『A Monster Calls (2009)』
<個人的な評価:10点中8点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
ダークファンタジー。子供向けというより、大人向けかもしれない。深い話。
悲しい話だった。Happy Ending というわけではないけど、でも未来と希望があるEndingだと思う。
難病(おそらく進行性の早い癌)のシングルマザーと、13歳の息子。
そして、祖母。
母の死を受けいれるまで、様々な葛藤を乗り越え、成長していく少年の物語。
木のモンスターは、母親の友達でもあったんだな...
怪物が少年に3つの物語を話すんだけど、どれも深い話だったな。
特に最初の物語がかなり深かった。
物語には様々な側面がある。
目にみえるものだけを信じてはいけないし、どんな人間にも、どんな物語にも、様々な側面があり、善と悪で割り切れるものではない。
本当に私は強くそう思う。
だからこそ、私はアメリカのヒーローストーリーや、DISNEY系のストーリーが苦手なのかもしれない。
単純すぎるし、善と悪がはっきりしすぎて、萎えるからだ。
たまには、そういう単純ストーリーもいいけれど、やはり、人というのは複雑な生き物だし、どんな物語にも、そのキャラの立場によって、みえてくる側面があるからな。
だから、私は、Game of Thronesというドラマも、その原作小説の、A song of Ice and Fireも大好き。
(原作は、様々なキャラの視点から物語がみえる。つまり、それが真実とは限らないのだ。そのキャラが実際そう感じた、そう見た、そう経験しただけであって、別のキャラからすれば、また違うのかもしれない。)
私は、人間って複雑だから、善と悪で割り切れるものではないと思う。
確かに、稀だが、世の中には、悪しかない正真正銘のクソ人間もいるだろうし、超絶良い人の人間もいるだろう。ただ、ほとんどの人は、両方の側面があるのではないかな。
育った環境、回りの人間の影響などで、色々変わってくるだろうしね。
物語の中の主人公は、母の闘病→死、を乗り越えて、成長したと思う。
受け入れることができた。
最愛の母親に死んでほしくない。
けれど、母親が苦しむ姿をみるのも辛いし、毎日そんな状況の中でいきる自分自身も辛い。
いっその事、もう死んで、終わりにしたい...そういう気持ちがあったんだろうな。
13歳の少年にとっては、難しく苦く辛く悲しすぎる経験だ。
若いのに難病で息子を残して死んでいく母親も可哀想だし、多感な時期に母親を亡くしてしまう孤独な少年も可哀想だ。だが、幸いな事に、祖母がいたね。
祖母と少年も色々と葛藤があったが、最後は、わかりあえたようだ。愛する共通のものがあるから。
最後、少年に自分の部屋をプレゼントした祖母。最高のプレゼントだなー。
私の母が祖母を介護してた時に、苦しむ祖母をみるのが一番つらいって言ってた。
祖母が生きている時は、死んでほしいなんて一言も言わなかったが、祖母が死んだあとに、母は、祖母が死んである意味、安心した。苦しんでいる姿を毎日みるのが、とても辛かったと。眠るように穏やかに逝った。その顔が苦痛からようやく解放されて、これで良かったんだ...と思ったと。
母の弟たちも同じように思ってたらしい。
そういう考え方もあるんだな、と思った。
苦しんでも生きててほしい!と思う人も中にはいるだろうけどね。
死にたいする価値観は人それぞれだ。まあ、祖母は高齢(80代)だったけど。
だから受け入れやすかったのかもしれない。
ただ、やっぱり、若くして最愛の母を失う体験をする人って辛いなと思う。
この物語の少年とかね。
そして、少年の祖母とか。
自分より先に娘が死ぬって、それこそ、とても辛いと思うな。
ただ、これからは、祖母と少年、二人で、亡くなった母の思い出を胸に、強く逞しく協力しあって生きていくんだろうな。そんな希望と未来があるENDINGだった。