2017年07月24日
生涯の体重変化が死亡率に影響 やせ形には朗報だが、「太り続けていて...」は要注意
5〜50歳の間の体重変化が死亡率に大きな影響を与えており、この時期に一貫して太り続けていた人は死亡リスクが高い――体重の変化が与える影響を、長期間大規模に追跡にした研究結果が、米マサチューセッツ総合病院とハーバード大学医学大学院の共同研究チームによって発表された。
BMIが高く、過体重や肥満の状態にある成人はさまざまな疾患の発症リスクが高く、死亡リスクも高いことを示唆する研究結果は多数存在するが、生涯の体重変化が影響を与えているかどうかは、ほとんど検討されてこなかった。
研究チームは、米国在住の看護師や医療従事者を対象とした追跡調査「Nurses' Health Study(1980〜2008)」と「Health Professionals Follow-up Study(1986〜2008)」から、女性8万266人、男性3万6622人を対象に、5歳、10歳、20歳、30歳、40歳の時点での体型もしくは体重を聞き取り、50歳以降はBMIを定期的に調査。60歳からは最低でも15年以上の追跡調査を実施し、生涯の体重変化と死亡率の関係を分析した。
その結果、生涯一貫してやせていた人が、60歳から15年以内に死亡するリスクは、その他の体重変化の人に比べて低くなっており、一貫して普通体重だった人よりも低かった。
また、5〜50歳の間に太り続けていた(体重は増加していなくても肥満状態を維持していた期間を含む)人は、一貫してやせていた人に比べ、死亡リスクが有意に高く、女性で1.64倍、男性で1.19倍となっており、心疾患発症リスクも女性2.3倍、男性1.45倍だった。全体的な傾向として、中年期以降の体重増加を抑えることで、それまで肥満状態でも、ある程度死亡リスクが下がっていたという。
研究者らは、先行研究の結果から予想できた結果ではあるとしつつ、長期的な体重管理の重要性を強調。「健康的な生涯を送るには、やせた状態を維持し続ける必要がある」とコメントしている。