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2016年08月30日

「黒い雨にうたれて」西城秀樹島村佳江中沢啓二

中沢啓二原作のアニメ「はだしのゲン」は、廣島原爆投下を描いた金字塔と言える作品だが、もうひとつの

原爆をテーマにした「黒い雨に打たれて」はそれほど有名ではない。作品の発表はゲンよりこっちの方が早かった

のだが最初どこの出版社からも掲載を断られてなかなか日の目を見なかったのである。

「はだしのゲン」が原爆投下前後から始まるのに対してこの作品は、原爆を浴びた当事者のその後と被ばく2世

たちの苦悩を描いている。

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ストーリーは広島出身で被ばく2世のエイコが、暴走族風の若者ジュンジにナンパされたところから始まる。

エイコはある青年と恋愛関係になり結婚するが相手の父親から子供を産むことを大反対される。

エイコは実は広島の被ばく2世で相手の親は、生まれてくる子供に類が及ぶことを恐れていたのだ。そんな事情も

知らずにジュンジはエイコにいいより一度は拒絶するが、ジュンジの底抜けの明るさにひかれてデートし、しばらく

広島にとどまるにことにしたのだ。しかし実はジュンジも被ばく2世でエイコと同じ悩みを抱えていたのである。

エイコはジュンジとの出会いからスナック「赤馬」のマスターのタケシやジュンジの姉のトモコ、売春で生活する

ユリたちと知り合う。裏街道を生きている彼らだったがエイコには親切でどことなく安らぎをおぼえるのだった。

だが彼らもまたすべて広島で原爆を体験していて、トモコには顔に大きなケロイドがあり、他のみんなも死と

隣り合わせの毎日を送っていたのである。彼らはみな広島に原爆を落とし両親を殺し人生をめちゃくちゃにした

アメリカを憎んでいたのだ。ある日赤馬を訪れたアメリカ人はマスターによって店の外へ叩き出される・・・

「はだしのゲン」とくらべると地味な作品だが、深刻な後遺症や差別で悩む被爆者の苦悩が生々しく描かれて

いて、かえって原爆の恐ろしさが伝わってくる。作品の時代は1970年中頃だが市民の反米感情の強さには


驚いた。オバマ訪問を歓迎する最近の広島では考えられないことだ。西城秀樹がジュンジの声の役で

出ているが広島出身の西城の広島弁は板についている。他に島村佳江も声優として出演している。

音楽はあの喜太郎が担当していてかなり暗い。原作とアニメは内容もかなり異なっているが興味がある方は

一度原作をあたってほしい。マスターが最後の方で我々のような体験者がいなくなれば再び核戦争が起きる

と言っているがこれは原作者中沢の心の叫びである。


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posted by ハヤテ at 14:25| アニメ
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