<個人的な評価:10点中6.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
中華系アメリカ人の主人公のビリー・ワンは物書きになることを夢見て、ニューヨークで日々奮闘していた。しかし、夢はまだかなわず、ビリーは無職のままで、落胆していた。そんな折、ビリーは両親から長春で暮らすナイナイ(ビリーの父方の祖母)が末期の肺がんで余命3か月という事実を知らされた。
ビリーは幼い頃は、ナイナイと共に暮らしていて、ナイナイの事をとっても慕ってたし、ナイナイも常にビリーの事を気にかけていた....
両親は医者と結託して、事実をナイナイに知られないように努めており、彼女には「良性腫瘍が見つかった」と嘘の説明をしていた。
中国では、特に高齢の患者の場合、家族の意向で真実を告げない事がある。
(これは中国の話だけなのか??日本や他アジア圏の国々でもそういう事あると思うけどね。西洋は告げるのかな?精神的な病で真実を告げても意味がないか悪化する以外は、告げているのかな?)
ナイナイの親戚たちはハオハオ(ビリーの従兄)が中国で結婚式を挙げることを口実に一堂に会することにし、ナイナイと最後の思い出を作ることにした。
両親はビリーがナイナイに真実を告げるのではないかと思い、彼女にニューヨークに留まるよう言いつけたが、ビリーは言いつけに背いて長春へと向かった。ビリーは両親と口論になりかけたが、ナイナイに真実を伝えないと確約することで事なきを得た。そうは言ったものの、長春滞在中、ビリーは「ナイナイに嘘をつき続けるのは不誠実なのではないか」と悩み続けることになった。
この映画は、ルル・ワン監督の実体験を題材にしている。
苦悩するビリーの姿を通して、がんにかかった祖母と再会した一族の喜怒哀楽や、東洋と西洋という二つの文化の違いを描き出している。
最初から最後まで、ナイナイが可愛かったな。
最後はやっぱり亡くなるのかなと思ったが、ハッピーエンドで、ナイナイはその6年後も生き続けたらしいからスゴイ。
『病は気から』は日本でも言われる事だけど、中国やアジア圏の国々でもよく言われる事だ。
心の持ちよう。
患者が高齢の場合、真実を告げるか否か。
賛否両論があるだろうけど、私は場合によっては告げない方がいい時もあると思う。
White Lie は、悪い嘘じゃない。良い嘘だ。
この場合、この嘘は、ある意味、一番の薬になったかもしれない。
どんな癌の特効薬よりスゴイ薬。
これは、患者の性格にもよるだろうなと思う。
ナイナイのような性格の人には、告げない方がいいと一族は考えたのだろうね。
逆に、運命に逆らうぞ!的な性格の人には知らせた方がいいかもしれない。
自分が余命3か月なのを知った上で、運命に逆らって、絶対に生きるぞ!って人も実際いる。
私の大叔父がそんな人だったな。癌で余命1年だったけど、結果的に、5年も生きたよ。
だから、真実を告げるか否か。それに正解はないだろう。人それぞれだから。
ナイナイ&ビリーのやりとりが暖かかった。
私の祖母を思い出した。
私は、父方&母方の祖父祖母、4人とも高齢(80代〜90代)で亡くしている。
4人とも、高齢だからしょうがないが、大好きな祖父祖母たちだったので、今でも寂しいと思う時はある。
たくさん思い出を作れたのが良かったな...
私も、アジア系アメリカ人なので、アメリカで暮らしているとアジア系の文化と西洋の文化が衝突するのは何度も目にしてきた。アジア系といっても、私の中には、シンガポール華僑&日本人の血があるし、100%アジア系というわけでもなく、1/4は白人の血も入っている。
でも育った環境や文化的には、アジア系だろう。シンガポール出身の母親の文化の影響が強いから。
生まれはアメリカだけど、5歳から高校を卒業するまで、母の実家であるシンガポールで暮らしてたから。
通ってた学校は、インターナショナルスクールだったので西洋式だけど。
つまり、私も西洋&東洋の両方の文化に触れて育った。
ただ、私は私なので、西洋&東洋のどっちかが正しいとか、どっちかにつくとか、そんな必要はないけどね。