今日も見事な秋晴れで、再エネ絶好調ですね〜!
さて、最近の九電の抑制に始まり、次は四国電という噂がある中、電力会社とは一体どういう生き物なのか、幅広く皆さんに知ってもらいたく、今年の6月に行われた電力各社の株主総会における、議案が何で結果がどうだったのか、横串で調査してみましたw
全てエクセルで取りまとめてみたんですが、コレが中々大変で、丸一日かかってしまいました。。。こんなことやっているモノ好きな発電家は日本でアントレくらいじゃないですかね(笑)
とういことで、各電力会社毎に結果をUPしたいと思います。
■東京電力
トップバッターはまずはこの電力会社ですね。アントレは買電は新電力(熊電)にしちゃいましたが、売電では非常にお世話になっている会社です。それでは結果を見てみましょう。
見ての通りですが、取締役の選任以外は全て否決となっております。人事では原子力LOVERSの川村会長が再任されたとの事。会長の正念場ですね。それと、株主提案はどれも至極まっとうな内容となっているんですが、全力を以って、全て否決。福島の放射線調査や情報開示も却下。。。いったい何なんでしょうかねw
■関西電力
次は関電です。この関電という会社は無抑制ではありますが、既に4か所も原発を再稼働させていて、その経営方針は非常に疑問を抱かざるを得ない状況です。それでは結果を見てみましょう。
やはり株主からの提案が多くなってますが、こちらも見事に全否決w 配当もしっかり出しつつ、ストックオプションも導入ですか。東電は原発事故で配当など出せませんが、関電は原発稼働で利益もUP、配当も出ましたよ〜、という構図ですw その他建設的な株主提案がズラッと並んでますが、ここまでくるとルーティーン的な否決ですかね。一人、岩根 茂樹という取締役が株主から名指しで解任要求されています。余程のヒトデナシなんでしょうか。関電の大株主に大阪市と京都市、神戸市があるんですが、その提案全てを蹴散らしてます。上場企業として、コンナン有なんですかね。マスコミさん、出番ですよ〜
■中部電力
無抑制御三家の最後の砦、中部電力です。東電、関電に隠れてる感じですが電力販売量では関電に引けを取らない大電力会社です。しかも原発の稼働無しで回してますからね。多少、優秀な感じがしますが、それでは結果を見てみましょう。
しっかり配当出してM&Aにも積極のようで、やはり優秀そうですね。役員ボーナス900万/1人に加え、役員報酬は12人で9億円ですか。役員1人の平均年収は7000万オーバー。いいですねぇ。コチラも株主提案は全て蹴散らしてますが、今の時代に相談役や顧問、参与という人間が経営に参画しているようです。何なんでしょうかね、コレは。もしかして、反社的な人だったりしてw 現場社員が血眼になって電力基盤を支えている中、相談役や顧問、参与と仲良くやって、年収7000万。アントレも転職しようかしら(笑)
■九州電力
出ました〜!日本の電力会社で1位2位を争うブラック企業の登場ですw その構成員は現場社員以外は全て原子力ムラのムラビトであるという、泣く子も黙る九州電力の登場です。それでは早速見てみましょう。
役員報酬は中部電力よりは少なそうですが、ストックオプションで爆発させる魂胆ですね。川内と玄海をフル稼働させて、目くらましの収益改善を行って大量に株をゲット&換金というシナリオでしょうか。株主提案は若干少ない感じですが、お決まりの全否決。今回の総会は抑制前でしたので、来年は抑制の件で荒れること必至です。社長が名指しで解任要求されてますが、そんな話はどこ吹く風という感じで、今年も安定してブラッキーな会社経営を進めているようですw
■四国電力
次に、伊方原発を再稼働させ、九電抑制の次はこの会社と目論まれている、四国電力の登場です。個人的には四国は地勢的に最も脱原発、再エネ推進に向いている気がしております。四国を一つの島と捉え、再エネ主体で電力供給しつつ、足りない部分はお隣の関電やら中国電やら九電やらから電力供給を受けやすい立地ですからね。それでは見てみましょう。
ハイ、株主提案、全否決〜w 四国電力にとっては伊方原発は唯一無二の虎の子原発ですからね。そう簡単には、いや絶対に諦めないでしょう。ただ、この伊方原発は阿蘇山の噴火対応がなされておらず、恐らく再び訴訟が頻発すると思いますので、原発停止に向けた四国の皆さんの団結力に期待するしかないですね。それと、コチラも取締役2名が名指して解任要求されています。恐らくダメダメなんでしょうねw
■北海道電力
出ました、日本初のブラックアウトを発生させた、おそ松くんの登場ですw 泊原発の再稼働に傾注するあまり、足元の電力会社として基本の基である道民への安定供給というお仕事を置き去りにしてしまった会社です。ただまあ、今回の総会はブラックアウト前ですからね。それほど大荒れにはならないはずです。それでは見て見ましょう。
優先株を発行して増資しているみたいですね。恐らく原発に使うんでしょうね。またブラックアウトを起こすつもりなんでしょうか。株主提案はお決まりの全否決。北電にとっても泊原発が唯一無二なので、鉄壁ガードという感じでしょうかね。それと株主提案で、役員報酬を上げるときは社員給与も上げ、電気代を下げる、がありますが、何て建設的なご提案でしょうか。全力で否決されちゃいましたがw 何がトモアレ、北電は次回の総会が見ものです。お決まりの全否決なんでしょうが、経営陣の責任は超重大なので、どういう人事になるか、注視していきましょう。
■東北電力
この電力会社は東電と隣接しているということで、東電とズブズブな関係を保持しております。特に柏崎刈羽原発などは立地は東北、供給は東京という感じで、その蜜月ぶりが伺えます。事実上、原発再稼働の壁が高い、東電の隠れ蓑的に所有する女川原発等をシレッと再稼働させる危険性があるので、目を離してはイケない電力会社という理解でおります。それでは見てみましょう。
やはりそうか。弱った東電に電気を売りつけているから利益出てますね〜。配当もトップクラスで、役員報酬は年収に換算すると5000万近くになりますね。加えて北電の”ブラックアウト需要”もあるはずで、北電にも売りつけることが可能な状態なので、実は電力会社の中で一番収益要素が高い状況なのかもですね。当方がファンドマネージャーなら東北電株は唯一、買いだと思います。株主提案も全否決というのも頷けます。東北電創立で今が一番稼ぎ時なので、絶対に原発を再稼働させてくると思います。ただ、世の中そう甘くは無いはずです。東北の皆さん、立ち上がってください〜!
■中国電力
ハイ、これ以降は当方にとってなじみに薄い電力会社達の登場です。中国電力は島根に原発を有しており、また、新設も目論んでいるようで、まだ審査中のステータスですが、是非とも審査NGになってもらいたいところです。それでは見てみましょう。
1株当たりの配当は25円と、電力会社の中でトップを取ってますが、それ以外は普通な感じです。原発については他の電力が者に先を越されて焦ってるでしょうが、しがらみもそれほどなさそうだし、いっそのこと脱原発宣言しちゃえばいいのに、と思ってしまいましたw
■北陸電力
最後に、マニアックな(失礼!)電力会社の登場です。どの都道府県を担当しているのか、ソラでは言えませんでした。どうやら富山県を石川県をメインに管轄しているようで、再エネという意味ではあまり盛り上がってない地域ですね。それでは見てみましょう。
うーむ、お決まりの株主提案全否決なんですが、この電力会社も志賀原発を有してますので、注意が必要です。また、ココも相談役やら、顧問、参与といった役職がいまだにあるようで、旧態依然の香りがプンプンします。モーカッテ無い様で、ゼロ配当ですが、逆にこのような旧態依然の会社が危険な原発を正しく扱えるのか?という、基本的な疑念もありますので、ココはしっかり廃炉に持っていきたいところですw
ということで、日本の大手電力9社の2018年の株主総会の分析をコレにて終了します。いやー、分析もそうですが、記事を書くのにも疲れました〜(笑) 一人でも多くの皆さんに、電力会社という生き物がどういうロジックで存在しているのかを、少しでもお伝えできるようにと頑張ってみたのですが、結果としては、何のことは無い、株主総会という場においても、単なる原子力ムラのムラビトが脳幹をフル活用して脊髄反射している、という純然たる事実が浮かび上がってきただけというコトですね。単純に、ソーユーことなんだと思います。我々再エネ発電家はこのような電力会社と一蓮托生にやっていく部分もあると思いますが、まずは向こうの特性をしっかり掴みつつ、再エネ推進を進めていく必要がありますね。
この9社の電力会社の内、ホンの1社でも良いので、脱原発、再エネ推進をしてくれればガラっと変わってくる気もしますが、現政権下においては中々難しいと思われます。
我々再エネ発電家のみならず、国民全体が意識して、民意として叩きつけていく必要が、どうやらある気がしております。以下、今回のサマリーです。
2018年 大手電力9社の株主総会における議決結果
総議案数 :101議案(会社提案:34議案、株主提案:67議案)
可決 :34議案(全て会社提案)
否決 :67議案(全て株主提案)
皆さん、立ち上がりましょう〜!
※注意
電力会社を思いっきり批判しちゃってますが、ターゲットは経営層です。地域電力の安定供給に向けて日々汗をかいている現場社員やその委託先で頑張っている方々については寧ろ応援しております。我々に電気という、生きるうえで大切なインフラを提供くださって本当にありがとうございます。引き続き頑張ってください〜!
※番外編
あ、電力会社1社を忘れてました。原発を1基も保有していない、あの会社。そう、沖縄電力さんです。モチロン沖電にも株主総会がございました。それでは見てみましょう。
配当が30円と、実は日本トップは沖電です。それに対し、役員報酬も控えめで好感が持てますね。株主提案のゼロということで、会社と株主の信頼関係が伺えます。電源の中で一番低コストと言われている原発を有していない電力会社が一番配当が高い件w 皆さん、どうお感じになりますでしょうか。当方は沖縄電力さんを全力で支持したいと思います。沖電さん、頑張って!
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電気自動車の普及と電力需要って観点はどうなのでしょうか?
電気自動車またはプラグインハイブリッド車が普及すると、今の電力では足りないという意見もあります。
(そんなに急激に普及しないという意見もありますが)
その場合、電力抑制なんて言っている暇もないのかな、なんて思ったりもしました。
もっともアントレさんのように保守的に考えたほうが良さそうですけど。