参加者は司会:麻倉怜士 氏、Blu-ray Disc Association 元技術部会議長 大原俊次 氏、Blu-ray Disc Association 社長 ビクター松田 氏、ウォルトディズニースタジオ CTO Jaime Voris氏、(株)ステレオサウンド 季刊HiVi編集長 辻潔 氏の5名となっていたが、うち1名は都合が悪くなり代理の人が参加していた。
参考: Blu-ray Disc: 20年の革新と今後の進化の展望
https://www.ceatec.com/ja/conference/detail.html?id=2572
セッションでは2004年BD誕生の時からHD-DVDとの規格戦争と終結、2010年のBD-XLによる記録層増加による大容量化、3D追加、4K UHD導入までの経緯を振り返った。
参考:【CES】なぜWarner社はBlu-ray支持に回ったのか,2007年の次世代DVD戦争を総括する
https://xtech.nikkei.com/dm/article/NEWS/20080108/145050/
BD関係者から見ても「2008 International CES」直前でのWarner社の発表がBD一本化の決定打になったそうだ。パネラーの外国人は「CESのHD-DVDブースには人が入らず、私は記念にHD-DVDのロゴ入り長袖Tシャツをもらってきた」と語っていた。
ディズニーからは近年でのBDパッケージのヒット作として「我が家には小さな子供がいるので『アナと雪の女王』と答えるべきでしょうが『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』『アベンジャーズ/エンドゲーム』も売れた」と答えていた。
辻氏はスタンリー・キューブリック監督の大ファンで『2001年宇宙の旅』は発売されるメディアごとに毎回購入しているとのことでコレクションのLD CAV盤、DVD盤、BD盤、4K UHD BD盤を披露した。4K盤はすぐに日本では発売されないと思い輸入盤を購入したのち日本版も購入したそうだ。
辻氏が1人のコレクターとして「LPジャケットサイズのパッケージが欲しい」と言えば、ディズニーは「消費者のニーズを汲んだコレクション性の高い物を出す」と答えていた。
また辻氏からは「どんなに良い作品でも高品位なプレーヤーがないとその魅力を堪能出来ない。メーカーには高性能プレーヤー製造を頑張ってもらいたい」とエールを送っていた。
最近では欧州でBD Audioが注目されておりドイツではクラシックタイトルが多く発売されているそうだ。HiViからは「エンドユーザー(鑑賞するユーザー)からの所感」3つと麻倉氏からは「10 reasons: I will never stop buying movies on physical media」というDVD NEWS FLASHの記事が紹介されてセッションは終了した。
配信が主流となりつつある現在、本当にBDが最後のメディアとなりそうだ。コレクターがいる限りパッケージは発売されるだろうがコレクション性が高くなりすぎて高価になるのも困りもの。メディアだけ欲しい人用に今後【Amazon.co.jp限定】【500個以上予約受付で発売決定】みたいな企画が増えそうだ。
Z世代の様に配信が当たり前の人種にとってはBD購入という選択肢はないだろうし、そうなるとパッケージは売れず、プレーヤーも販売されなくなると言うオーディオビジュアル機器のレッドリストに載る未来しか見えない。
残念ながら「今後の進化の展望」が見えないセッションだった…。(T_T)
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