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2014年03月11日

2人の祈祷師と巫女さん 

 以前、解決の方法が見つからないある悩みを抱えて、2度ほど祈祷師に相談に行ったことがある。初めに伺った先はごく一般の民家を祈祷場としている、60歳代の女性の祈祷師。祈祷を行う二階には神棚と太鼓が備えられている。悩んでいることやこれまで起きたこと、自分の出自を話した。祈祷師は、私の顔を見ながら「今起きていることは、秋田の鉱山を管理する00藩の武士だったあなたの先祖が、鉱山で働いていたものを切り殺したことの因縁だ。この因縁を断ち切るには○○寺に訳を言ってお経をあげてもらいなさい」と指示された。

 また、この話とは別の人間から紹介された、マンションに住む40歳代の女性の祈祷師からは「生霊が祟っていてそれが災いとなっている」という。「生霊」とは、平安時代末期の説話集「今昔物語」や「源氏物語」にも出てくる、生きて祟る霊のこと。
 いずれも藁をも掴む思いで訪ねたが、結論を言うと先祖が鉱山を管理する00藩の武士だったという話は親戚からも聞いたことがなく、生霊とは誰を指すのかもいまだに分からない。
ただ、気がかりがあった。祈祷を受けてしばらくしてから、仕事で洞爺湖にいく予定ができた。中山峠ではなく美笛峠を選択した。峠を越えた大滝村(現在は伊達市に編入)から白老に通じる道の途中に、夏には観光名所となって多くの人で賑わう三階滝がある。その滝の手前に水の湧き出す場所があり、霊泉として人が絶えない。ひと息入れるために、その霊泉に行った。

 巫女さんのような白い装束をまとった年配の女性が、杓に汲み入れた霊泉を差し出し「幸せに暮らせますように」「元気で過ごせますように」等、1人1人に言葉をかける。私の番になって杓を差し出された。私の顔を見たその女性は、驚いたように目を大きく見開いた。 
 何か言おうとしているが、動揺のあまり言葉にはならない、という様子が見て取れる。その当時、それまでの私の人生にとって最大の危機を迎えていたのは確かだ。あの時、私は何かにとり憑かれていたのかも知れない。あの女性は私を見て、何を感じたのだろう。そのときの表情を思い出しては頭をひねっている。

 その後、様々な荒波が押し寄せてきた。そのひとつひとつを解決しながらここまできた。これまでに得たことは、どのような厳しい状況にあろうとも、その困難に立ち向かっていく勇気をしっかりと持つことの大切さだ。
3月11日、東日本大震災の発生した日に書き記す。




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長い人生の中で、お金はなくても時間だけは贅沢に使える今しかできないこと、やりたいことが沢山ある。それを少しづつでも実現していきたい。
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