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慣れない場所で眠れない理由は警戒態勢の脳のせい!睡眠と脳の不思議

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時代劇で、眠っている剣客が敵の気配を感じ、とっさに目を覚まして臨戦態勢に入るという場面を見たことがある。これは作り話によるものか、超人的に鍛えた人に限った話だと思っていたが、どうやら私たちの誰にでも当てはまる話らしい。


□新しい環境で寝ると 睡眠中の脳は左脳が活発に働いている
アメリカのブラウン大学で行われた研究では、新しい環境に置かれて睡眠を取る場合、左脳が活動していることが分かった。

実験では、被験者に慣れない環境で寝てもらい、その脳波を調べた。結果は、1日目の夜では、左脳の中でも、無意識のうちに外部の状況を把握する部分が活性化していることが分かった。また、睡眠中の異音についても、左脳の反応の方が右脳よりも大きかった。

しかし、実験が2日目、3日目となり、被験者が環境に慣れると、左脳が反応することはなくなったという。



□睡眠中に脳が活性化する理由は「警戒態勢」を取るため
夜の寝ている間に脳が活性化するのは、警戒態勢を取っているためだという。

一般に動物界では、無防備になる睡眠中は、敵から襲撃されるリスクが増す。新しい環境で寝ている人間と同様に、睡眠中も脳の半分が活性化する動物がいるそうだ。


□動物界の常識? 脳が半分しか寝ていないウサギ
例えば、ウサギは片方の目を開け、脳の半分を覚醒した状態で寝るという。両目を閉じたまま寝れば、敵に襲われた場合、逃げたりするなどの対処が難しくなるためだ。

また、飼いウサギになり、安心して生活できるようになると、この習性は現れなくなる。



□慣れない環境下の睡眠で、人間が警戒態勢になるのはなぜか
人間の世界では、災害や戦争などの状況を除けば、寝ている間に身の危険が迫るというのは、一般の人ではそうないものだ。

しかし、果てしなく長い人類の進化の歴史を見れば、定住して寝床につくのはつい最近のこと。人類も自然界の動物と同じように、寝ている間に自分より強い大型動物に襲われるといったリスク回避のために、就寝中も片方の脳が活性化するようになったのだろう。


□まだまだある!人間の歴史の名残からくる睡眠中の脳の警戒態勢
実は、睡眠中に警戒態勢を取るシステムはまだまだある。

私たちの脳は、進化によって獲得した「大脳新皮質」と呼ばれる「新しい脳」と、従来から持っていた「大脳辺縁系」と呼ばれる「古い脳」に分かれている。高等動物と言われる人間の「古い脳」も、構造的には他の哺乳類や鳥類などとあまり変わらないという。

不眠を訴える人の中には、寝ている間も古い脳が覚醒状態にあり、警戒態勢を取っていることが分かっている。

旅先などで「枕が変わると眠れない」という人は、慣れない環境に対して、脳が警戒しているためなのかもしれない。

それを聞くと、枕やアロマなど、普段から使い慣れているものを持って行くなどして、環境を普段から慣れたものに近づけることは、効果がありそうだ。




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