2018年01月08日
藤井聡太四段の強さの原点に迫る!! モンテッソーリ教育を徹底解析!!
とっちゃんです!!
前回、モンテッソーリメソッドは、教育者マリア・モンテッソーリ(イタリア初の女性医師)によって「子どもの観察」から考案された教育法であることはお伝えしてきました。
また、その教育法の正しさは、現代の大脳生理学、心理学、教育学などの面からも証明されています。
今回は、藤井聡太四段の強さの原点とともにモンテッソーリ教育を徹底解析してみました。
■モンテッソーリ教育の目的
結論から言ってしまえば、自立した子どもを育てるという点にあります。
モンテッソーリ教育の根本には、「子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。
大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」という考え方の上に成り立っています。
モンテッソーリ教育の目的はそれぞれの発達段階にある子どもを援助し、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学びつづける姿勢を持った人間に育てる」というものです。
■モンテッソーリ教育の特徴
これも結論から言ってしまえば、子供の発達段階に応じて環境整備を整えていくというものです。
モンテッソーリは、子供を観察するうちに、月齢や年齢ごとに子供達の興味の対象が次々と移り変わる点に着目しました。
この最適な時期を「敏感期」と名付けています。
いずれにしても子供達の「自由」の保証と、「敏感期」を育むことが、モンテッソーリ教育の大きな特徴となっています。
また、子供達が自発的な活動に好きなだけ取り組むことが尊重されるため、周囲の大人はこの知的好奇心が自発的に現れるように、発達段階に適した環境を整えることが大切です。
そのためには、子供が自分で自由に教具を選べる環境を作り、やってみたいと思わせる魅力的な教具を揃えます。
そして教師は「教える人」ではなく、子どもを観察し、自主活動を援助する役目を果たします。
なるほど少しづつ概要が分かってきましたね。
スポンサーリンク
そうすると、「敏感期」や「発達段階」とは何か、「環境」はどのようにして整えるのか、そして「教師や大人の具体的な役割」は何か、という疑問が出てきますね。
それぞれ整理していきましょう。
■まずは、上記の「敏感期」についてです。
子どもが今、何にこだわりを見せているのか。
何が気に入っているのか。
それをよく観察すると、この「敏感期」が見えてきます。
敏感期とは、子どもが何かに対して非常に強く反応する時期のこと。
わかりやすく言えば「何かにこだわりを見せる」時期のことです。
とはいえ、少しわかりにくいので、子どもの例で見てみましょう。
●「所有」にこだわる時期にいるだけ
児童館で遊ぶ2歳のタロウ君は、自分が使っているおもちゃを譲ることができません。
母親がいくら「お友達に貸してあげよう」と言っても、顔を真っ赤にして抵抗します。
公園では、大好きなブランコを独り占め。後ろには長い列ができてしまいました。
母親は心配しますよね。
「うちの子は欲張りで、思いやりがないのです。どうしたらいいのでしょうか?」
しかし、どうもこれは心配ない現象のようです。
何故かと言うと、タロウ君は敏感期の中でも『所有』にこだわる時期にいるだけなのです。
この敏感期にある子どもにとって、おもちゃは貸せなくて当たり前。
それは子どもの中で「所有」という概念が育ってきているところだからです。
独り占めという経験を経て初めて、子どもは「共有」ができるようになります。
その他にも
●「順序へのこだわり」→ 段取り力へ発展
●「習慣へのこだわり」→ 集中力を育てる
●「場所へのこだわり」→ 倫理観へ発展
●「運動へのこだわり」→ バランス感覚をつける
●「指先の運動へのこだわり」→ 器用な手先をつくる
などがあります。
藤井聡太四段の集中力のすごさが話題になっていますが、モンテッソーリ園で同じ工作をし続けた、という話を読んで、私は「なるほど」と納得しました。
こうした経験が、のちの集中力への素地へとつながったのだと理解できます。
好きなことをとことんできる環境が、家庭や園で用意されていたんでしょうね。
■発達段階に応じたモンテッソーリ5つの教育の内容とは
1.日常生活の練習と環境整備
モンテッソーリ教育の基礎になる課目で、「運動の教育」として位置づけられています。
2〜3歳の子どもは「模倣期」にあります。大人がする日常生活上の様々な動作の真似をしたがります。
また、この時期は「身体発達と運動の敏感期」とも呼ばれています。
具体的には、洗濯やアイロンがけなど日常生活の様々な練習を通し、依存から自立する心へと成長していく時期です。
この時の教具の特徴として挙げられる点は、子どもが扱いやすいような子供用サイズのものであること、子供が思わず手を出したくなるほど色彩や形が魅力的であるもの、そして清潔であることです。
この模倣期と運動の敏感期を利用して、秩序だった動き方、身のこなし方を覚え、自分のことが自分でできるようになります。
その結果、自立心、独立心が育っていく訳ですね。
2.感覚教育
これは知的活動の基礎となるため、モンテッソーリ教育の中でも特に重要視されています。
モンテッソーリは、子供は3歳から6歳の間に、視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚の五感が著しく発達する特別な時期があることに気付きました。
3歳ごろから、それまで無意識的に吸収してきたものを、意識的に整理しようとします。
「どうして?」という問いかけは、その現れです。
「あ、あのコップ、私のと同じ」と同じ絵柄に気づいたり、ばらばらになった貝殻の対を探したり、何かを大きい順に並べたり、形別に分けたりすることを好んで行います。
教具としては、大小10個の立方体を使った「ピンクタワー」や視覚を養う「円柱さし」、触覚を養う「触覚板」、聴覚で音の高低さを識別する「音感ベル」などがあります。
ここで大切なことは、自分のやりたい教具を友達が使っている場合に、待つことを覚えたり、あるいは教具の使い方に誤りがあれば自分で気付くように工夫されていて社会性やマナーを身に付けたりする事です。
3.算数教育
モンテッソーリの算数教育は、具体的に感覚で捉えることのできる「数量」から入っていきます。
具体物である「数量」とその数量を言い表す「数詞」、書き表すときに用いる「数字」の三者関係を重視しています。
「算数教育」では、特に具体物(算数棒、ビーズなど)で「銀行あそび」「切手あそび」「蛇あそび」などの教具を用い量を体感させることから始めていき、細かいステップを踏みながら、抽象へと移行します。
そして数量概念の基礎から十進法、加減乗除へと無理なく導いていく方法をとっています。
4.文化教育
ポイントは、日常生活の練習、感覚・言語・算数教育の基礎の上に立っていることです。
動植物、地理、地学、歴史、道徳(宗教)、音楽、体育、美術などが含まれ、教具には、「太陽系の惑星の模型」や「世界地図・日本地図パズル」、「動植物の絵カード」などがあります。
一見難しそうに感じられますが、それらを体系的に学ぶのではなく身近な事物に触れたり、観察したりして、文化を獲得する態度を養っていくというものです。
5.言語教育
日常生活の練習と感覚教育を基礎として、子供の興味や傾向に適したゲームや、言葉遊びが導入や展開に用いられています。
「話す」「書く」「読む」だけではなく、「文法」や「文章構成」も早い時期から学びます。
言語教育の教具には、枠に沿って線を書くなどの運筆練習をする「メタルインセッツ」、つるつるした台にザラザラの砂文字で平仮名、カタカナが1文字ずつ書かれており、指でなぞる「砂文字板」などがあります。
以上がモンテッソーリ教育の概要となりますが、カリキュラムを子供たちに押し付けるのではなく自主性を大切にしているところに特徴があると感じました。
あれー、結構長くなってしまいましたね(-_-
教師や大人の役割、そして家庭でもできる教育についてまで触れたかったのですが、あまり興味のない方にとっては退屈だったかもしれませんね。
でも、せっかくですからこの続きはやってみます。
最終的には、昨年スイスに行ってやっとの思いで買ってきた話題の「キュボロ」の話で完結したいというのが私のストーリーです。
この記事は、未婚の方から、ただ今子育て真っ最中の方、そして子育てを終えた方や孫がいるという世代の方まで、幅広い年代層の方が読まれていると思います。
しかし、この教育理論はどこかできっと役に立つものだと信じていますので次回も楽しみにお待ちください。
ハイ、では今日はここまでとします!!
<参考と引用文献>
モンテッソーリ教育総合研究所
モンテママのたからもの
東洋経済
スポンサーリンク
posted by 戸崎史朗 at 12:49
| 社会や経済そして生きる事