2017年10月07日
カマキリのメスがオスを食べてしまう理由とは⁈その驚くべき真相に迫ってみた(その2)
とっちゃんです!!
前回は、メスのカマキリが後尾後あるいは交尾中にオスを食べてしまう理由などについてレポートしてきました。
前回記事についてはこちら
では最後の疑問のオスを食べてしまうメスのメリットとオスの防衛策はあるのでしょうか?
前回も少し触れましたが、共食いについては科学者の間でも意見が分かれていたようでした。
しかし、「Proceedings of the Royal Society B」に発表された新たな研究では、交尾後にオスのパートナーを食べたメスのほうが、そうでないものよりも多くの卵を産むことを示しています。
しかも、ちゃんと食べられたオスは子供の役に立つというのです。
この研究の共同執筆者で、フロリダにあるニューヨーク州立大学の科学者であるWilliam Brownさんはこうまとめています。「つまり交尾のカニバリズムは、オスにとっては子孫を残すための投資というわけです。」
あー、投資と聞くだけでもやだね
別の言葉はないもんかね・・
オスを食べたメスと食べていないメスでは、食べたメスのほうが多くの卵を産み、またオスの体内のアミノ酸の多くがメスの体を通し卵にわたっているという研究結果があります。
また、オスは頭を食べられながらも交尾を続行することができるそうですし、頭、胸、上半身と食われ続けて、最後には生殖器のある尻の部分だけになってもなお数時間に及ぶ交尾を続けることができるとのことです。
ふーむ、とても真似できません・・
出典:aiaicamera.up,n.seesaa.net
しかし、男性の皆さん、朗報ですよ!!
カマキリのオスも常に食べられているわけではないのです!!
交尾の後とか最中ということも決まっているわけではありません。
実は、オスメス両方とも複数回交尾が可能なんです。
何故か?
オスは交尾後に捕食されるのが当たり前なら、何度も交尾できる能力は必要ありませんよね。
考えてみればその通りです・・
更に、交尾の際にオスが食べられてしまう確率というのは自然界ではむしろ低いのです
多くはカマキリの交尾の観察を、虫籠のような密閉空間で行ったことにあると考えられています。
なるほど・・
自然界であれば、オスは夜間に闇にまぎれて交尾を行い、速やかに離脱、というのが可能です。
ヤッタネ!!
しかし、閉鎖された環境ではそうはいきません。
たとえ無事に交尾が済んだとしても、その後餌と間違えられてメスに食べられてしまう、というのは力量差を考えれば当然の話ですね。
あの体格差ではいかんともし難いしな・・
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もともと悪食のカマキリは、餌が極めて少ない状況では共食いをしてしまいます。
これは雌雄の別なく、弱肉強食であるからです。
虫籠の中に数匹のカマキリを入れて餌をやらずに置けば、数日後には一匹だけになっている経験がある方もいると思います。
ふむふむ・・
こうした現象と、交尾の際のメスの捕食が混同され、メスは交尾の時に必ずオスを貪り食う、という誤解が広まったものと考えられるのです。
なるほど段々と核心の部分に触れてきました。
以上のように交尾後にメスがオスを捕食するという話が、事実とはいえ少しゆがんだ形で広まったのはなぜでしょうか。
ファーブル昆虫記にその事例が紹介されていたということもありますが、いずれにしても、カマキリの場合、メスの暴力的なまでの強さと、オスの健気さを再確認する結論にならざるを得ないのです。
鹿児島叔父提供
そういえば鹿児島の家内の叔父が写真を送ってきたときにこのようなコメントが添えてありました。
「お互い、カマキリでなくてよかったね」と・・
そして叔父の撮った写真は自然界で起きたことですので貴重なショットとだいうことも今回初めてわかりました。
次回は更に内容がエスカレートしていき最後にオチが待っています。
ハイ、今日はここまで!!
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posted by 戸崎史朗 at 20:04
| 社会や経済そして生きる事