2017年07月15日
だからダイエットが成功・長続きしない!? 睡眠と肥満の深い関係
さまざまなダイエット方法が、紹介され、ブームになり、多くのものは忘れ去られていった。
体重の増減は、エネルギーの吸収量と消費量の差し引きであることは紛れもない真実であり、食事と運動がダイエットの中心であることは言うまでもない。
しかし、ダイエットの成功には、実は睡眠も大きく関わっているのをご存知だろうか。
□睡眠時無呼吸症候群と肥満は負のサイクルを作る
まずは睡眠時無呼吸症候群にかんすることから話を始めよう。睡眠時無呼吸症候群は、さまざまな問題を引き起こすとされている病気である。
単に睡眠の質を低下させるだけでなく、脳こうそくや心発作、うっ血性心不全などの重大な病気のリスクを高めることがわかっている。
睡眠時無呼吸症候群は、肥満の人に多いのだが、日中の活動レベルや活力が低いためにダイエットが困難になり、肥満や睡眠時無呼吸症候群から抜け出しにくくなるという。
□睡眠時無呼吸症候群を治療することがダイエット成功のカギ
睡眠の専門家であるRichard Simon氏は「通常のダイエット方法で、長期間にわたって5−10%体重を減らすことはかなり難しい。そのため、睡眠時無呼吸症候群の人には、まず持続的陽圧換気療法を行い、後に運動を行ってもらう。効果的な睡眠時無呼吸症候群の治療は、人々の活気を取り戻し、運動する意欲を高めてくれるのである」と語っている。
持続的陽圧換気療法を併用することでダイエット効果がかなり上がるのだという。
□睡眠不足で代謝が落ちる。また4時間睡眠で糖尿病に似た状態にも
睡眠不足は体内の代謝に影響し、体重が落ちにくい体質に変えてしまう。
1999年、シカゴ大学は、7日の間、睡眠時間を4時間に制限する実験を行った。その結果、代謝が変化して、血糖値とインスリンの値が糖尿病と同じような特徴を示した。
□睡眠不足でなぜ代謝が悪くなるのか
では、睡眠不足が、どのように代謝に影響するのだろう。
2012年の調査で、4日間の4.5時間睡眠、つまり睡眠不足により、被験者の脂肪細胞が老化することがわかった。老化した脂肪細胞はインスリンに反応しにくくなり、その結果、肥満と糖尿病のリスクが高まる。
何日続ければ、この変化が永続するのかに関してはわかってはいない。ただし、実験で行われた「4日間の4.5時間睡眠」というのは仕事や育児で忙しい日常には、起こり得るレベルの睡眠不足だろう。
その短期間でこのような変化が起きてしまうのである。
□効果的な運動と睡眠とダイエット
運動と睡眠にも関係があり、運動をダイエットに取り入れるのであれば、タイミングが非常に重要である。
うまく睡眠に入るためには、その時に体温が下がっている必要がある。睡眠直前に運動すれば体温が上がってしまい、睡眠の質を落としてしまう結果になる。運動後上がった体温は、約6時間で下がると言われており、睡眠6時間前である夕方の運動が理想的である。
その時間がない場合は、睡眠3時間前までの運動を専門家は勧めている。
睡眠は、密かにダイエットの成功のカギを握る重要な要素である。どんなダイエットをしてもうまくいかない人は、自分の睡眠の質を見つめ直してみるのもいいだろう。睡眠の改善がダイエットの成功につながるかもしれない。