『The Valhalla Murders (2019)』
<個人的な評価:10点中6.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
Iceland が舞台の本格サスペンスドラマ。変に引き延ばしをせず、ワンシーズンで終わるのが良いですね。
Icelandって行った事ないけど、雪だらけで、すごく寒くて、暗くって、何もない辺鄙な所って勝手なイメージがありますね... でも調べてみたら、実は、とっても安全な国なんだとか。日本より安全らしい。
というか、世界一安全らしい!!
Institute for Economics and Peace(イギリスのシンクタンクで、世界の平和に関する指標を毎年発表している)によると、Iceland(アイスランド)が1位なんです。
治安の良い国ランキング トップ1〜10位
- 1位:アイスランド
- 2位:ノルウェー
- 3位:デンマーク
- 4位:シンガポール → 私の母の出身国で中学高校時代を過ごした国
- 5位:ニュージーランド
- 6位:日本 → 私が現在住んでいる国
- 7位:スイス
- 8位:スウェーデン
- 9位:オーストリア
- 10位:フィンランド
そう、このドラマは、世界一安全な国、アイスランドで起きた連続殺人事件を解決する本格サスペンスです。(ドラマはフィクションだが、リアルに起きた事件に影響を受けた作品)
主人公のKataとArnarのキャラが、リアリティーあっていいな。
Kataは、おばちゃん警官。本当にいそうな感じの警官です。
日本(というかアジア)の映画やドラマでは、バリバリ芸能人オーラが半端ないなぜか美人で若すぎて、しかも細い人が警官とか演じたりする事あるけど。まあ、それはそれで別にいいけど。
欧米のドラマの方が、やっぱりリアリティーを感じる事もあるのは、演じている人が、本当にそこらへんにいるおばちゃんや警官や誰かのお母さんとか、そういうのが多いと思う。
説得力があるというか...
ファンタジー世界でも、そういう傾向があるよね。
魔法使いとかなら華奢な美女でも、いけるけど、凄く強い女剣士だと、やっぱりマッチョや男のような見た目の方が、説得力あるよ。
(GoTだと、Brienneみたいなキャラかな。それだけ鍛えている証拠。あの傷も体格も。生まれた時から男よりデカく体格がよく、顔は老人よりも醜いという設定だけど。でも、彼女のような不細工設定のキャラだけじゃなく、Yaraとか、他の女戦士も、それなりに鍛えている体格なんだよね。だから力がとても強いと言われると説得力ある。本当に強いという事がわかる。日本では...あまり見かけた事ないな。漫画で、たまーに、あるかないかぐらい。ワンピースでいうとビッグマムとか笑。ファンタジーにしか存在しない可憐な女剣士も良いけど、説得力持たせるために屈強な女戦士とか、そういうキャラを増やしても良いと思う)
話がそれたけど、何が言いたいかというと、見た目にも性格にも、リアリティーを追求しているおかげで、その職についているという説得力があるキャラが、このドラマの主人公のKataだと思う。
ただ、性格は褒められたもんじゃない。そこも、逆にリアリティーあると思う。
完璧な人間だったら、逆に偽善者っぽくみえて胡散臭い。
だから、Kataは、誇れるような人間ではないからこそ良いのです。(別に私はKataが好きというわけじゃないけど。てか好きなキャラは別にいない。)
まず、Kataの家族問題に関して...
息子を愛しているのはわかるし同情する面もあるけど、色々と社会人として、母親としても、ちょっと...って人。職権を乱用して被害者の女の子にヒステリーっぽく迫ったのもダメだし、職権を乱用して証拠隠滅を図ったのもダメ。(息子の服を捨てたり)
息子の事を誰にも相談せず、元夫にも嘘をついたのもダメだし、そもそも自分を心配してくれる自分の母親に対しての態度も悪い。Mind your own business って... そこまで言わなくっても。
なんで、こんなに尖ってる人なんだろう。自分を心配してくれる年老いた自分の母親に優しさと思いやりをもてない人だから、自分が心配していて愛を注いでいる息子に自分の気持ちもわかってもらえなよ。ブーメラン。自分の母親を邪険にし、息子の父でもある元夫に嘘をつき、息子自身の事も信用していない。
元夫の再婚相手(または恋人)が、自分の息子の事を心配してアドバイスしようとした時も、邪険にしてた。
確かに、元夫の再婚相手なんかイヤだし、それは気持ちはわかるし、関係ないだろ!って気持ちもわかる。
でも、だからって言い方というものがあるし、人の気持ちを蔑ろにするのは良くない態度。人の話を聞く事もしないし、人に話すチャンスも与えない。
こんな態度だから、息子が何も話したがらない。
でも、ストーリーを通して、Kata自身が、偽善者ぶらずに、進撃に自分の過ちを向き合い、成長しようとしているのがわかる。
最後は、息子と分かり合えて良かったなと思う。
Arnarにも、家族問題や辛い過去がある。
父親との確執。家族との確執。というか、詳しく書かれてないけど、家族は、Jehovah's Witnesses(エホバの証人)なんだね。それで確執がおきたんだろうな。
Arnar & Kata は、まさに相棒!
殺人犯は、意外とすぐに捕まったけど、その裏につながる過去の少年虐待事件。
養護施設の少年たちへの暴行、強姦、そして殺人。
1人だけじゃなく、何十人もの被害者がいた事件。
でも隠蔽された。
日本では、性被害者って、女!みたいに限定されている感じがあるせいか、男の被害者って声が出しにくいんじゃないかな。女の被害とか結構ニュースでみるけど、男の被害は日本では聞かない。うーん。不思議。実際はもっともっとあると思うよ。
欧米では、男も女も関係ない。考えてみれば当たり前だ。
少年や成人した男性だって被害にあう。
それに少年にいたっては、けっこう被害が多いと思う。
少年たちを守るべき養護施設が、少年たちにとっての地獄。
暗いストーリーで、ぶっちゃけ、サスペンスは好きだけど、こういう系の話はあまり好きじゃない。
やっぱり個人的な好みではないね。
やっぱり、私が好きなのは、閉じ込められた城、孤島、儀式にみたてられた殺人事件...
そんなのが好きです笑。
逆に、このドラマは、実際の実在する刑事たちが、事件を追っているような感覚にさせてくれるストーリー。
そういうのが好きな人にはおススメです。