重視しているかが異なります。
どちらを重視しているかについては、次のポイントで判別できます。
〇 どこに「独自問題」を持ってきているか。
〇 配点の比重はどうなっているか。
適性検査T、U(1)、U(2)、U(3)とVの、どこを全校共通の「共同問題」から「独自問題」に置き換えているか、そして配点の重きをどこに置いているかで、学校毎の「このような生徒がほしい」というメッセージが読み取れるということです。
まず、次の表を見てもらえるでしょうか。
< 各都立中高一貫校の適性検査T〜V別の出題方法(独自/共同)と得点比率 >
※ ()内は得点比率
学校名 a | 適性検査1 | 適性検査2 | 適性検査3 |
---|---|---|---|
白鴎 a | 全問:独自 (43%) | 全問:共同 (57%) | (実施せず) |
小石川 a | 全問:共同 (33%) | 大問1-3:共同 (22%) 大問2:独自 (11%) | 全問:独自 (33%) |
両国 a | 全問:独自 (38%) | 全問:共同 (25%) | 全問:独自 (38%) |
桜修館 a | 全問:独自 (29%) | 大問1:独自 (29%) 大問2-3:共同 (43%) | (実施せず) |
武蔵 a | 全問:共同 (33%) | 大問1-3:共同 (22%) 大問2:独自 (11%) | 全問:独自 (33%) |
立川国際 a | 全問:独自 (38%) | 全問:共同 (63%) | (実施せず) |
富士 a | 全問:共同 (25%) | 全問:共同 (50%) | 全問:独自 (25%) |
大泉 a | 全問:共同 (25%) | 全問:共同 (38%) | 全問:独自 (38%) |
南多摩 a | 全問:独自 (34%) | 全問:共同 (66%) | (実施せず) |
三鷹 a | 全問:独自 (38%) | 大問1:独自 (25%) 大問2-3:共同 (38%) | (実施せず) |
九段 a | 全問:独自 (25%) | 全問:独自 (38%) | 全問:独自 (38%) |
ざっとこの表を見ていただくと、学校毎にどの適性検査の種類に重きを置いているかがなんとなくわかりませんか?
例えば、一番上の白鴎なんかはわかりやすいですよね。
適性検査Tを見ると、独自問題を持ってきている上に、配点比率が他校と比べて最も高く、典型的な「国語」重視の学校とわかります。
★ 「国語」重視派?「算数」重視派?「バランス」命派?
さて、上段の表をベースに、各校が重視する能力を、「国語」「算数」「国語と算数のバランス」のどれかに分類すると、次のようになるんじゃないかと思います。
< 重視する科目別の振り分け結果 >
重視する科目 a | 学校名 |
---|---|
国語 a | aaa・ 白鴎 aaa・ 両国 aaa・ 立川国際 aaa・ 南多摩 |
算数 a | aaa・ 桜修館 aaa・ 武蔵 aaa・ 大泉 aaa・ 九段 |
バランス a | aaa・ 小石川 aaa・ 富士 aaa・ 三鷹 |
これは、私の感覚で割り振った結果ですから、人によっては違和感があるかもしれません。
一番違和感を持たれるのは小石川をバランス派にしたところでしょうか。
小石川というと、スーパーサイエンススクールに指定されていることもあり、適性検査も算数の能力重視と思いがちなのですが、実際の問題を見るとそうでもありません。
例えば、適性検査Uの独自問題について、小石川と桜修館を比べると、桜修館の方が遥かに難易度が高いと思います。
また、適性検査Vについても、既に記載しましたが、算数の能力だけでなく、国語の能力をベースに論理的な説明を求める問題の割合が多いです。
このように考えると、バランス派となるのです。
あと、独自の作文問題を課す桜修館について、算数重視派としたことに違和感を持つ人がいると思います。
この点については、以前記事にしたことがありますので、添付のリンク記事を読んで頂ければと思います。
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【都立中高一貫校】2017年桜修館の適性検査2 〜塾では教えてくれない勝負のポイントはここだ!〜
最後に、今年の大学合格実績の良かった大泉についても、ちょっと補足しておきましょう。
この学校の適性検査Vを見ると、あきらかに適性検査Uと同系統で、適性検査Uの延長戦をしているような算数重視の構成なのです。
凄く難しそうな問題はなさそうですが、算数の能力を問う問題比率が他校比で多いです。
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以上
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> ただ、某塾が地盤としている地域に、共同問題を中心に出題してくる学校が多いので、たまたまそのように見えるだけかもしれませんが。
ここは、たまたまというか、もともとこの地域の学校にその傾向が強く、某塾もそこに特化してきたから強くなってきたように見えます。
> ただ、都立中高一貫校もスタートして十数年経ち、進学塾側は適性検査問題の傾向分析をかなり進めたと思います。
> 一方で、学校側はというと、残念なことに「共同問題」という縛りが導入されてしまったために、小回りが利かず、同じような問題を毎年毎年作る羽目に陥りつつあります。
ホントですね。
中には抵抗している学校もあるのでしょうけど。
> 素人の私が見ても、「ぜーんぜん変わり映えせんなぁ。これでは合格者占有率50%超を占める某塾が喜ぶだけだよな。」と思ってしまいます。
>
> ほんと、進学塾側から見ると、出題傾向の非常に読みやすい状況になっていて、笑いが止まらないだろうと思います。
そのとおりだと思います。
また逆に見ると、学校が対策塾に依存してしまっているようにも見え、その中で塾の裏をかくような独特の独自問題を出してくる学校には拍手を送りたいです。
塾に限らず分析は後付けのもので、似たようなことはいくらでも言える面がありますが、だからこそその分析から漏れた本質みたいなところに学校のプライドを感じます。
学校にしても、対策塾にしても、塾なし受検生にしても、それぞれの学校愛をベースに、そこを落とさずに対策できたら最強だと思いますね。
つい長くなってすみません。
お読みいただきありがとうございました。
これからも頑張ってください。楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
また、更新を待っていたとのお言葉まで頂きまして、うれしい限りです。
おっしゃる通り、某塾の強さは共同問題を中心に出題してくる学校のように思えます。
ただ、某塾が地盤としている地域に、共同問題を中心に出題してくる学校が多いので、たまたまそのように見えるだけかもしれませんが。
都立中高一貫校もスタートして十数年経ち、進学塾側は適性検査問題の傾向分析をかなり進めたと思います。
一方で、学校側はというと、残念なことに「共同問題」という縛りが導入されてしまったために、小回りが利かず、同じような問題を毎年毎年作る羽目に陥りつつあります。
素人の私が見ても、「ぜーんぜん変わり映えせんなぁ。これでは合格者占有率50%超を占める某塾が喜ぶだけだよな。」と思ってしまいます。
ほんと、進学塾側から見ると、出題傾向の非常に読みやすい状況になっていて、笑いが止まらないだろうと思います。
では、またこれからも記事を読んで頂けると幸いです。
実は待ちに待っておりました。
分析は当たり外れより、試論を展開することに意味があると思います。私個人としては同意見という部分もあれば、そうかなという部分もありますが、そういう意味で刺激的で興味深く読ませていただいています。
某塾がキャッチフレーズを「都立に強い」と掲げても、果たして十把一絡げにそうなのか?とか、某塾が強いのは、共同問題や、内容がもともとその傾向と近い独自問題を出してくる学校なんじゃないか?など、クリアにするところまではいけてないですが感じています。
なので、今回の学校別という切り口はぐいぐい食い込んで来ました。
これからも楽しみにしています!