誰も行かない支流の小河川: ホラー好きのフライマン
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2015年09月22日

誰も行かない支流の小河川



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上流への遡行を続けたが・・・

 札幌郊外の川で、これまで気になっていた二つの小河川に、連休前に釣行した。それは、真駒内川支流・湯の沢川と札幌・白井川支流・滝の沢川。この二つの川の様子は、これまで取り上げられたことがないはず。そのため基本的な情報はなく、魚がいるのかも分からないで釣行した。
湯の沢川は、真駒内川上流に構築されている、ふたつの砂防ダムの間に流れ出る小河川。川幅は、雪代時期を除くと最大でも1・5メートルほど。それほど小さいのに、真駒内川本流との出合いから200メートル上流には、魚道のない砂防ダムが築かれている。つまりこの川は、砂防ダムの中にだけ存在する川といえる。
1.JPG

 本流の真駒内川の状況は、このブログで何度も取り上げたように、小滝1号橋の上流に築かれた魚道のない砂防ダムにより、下流からの魚の遡上が阻まれている。さらに、その上流にも同じく魚道のない砂防ダムが設けられており、魚の棲息地が下流・中流・上流と寸断されている。
最上流部は、昨年9月の大雨による河川の氾濫で渓相が大幅に変わったほか、棲息していたやまめの姿まで見えなくなった。

 南区常磐の採石場を越えたら、空沼岳に通じる小さな橋が現れる。この橋から100メートルほど上流に、湯の沢川は流れ出ている。この橋から本流の砂防ダムまでの区間、大雨の前は小さいながらもやまめ棲息していたが、今は見る影もない。湯の沢川の合流点まで、流れにフライを打ち込む。すると小さな淵で、フライを確認するために浮上する魚が見えたが、それ以外は全く反応がない。

  右から流れ出る湯の沢川も、少ないながら流れ出しや小さな淵、カタなどのポイントが続く。時おり、上流に向かって泳ぐ小さな魚も見えるが、フライには反応しない。200メートルほどして現れたこの川の砂防ダムは、本流の砂防ダムとそっくり。コンクリート底で釜や淵はない。そして魚の姿も見えない。

 高巻きして上流に出ようとするが、両岸とも崖が急で登り切れない。仕方なく入渓地点の橋まで下り、湯の沢川に沿って延びる林道を経由してダム上流に向かった。湯の沢川上流は想像以上の小河川で、川幅は下流の半本ほどしかない。流れは遅いが、所々に落ち込みや倒木で作るポイントが現れる。「岩魚でも」と、期待を込めてフライを投じるが、どのポイントでも反応はない。遡行から100メートルほどの地点で、右側に滝が現れた。その釜に打ち込んでも、ただ流れ出るだけ。

2.JPG
足元には、鹿や小動物の足跡のほか長靴の跡が残されている。こんな山奥なのに、不思議と熊の気配は感じられない。長靴の跡が釣人ならば魚はいるはずと、落ち込んでいたモチベーションを高める。

 遡行開始から2キロは来ただろうか、川は次第に傾斜を増して河岸が狭まってきた。そして、肝心のアタリはここまでゼロ。これ以上遡行を続けても魚はいない、と判断して釣り下った。
  先ほど現れた滝の上にも登ったが、小川のような流れに竿も出さずに降りた。帰る途中の河原に、最近のものと見られる、測量用の木杭が打ち込まれていた。さきほどの足跡の正体は、測量の人間のものだったらしい。
3.JPG
 初めて入った河川で坊主になるのはよくあることで、特別珍しくもない。しかし後で、元々魚は棲息していない川だと分かった時は、おみくじで「凶」を引いたような気分になる。これは、好奇心の強い自分のせいでもある。
 もうひとつの札幌・白井川支流の滝の沢川の釣行記を、次回に続けて掲載する予定。湯の沢川のような悲惨な状況ではなく、可能性を秘めた釣行となったので、幾分救われた気持ちとなった。
写真@:湯の沢川に構築された砂防ダム、同A:湯の沢川上流の流れ、同B:途中で名も無き滝が現れる
 


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