<個人的な評価:10点中8.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
市場や金融などに興味ない人には、つまらないけど、私からみれば、たまに観たくなる臨場感があるドラマ。
映画では匿名の会社だったが、わかる人ならわかる、リーマン・ブラザーズがモデル。
その会社でおきた24時間を舞台で、リアルでおきいた事だから臨場感がある。2007年に発生したリーマン・ショック/世界金融危機に焦点を当てている。金融危機がおきる前の金融マンたちが取る行動が描かれる。
あの世界的な金融危機には、私達家族も、少なからず影響されたかな。
2007年、私より5歳上の兄は、ウォール街で働き始めたばかりだったし。
兄は解雇されなかったけど、他人事ではなかったよな。
大学卒業したばかりの若い人達より、ぶっちゃけ、会社に長年勤めて貢献してきた人達の方が、解雇のショックはデカかっただろう。
あらすじ
ウォール街のとある投資銀行で、非公表の大量解雇が断行された。即日退去を言い渡されたリスク管理部門の責任者エリックは、「Be careful」という意味深な言葉を残し、USBメモリーを部下のピーター・サリヴァンに手渡した。その晩、USBのデータを分析したピーターは、会社のポートフォリオにおける不動産担保証券(MBS)の価格変動率(Volatility)が、HVを上回る可能性があることに気が付いた。
毎回思うけど、こういう分析をする人って、マジで凄いなと尊敬する。
過度のレバレッジにより会社の資産が25%減少すれば、時価総額(Market cap)を上回る損失を負いかねない。すなわち、会社は総資産を超える損害リスクのある大量のMBSを保有している、という結論に達する。
既に状況は逼迫しており、明日にもリスクが顕在化する危険があった。
上司のウィル・エマーソンとサム・ロジャースは緊急役員会の招集を進言する。
会社の存亡の瀬戸際で役員達が導き出した結論は、市場が気付く前に全ての不良資産(Toxic assets)を早急に売りさばくことだった。
サムは「無価値のものを誰にも知られないように売りぬく」という決定は、顧客や市場の信頼を失うことが明白であり、自分の信念に反すると社長に抵抗する。エリックも脅され会社に戻される。
結局、取締役会の決定として出された指示を部下に伝達し、実行した。
「無価値のものを誰にも知られないように売りぬく」
これにいたる、従業員それぞれの葛藤。
会社を守るため、自分の家族を守るため、自分の生活を守るため、信条に反する事をする。
私も同様の立場なら、さすがに葛藤するだろう。
バレずに、できるなら、別に葛藤はそこまでないが、(私はなかなか狡猾で姑息なので)
でも、今まで信頼を築いて生きたビジネスパートナーなどに対して、嘘をついて、無価値のものを売りさばくというのは、なかなかできないかもしれない。でも、心を無にして、やらないといけないんだろうか。
しかも、嘘を貫きとおせるのではなく、数時間したら、自分が無価値のものを売りさばいたとバレるんだからな。
もう信頼を失うどころじゃないでしょ。
本当に厳しい決断だよね。
かなり心に響いた映画だった。
亡くなった愛犬を埋めるサムの背中が虚しかった.....
自分の誇りを埋めてしまっているかのようで。