2015年07月26日
【都立中高一貫校】 ”私立対策”は都立入学後に役立つか?
★ 「私立併願」
時々ですが、私はこのブログでのキーワード検索によるアクセス解析結果を確認するようにしています。
キーワード検索によるアクセス解析結果とは、YahooやGoogleの検索からこのブログを読んで頂いている場合、どのような検索キーワードで辿り着かれたかの分析結果です。
ブログをはじめて約1年半ですが、やはり時期により、その検索キーワードの傾向も変わってきます。
例えば、受検前のタイミングであれば、「受検」とか「倍率」がかなり多くなります。
大学合格実績が出始める時期からは、「大学合格実績」とか「東大」などが多くなります。
しかし、時期に関係なく、一年を通して安定的にそこそこ多いキーワードもあります。
「都立中学」「都立中高一貫校」という言葉、「桜修館」「小石川」など個別の学校名と、そして、なぜか「私立併願」(類似のキーワードを含む)が多く目立ちます。
おそらく、「都立中学_私立併願」や「小石川_私立併願」などの組み合わせで、検索されているのだろうと思います。
個別の学校名などが安定的に多いのはわかる気がするのですが、「私立併願」やそれに類するキーワードが、夏場のアクセス閑散期でも多く目立つのです。
この事実からも、都立と私立の併願を考えている家庭が多いのだなぁといつも思っています。
私の価値観・個人的な感覚で言うと、都立中高一貫校が第一志望の場合、無理をして私立中学を併願しなくてもいいように思います。
都立中高一貫校がダメだった場合は、地元の公立中学で頑張って、都立トップ校・二番手校や同レベルの私立高校を目指すルートでも良いのではないかと言うことです。
地元の公立中学でもトップグループの成績を取り続けるのはなかなか難しいもので、これはどこの公立中学でも言えることだろうと思います。
地元の公立中学で「常にトップグループに入り続ける」ことを目標に地道に頑張れば、高校入学時には必ず道が拓けます。
まあ、私立と併願する/しないの方針は、各家庭の教育観に基づくものですから、価値観の押しつけとならないよう、この話はここまでにしておきましょう。
★ 私立対策は都立入学後に役立つのか?
ダラダラ書き始めてしまいました。
色々と書いたにも関わらず、今日の本題の入口にまだ達していません。
適性検査の作文で、こんな書き方をしていたら、かなり低い点数しかもらえないでしょう・・・、反省。
さて、今日は「私立対策で勉強したことは都立中高一貫校の入学後どの程度役立つか」を書いてみたいと思います。
冒頭で取り上げた検索キーワードの見ていると、単語ではなく、長い文章での検索結果も少しですがあります。
先ほど7月の検索結果を見ていると、「私立対策していないと都立中学合格後は厳しいか」というキーワード(キーセンテンス?)によるアクセスがありました。
今までも時々、このようなニュアンスのキーワードによるアクセスを見かけています。
ひょっとすると、私立併願を意識している家庭には、「都立中高一貫校に合格しても、周りが私立対策の勉強をしてきた子供だらけでは、入学後の勉強について行けないのではないか?」と考え、私立対策の勉強も意識しているケースがあるのではないかと思ったのです。
営業トークの巧みな進学塾では、いかにもこのような不安を煽りそうな気がしますし。
★ やはりスタートダッシュに差
小学校4〜5年生から大手進学塾に通い、私立対策を万全に行ってきた子供達が入学後に好スタートを切れるのは、やはり間違いないと思います。
入学後すぐのスタートダッシュでは、大手進学塾での私立対策は役立つということです。
長男が都立中高一貫校に入学し、傍から勉強の様子を何気に見ていて、この優位性は感覚的に感じました。
大手進学塾で私立対策を万全に行ってきた子供達は、どのような点で優れているか。
おそらく、次のような点と言えるのではないかと思います。
@ 定期テストでの勉強方法を知っている。
A 日々の宿題・予習復習があまり苦にならない(長時間の勉強に慣れている)。
知識・学力というよりも、@Aのような学習スタイルを身に付けた状態でのスタートにアドバンテージがあると感じました。
同じ学力基準をクリアして入学しているのですから、数学・国語などコアな部分の知識・学力にはさほどの差はないはずですが、入学後最初の定期テストから意外なほどの点数差が出たりします。
大手進学塾の受験対策では、年間のカリキュラムに基づき授業をし、定期的にその授業範囲の確認テストをするスタイルだろうと思います。
進学塾でみっちりと勉強してきた子供達は、おそらく「決められた範囲の勉強をする」ことに慣れているのだろうと思います。
私の息子の場合は、小学校6年生になってから、近所の補習塾での過去問対策や通信教育で受検勉強をしただけでした。
したがって、「決められた範囲の勉強をする」ことに全くの不慣れで、最初の頃の定期テスト前の様子は、「何をどのように勉強すれば良いかがわからない」状態に見えました。
当然ながら、テスト結果も無残なもので、最初の中間テストでは160人中140番前後だった記憶があります。
はじめて本格的に勉強する英語も、大手進学塾できっちりと勉強してきた子供達はやはり予習復習の習慣が身についていますから、勉強量が得点に直結する英語でも好スタートが切れるように思えます。
★ アドバンテージの有効期間
しかし、大手進学塾で受験対策を万全に行ってきた子供達のアドバンテージは、いつまでも続きません。
息子の成績推移から想像して、アドバンテージの有効期間は1年間、長くて2年間程度と言えます。
あまりこのようなことを書くのはどうかとも思いますが、息子の成績の推移を簡単に書くと次のような感じです。
入学後から1年生の冬ぐらいまでは、先ほど書いた通り、鳴かず飛ばずの成績でかなりの低空飛行でした。
しかし、1年生の最後の期末テストぐらいから、全科目で平均点付近を取れるようになり、成績は真ん中あたりに少し順位を上げてきました。
そして、2年生の後半ぐらいになると、突如、数学(幾何・代数)と理科(物理・化学・生物)でかなりの好成績が取れるようになり、数学と理科の点数が寄与して全体の成績も上位の1/3に入れるようになりました。
この状況は今でも続き、数学は学年で片手に入るような、理科でも両手に入るような順位をとることがあります。
入学後のスタートダッシュに出遅れ感があっても、中高一貫校は6年間の長丁場です。
特に、3年生の最初などは一つのターニングポイントになっているようで、一般公立高校の1年生の内容を勉強しはじめるタイミングですから、特に数学などでは、得意不得意で大きな点数差が出始めます。
このように、大手進学塾で受検対策を万全に行うことは、確かに入学後のスタートダッシュで間違いなく有利だと思います。
しかし、他の子供達も徐々に勉強のコツを掴みはじめ、1年も経つと大きな差はなくなるように思います(もともと能力のある子供ばかりですから、勉強方法なども周りのやり方を見てどんどん吸収していきます)。
少なくとも、高校の学習内容に入る3年生最初の頃には、アドバンテージは全く無くなっていると思います。
このような感じです。
都立中高一貫校が第一志望であれば、都立入学後のアドバンテージも限定的ですから、まずは合格することのみを考えた対策が最良だと思います。
大手進学塾での私立向け中心の対策よりも、適性検査の攻略を重点的に行う学習環境で勉強していく方が良いと言うことです。
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※ 2017年の各都立中高一貫校におけるZ会会員合格者数:桜修館(56名)、白鴎(38名)、三鷹(35名)、南多摩(25名)、大泉(25名)、立川国際(25名) 、小石川(23名)、富士(23名)、両国(19名)、九段(18名)、武蔵(10名)
Z会は適性検査と同じ「考えさせる」系統の問題が多いため、このように大勢が各都立中高一貫校で合格しているのだろうと思います。
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しかし、ここで紹介する”のうだま―やる気の秘密”は、科学的根拠に基づく事実を簡単に説明している本です。
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以上
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なので、ブログの内容、すごくよくわかりますが、そのら一方で、結局、
学校の良さを決めるのは、人なんだと思いました。
教師もいろんな人がいるので、当たり外れがあるのは、
どの学校も同じだとは思いますが、担任団が基本的に六年間変わらないのが、
この先の懸念材料です。ブログ主さまのお子さんは担任団に恵まれてよかったですね。
コメントありがとうございます。
担任次第さまとは、私に確認頂いたものでしょうか?
あまり具体的な学校名は出さないようにしていますが、私の子供が通っているのは23区内にある中等教育学校です。
学校が同じか異なるかはちょっとわかりませんが、まあ、先生も色んな方がおられますから、指導方法もまたそれぞれなのでしょう。
厳しいことを言われると、どうしてもネガティブに捉えがちだと思いますが、見方を変えて、子供と一緒に無理にでもポジティブに考えるようにしてはどうでしょう。
ネガティブな方向ばかり見ていても、得することは何もありませんから。
コメントありがとうございます。
何も心配する必要はないと思いますよ。
もう中学生ですから、「勉強しなさい」と言われて勉強することからは卒業する年頃です。
苦しい思いをしながらも、必ず自分自身で頑張って成績を上げてくると信じて、あせらず気長に見守ってあげましょう。
都立中高一貫校の場合、まじめにきっちりと勉強するタイプの生徒が多いです。
まあ、仮に成績の順位があまり上がらなくても、傍から見ていて頑張っているようであれば、それはそれでいいのではないかとも、私は思っています。
うちの担任とは正反対の反応で、びっくりしました。
うちも散々でしたが、理解力ないようだから、このままだと退学、文系も理系も
どっちも無理とまで言われて、唖然としました。
たった一回のテスト結果で、子どもの前でここまで言われるとは、
空いた口がふさがりませんでした。
担任によって、ずいぶん違うのですね。
同じ学校とは思えません(涙
今回の記事を読んで少し安心しました。というのも、息子の入学してから2回済んだ定期試験の結果が散々で、先行きが不安になっていたからです…(>_<)
でも、先日の三者面談では、担任の先生は「まだまだこれから!何も心配いらないですよー。」ととても優しく(甘く?)、拍子抜けしました。
息子も、都立一本勝負の受検でした。私立向け塾の定期的なテスト勉強などを経験していないせいか、「勉強の仕方がよくわからなかった…」と言い訳をしていましたが、あながち嘘でもないかもしれませんね。
担任の先生も、中学生1、2年の成績はあまりあてにならない、というようなことをおっしゃっていました。
主様の息子さんのように、これからの挽回を信じて、見守ります!
コメントありがとうございます。
なかなか厳しい三者面談ですね。
まあ、先生の性格により、面談でのアドバイスの仕方も変わってくるのかもしれません。
もしくは、先生の深い思慮で、子供の気質毎に、叱責したり褒めたりの使い分けをしているのかもしれません(考えすぎかな・・・)。
長男の三者面談などはいつも妻が行っていますので、私はどのような話をしたかを間接的に聞くだけですが、厳しいことを言われたとあまり聞いたことがありません。
全く冴えない成績だった1年生の頃も、「これから頑張ればいい」とか「この学校では思い通りの成績を取れなくても、一般の公立中学に行っていたらトップクラスの成績をとる力はあるから」など、励ましてくれるようなことを言ってくれたと聞いた記憶が・・・。
まあ、先生にもよるのかもしれません。
某塾では、難関私立向けのコースを受講して潮来だけが受かり、都立中コースの子は
全員不合格だった(しかも十数人も)と聞き、私立向けの勉強(特に算数)が
必要なんだろうな、とは思っていました。
定期テストも、理科や社会は、私立受験コースでは塾できっちり学習済みなので、
有利だろうなとは思っていましたが、やはりすごく平均点は高かったです。
学習習慣やテスト対策が身についている、というのは
大いにあると思います。
また、ブログでご指摘されているように、それも1〜2年のこと、というのも、
大いに共感しました。
ただ、気になるのは、順位が低いと、三者面談で担任から厳しく叱咤されて、やれ
理解力がないとか、このままだとついていけずに高校で外部に出ることになると
言われることで、子どもも一緒にそれを聞いているので、最初の中間の順位の低さで
すっかりやる気と自信をなくしてしまいました。
こうしたプレッシャーのかけ方は、どうなんでしょうか・・。
この先が心配です。