2008年09月07日
グラ古巣相手に引導…G低条件に“グラり”の真相とは
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5日に神宮で行われたヤクルト戦は、巨人にとって移動日なしで大阪→松山→東京という超強行日程。しかも、ヤクルトは移動なしというハンデ戦だったが、ここまで5勝12敗という力関係は鉄板だった。まったく危なげなく8−0で完勝。これで巨人は8年連続ヤクルト戦の勝ち越しが決定した。
そして、引導を渡したのは、皮肉にも昨季までヤクルトにいたグライシンガー。14勝目を挙げてハーラー単独トップに立った優良助っ人は「打線が点を取ってくれたので、どんどんストライクを取って打たせた。(9回に登板するかは)自分に選択権があったが、ブルペンを信頼しているし、できるだけ肩の消耗を避けたかった」と、巨人の巨大戦力に感謝した。
しかもグライシンガーは今季、古巣相手に4勝0敗とやりたい放題。ヤクルトは逃した魚の大きさを痛感させられるばかりだ。一昨年オフに韓国球界から年俸4000万円で引き抜き、当時の伊東投手コーチが牽制(けんせい)のクセを矯正。この甲斐あって、外国人投手が苦しみがちな足での揺さぶりに戸惑うこともなく、初年度から16勝を挙げ最多勝に輝いた。
だが、活躍しすぎがアダとなり、オフには阪神、巨人、ソフトバンクとの大争奪戦に発展。ヤクルトの必死の慰留もむなしく、巨人が2年総額5億円で勝ち名乗りを上げた。とはいえ、ヤクルト関係者はいまだ「あの条件は不可解だ」と納得していない。
確かに年俸は大幅増だが、阪神はより好条件の2年総額6億円を提示している。さらに当時、ヤクルトの球団事務所には「なんで巨人くらいの条件を出せないんだ!」といった抗議の電話が殺到したが、前出の関係者は「うちは間違いなく、巨人よりいい条件を出した」と明かす。ヤクルトの最終的な提示額は2年総額7億円とされる。
巨人フロントがグライシンガーを落とした手管は定かでないが、ある関係者は「グライシンガーが優勝の2文字に飢えていた。だから巨人を選択したのだろう」と話す。つくづくペナント争いのライバルに渡してはいけない男だった。
ちなみに「在京志望だから」とソデにされた阪神は、今季すでに3勝を献上している。