<個人的な評価:10点中8点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
私が好きなゴシックホラー小説の三度目の映画化。
原作は Oscar Wilde の小説。1890年に出版されたゴシック小説「The Picture of Dorian Gray」だ。
原作のドリアン・グレイは金髪碧眼の美しい青年。
今作のドリアン・グレイも白人だが秀麗な黒髪の美青年。芸術的な美形だ。
演じている俳優は、Ben Barnes。
ちなみに、ドリアン・グレイの1度目&2度目の映画化は観ていないが、ゴシックホラードラマ「Penny Dreadful」に、ドリアン・グレイというキャラが出ていた。
あのドリアン・グレイは金髪だったが、優男風の超美形だった。
ドリアン・グレイは、悪魔に魂を売った美青年。彼は年を取らずにずっと美形のままなのだが、彼の肖像画が代わりに醜く腐っていく。
実際に、ドリアン・グレイ症候群(Dorian Gray syndrome :DGS)という言葉まである。ドリアン・グレイ症候群には、重複して組み合わさった3つの症状があり、それらは、醜形恐怖症・自己愛的性格特徴・発育遅滞だ。これに加え、性倒錯が見られる。
私も軽症だが、ドリアン・グレイ症候群かもしれない。
でも、欲にまみれた人間なら、恐らく、だれしも老いていくのが嫌だと思うよ。私も老化したくないよ。ずっと18歳〜25歳のままの姿でいたかった。そんな欲にまみれた自己愛が強い人間なので、私も、ドリアン・グレイ症候群かもしれない。ただ私は痛みが怖いので、整形もしてないけどね。もう少し年齢がいったら、整形というか老化防止のためのプチ整形も考えるかもしれないけど。ちなみに私の母も叔母も、相方の母も、親友の母も、全員、ボトックスなり何なり、老化防止のプチ美容整形しているよ。そんな美意識高い環境で育ったので、私もそのうち、母か親友に誘われるかもしれない笑。ハリウッドのセレブ達も、ほぼ全員しているし。
★映画の登場人物★
ドリアン・グレイ
祖父の遺産を相続した美青年。親友バジルに肖像画を描いてもらう。その肖像画で、悪魔に魂をうり、老いる事のない肉体を手に入れる。代わりに肖像画が老いて腐っていく。悪友ヘンリーに、あらゆる享楽を教えてもらう。その美貌で、社交界や娼館で、老若男女を篭絡していく。ドリアンは次々と飽くこと無く、女性と交わり堕落した生活を送る。どんどん肖像画は、恐ろしい悪魔の姿に変わっていく。
ヘンリー卿
ドリアンの悪友でドリアンに世俗の楽しさを教える。ドリアン・グレイを作ったといってもいい人物。
バジル
ドリアンの親友で画家。ドリアンの肖像画を描く。その肖像画は彼の人生の最高傑作だったが、皮肉な事に、肖像画の悪魔的な秘密を知ってしまい、ドリアンに殺害されてしまった。
シビル
舞台女優。ドリアンの初恋の相手。純粋で健気な女性だったが、ドリアンとの結婚が破談になったことにより、ショックで、川へ身投げ自殺をする。
エミリー
ドリアンが初めて本当に愛した女性。ヘンリーの娘。25年の時を経て戻ったドリアンに恋をする。好奇心旺盛な性格。
ドリアン・グレイ、最初は田舎からきた無垢で純粋な美青年だったけど、ロンドンで欲にまみれた生活を知る事になって、どんどん堕落していく。クズになっていく。ナルシストな面もあった。
シビルは可哀想だったな。ドリアン・グレイの堕落は、ヘンリー卿のせいでもあるよね...
エミリーとかいう女は個人的にウザいんだけど、この女はヘンリー卿の娘で、ドリアン・グレイが愛した女性。ようやく過去の過ちを悔い、後悔したが、罪が消える事はないし、肖像画もどんどん腐っていく。
最後は肖像画と共に燃え尽きて死んでいく。
しかし、不思議な事に、ドリアン・グレイが亡くなったあと、醜く腐ってて呻き声さえ上げてた肖像画は元通り、美青年の姿になっていた。その肖像画をヘンリー卿が保管していく。
これ、色んな解釈があるけど、私が思うに、肖像画そのものは、画家であるバジルが、純粋に愛を込めて描いたものであって、肖像画が呪われてたわけじゃないだろう。悪魔と取引をしたのは、人間であるドリアン・グレイ。だから、ドリアン・グレイが死んだら肖像画も残った。
ゴシックホラーだけど、肖像画とか悪魔とかメタフォーで、これは、カルマというか教訓じみたようなストーリーだろう。
欲にまみれた堕落した生活ばっかり送っていると、見た目がどんなに美しても、中身はどんどん腐っていく。
人間は誰でも老いていくのだから、できることなら、モラルある生活をおくり、せめて内面を美しくしよう。
醜く腐ったドリアン・グレイの肖像は、老人になっただけじゃなく、ウジ虫や寄生虫みたいなものを湧き出ており、グロそのものだった。それは、ドリアン・グレイが罪を重ね、心も腐っていったのを表現しているようだった。