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『安全地帯V Friend』十二曲目、「想い出につつまれて」です。シングル「好きさ」のB面、いまでいうカップリングの曲になります。
B面だし、かるーく作った曲だったかなー、なんて思いながら聴きなおしてみましたが、これがどうしてどうして、「夢のつづき」を彷彿とさせる力作ではありませんか。
冒頭に、ジミ・ヘンドリクスかいって思うくらい変なコード、いやGなんですけど、不協和音なんじゃないのって思うくらいへんなGが使われていて、ギターの弾き語りではわたくしいきなりお手上げです。しょうがないのでGでゴマかします(笑)。
これも有名な話だとは思うのですが、玉置さんはコードとかあんまり知らないとおっしゃるんですね。ギターもどんどん変則チューニングしてしまって、次に弾くときに自分で押さえ方が分からなくなってしまい、自分でコピーする羽目になるそうなんです。どれくらい天才なんですか玉置さん……。
ほとんどのギター弾きがそうなんだと思うんですが、まずコードありきで、いくつかのコードの押さえ方を覚えて、コード譜を見ながらジャカジャカかき鳴らしているうちに大体のコードを押さえられるようになり、おれってギター弾けるなあ、と思ったあたりで、車の教習でいう第一段階になります。まだまだ先は長いわけです。
そのうち流れている曲を聴いて、ああ、この曲はこのパターンだなあ、とコード譜なしでだいたい追って弾けるようになったあたりで第二段階なんですが、これだってコードとコード進行の知識や慣れをもとにしているわけで、コードありきには違いないのです。
ところが玉置さんはこの手のことを、どうも全てすっ飛ばし、いきなり「こういうふうに押さえたらギターはこういう音で鳴る」ということを体で覚えてしまったようなのです。これは英語の文法事項はさっぱり知らないのにパーフェクトな英語を話せて書けてしまう、に近いものがありますね。ああこれは過去完了だとかこれは仮定法だとかいちいち思い出しながら話したり書いたりしている人とは次元が違うのです。
やや、曲の解説もせずに、冒頭の変なコードだけにこだわりすぎてしまいました。まだぜんぜん曲は進んでいません。
冒頭からいきなりサビ……いや、この曲、大きく二部に分けられるんですが(間奏はそのうち一部とほぼ同じです)、どっちがサビとか、そんな歌謡曲的な分解や格付けを拒む曲のように思われます。曲作りの段階から、じゃあAメロから作ろうか、次はこういうBメロで、サビはこんな感じかな?みたいな、曲の構成ありきでそれにあてはめて曲を作るような、そんな曲作りをしていないんじゃないでしょうか。それはギターのコードなりコード進行なりを先に覚えなかった玉置さんの天衣無縫さとおそるべき才能の高さを示すことでもあります。
そんな話ばかりだと一向に曲が先に進まないので(笑)、じゃあ冒頭のメロディーをAパート、展開後のメロディーをBパートと便宜上呼ぶことにして、Aパートですが……
最初だけジャーン!とドラム・ベースがなり、しばらくはギターの伴奏……これも贅沢なツインギターによるものと思われますが……これも、聴けば聴くほどあの二人が弾いているギターじゃないのか?と思えてきただけで、当初はシンセだと思っていた音色です。ただ、和音がギターのそれに聴こえますし、クリーントーンの達人たる矢萩さん・武沢さんなら、これくらいのことはやりかねない!とわたくし常日頃から思っておりますもので、ギターにしか聞こえなくなってきたんですが、こういう伴奏がほしいときはシンセを第一に考えるでしょうし、シンセで済ますでしょう……安全地帯はギター・バンドなんだ!ということを、こういう曲でこそ感じられるようになってきました。『リメンバー・トゥ・リメンバー』の頃の、バリバリエレキで喜んでいた当ブログも、思えば遠くに来たものです(笑)。
そして繰り返しの冒頭から、田中さん六土さんが本格参入します。タメてタメて……落合の流し打ちのような老獪さで曲を展開させます。さらに重ねられる、ストリングスの音と、そして鳥の鳴き声のようなホーンの音、さすがにこれはギターではないでしょう(笑)によって、曲は一気にゴージャスになります。そのまま、曲は短いBパートに突入します。キーはGですから、展開後、C→D→Gのスリーコードを基本とするのがわたくしのような凡人ですが(笑)、玉置さんはCmをいきなり使います。これが、「こんなに好きでいたと」の箇所で感じる「うお!大きく展開したな!」感の正体でしょう。だいたいのコード進行はC→D→Gに沿っていますから、おおむねセオリー通りなんですけど、それは玉置さんが狙ってそうしたものではないわけです。
それにしてもこのBパート、玉置さんのファルセットによる高音ボーカルの、何と美しいことか!そこで歌われる歌詞の、なんとせつないことか!口笛によって奏でられる間奏をはさんで、このBパートは繰り返されます。季節が変わり人の心もうつろいゆくのは古今東西きっと同じなのですが、その理に身を委ねることにためらいを覚えるという歌詞も、古くから洋の東西を問わずにあったものです。しかし、このときの玉置さんにこれを歌わせるという選択は、松井さんの超ファインプレーといえるでしょう。陳腐さや使い古された感の皆無な、信じられないほどのリアリティの高さがそこにはあります。
シングル「好きさ」は「Friend」のわずか二か月後にリリースされ、安全地帯の物語が早くも第二章に入ったことを印象付けるのだったといえるでしょう。そこにこのカップリング「想い出につつまれて」は、「好きさ」の「動」に対して「静」の役割を負わされたものです。そしてアルバム『安全地帯V Friend』においては、「Friend」で終わった第一章を、第二章へと誘う静かな導入の任を与えられていたように思えるのです。
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嫌いじゃないですが、あーゆー生き方は
無理かなあ。
明日死ぬでぇ、と仮定して、
死ぬ前にこの人に優しくしよう、と思えるか、
この人の手から逃げて一人でと思うか、だけ
なんですよね。
イメージしやすいです。
人間死ぬときは一人ですが、あー死んじゃう死んじゃうーいま死んだー!とわかるわけではないですから、わたくしもう少し足掻いてみたいと思います。大河ドラマになるくらいの人生を送るぜ!とかは全然思いませんけども。
長く一緒にいて、それに慣れて、
お互いを粗末に扱うようになったら
駄目ですね。
後は、なりふり構わず自分を傷付けない
方向に逃げるが勝ち。
そしてヤドカリモードに突入です。
人間、死ぬときはどーあがいても一人なんで、
それでいいかなあ〜。
槇原は、もう恋なんてしないなんて言わない、の
二重否定で 、次行くぜ〜、って宣言してて
前向きで好きですけど。
長い人生と言われていても、何度も恋なんてそんなに
できません、と、思います。
何度もできる人は、あれは一種の特殊技能じゃないかなあ。
Friend と 行かないで で当分お腹いっぱい。笑
大人になってからこの曲にめぐり逢った方のことも、羨ましいですよ!わたくし中学生でしたから、この凄さは正直わかりませんでした。今だってわかってないかもしれません。大人になってから出逢ったという意味では、「明かりの灯るところへ」がそれに近い感じだったかもしれませんが、世間的には「行かないで」ほどインパクトがなかったようで、あまり同志がいません(笑)。
わたくし、もう恋なんてしない(槇原)お年頃ですが、新しい恋が過去を忘れさせることはあるだろうと思います。少なくとも忘れたことにするのが精神衛生上よろしいでしょう。ですから、わたしはめったに帰郷しません(笑)。
安全地帯の長くのファンの方々は、色々な歴史を
ご覧になってきたのだなあ、って。
行かないで は、本当にインパクト強すぎで。
Youtubeで聴いたとき、聞いたときあまりの凄さに
度肝を抜かれました。
生で聴いたときは、身動きが出来ないくらい。
ほんと、すごすぎました。
そこから一挙に安全地帯づけになってしまったのですが。 笑
まるで麻薬です。
想い出につつまれて
この曲、曲調がしっとりしていて優しくて
良いですね。
歌えないリストですけど。
歌詞が、前の曲で、別れた後 から、次の恋にであえたのかな?という予感を感じるし、
前向きなのはいいなあ〜、ってジワジワきます。
泣けます。
辛い恋を、本当に古い傷跡にするには、
新しい想い出を自分でつくるのが
一番ですよね。
そんな神業を次々と繰り出す天才のバラードで、極上の眠りをどうぞ!(笑)
坂本九ちゃんのために歌う「星空におちた涙」はもちろん存じております。わたくし「坂本九に捧ぐ」というクレジットをみたとき、とても意外に思ったことを覚えています。安全地帯と坂本九ちゃん、なんだか違いすぎるような気がしたのです。その後あの映像を見て、ほんとに九ちゃんのことが好きだったんだなあ、と、あの歌の真価にはじめて触れた感触がありました。あれはほんとうに素敵なシーンですね。
こればっかりは、ずっとじっくり安全地帯と向き合っていた人でないと分からない事ですよね。そんな時期があったとは知りませんでした。
あの頃の安全地帯のことはあまり細かく覚えてはいないのですが、ひとつだけとても印象に残ったシーンがあります。
たしか、歌番組の生放送で、スタジオではなく何処かの会場でお客さんもたくさん入っていました。『悲しみにさようなら』を歌ったのですが、玉置さんが大きな赤いバラの花束を抱えて歌っていました。誰かからその場で渡されたのではなく、多分玉置さん本人が最初から持っていたのだと思います。その花束を抱えた佇まいがとても粋に見えて感動したのを覚えています。ライブの映像にも故坂本九さんのご家族から贈られた花束を持って歌うシーンがありますよね。優しさが滲み出てて素敵なシーンだなって思いました。
随分横道にそれてしまい、すみません。
涙もろくなりますよね……わたくし音楽で泣くことはあまりないのですが、それでもたまには安全地帯で泣きたくなります。不思議ですね。お互い、よい音楽の旅をしましょう!
年を重ねると涙もろくなりますよね。元々、子供産んでから、変なところで涙のスイッチが入ってしまうようになって、今はまた一段階進んだような気がします。(笑)
トバさんが考える『玉置さんの意図』とはなんでしょう?
てっとり早く教えてもらいたい気もしますが、そういうことをあれこれ考えるのは楽しいですよね♪ 時間が掛かるかもですが、じっくり聴いて考えてみます。
いつもありがとうございます。
「行かないで」に偶然出会ってしまったのですね。それはそれは、さぞショックだったことと思います。でもなんだかうらやましいです。そういう出会いがあるから、音楽を聴くことはやめられないですよね。
感動モノにふれることに躊躇してしまう気持ち、わたくしも少しわかるような気がいたします。なんだか涙もろくなってしまって……うっかり『ライフ イズ ビューティフル』とか観ないように注意しないといけません(笑)。せっかく安定してたのに!ああ、でもやめられない、こんな矛盾を楽しみつつ生きていきたいものですね。
その作品がいいと分かっていても戸惑ってしまうのです。玉置さんの歌も、どちらかというとその部類なんです。
あまりに心揺さぶられるのが怖い、でも聴きたい。
矛盾したこと言ってますけど(笑)。
『行かないで』は随分以前の曲ですが、全然知らなくて一年ほど前に、これまたいきなりYouTubeで聴いたわけです。もうそのショックたるや…!
不思議なんですが、観たいのに、聴きたいのに、躊躇して手が出せなくて逡巡してる時に限って、それが目の前にポンと出される時があるんです。偶然なのかなんなのか分かりませんが…
トバさんのこのサイトも私の中ではそれに近いかな。でも見つけたの自分なんですけどね(笑)
あー、天才と一緒に仕事するという経験は、苦くも甘いものでしょう……体験してみたいような遠慮したいような(笑)。少なくとも、星さんとか金子みたいな人がリーダーで、みんなの心の支えになってくれるような状態でないとキツいでしょうね。なんせ天才だけに、毎日が産みの苦しみでしょうから。
あまりにも美しくて悲しくて、思わず落涙しました。
ファルセットであれほど声をコントロールできるのは、トバさんが仰るように実に見事で惚れ惚れします。ずっとずっと聴いていたい、クセになる声です。毎日聴かずにいられない。
「天才」とは一緒に仕事するより、やっぱり遠くで見ていた方がいいような気がします(笑)。
きっと楽しいでしょうが、振り回される感がハンパじゃないような(笑)。
トバさんなら玉置さんといい仕事しそうな感じします!
本当の玉置さんと一緒に仕事してみたいですね。須藤さんみたいに。きっと、ものすごい楽しくて、ものすごい苦労なのだと思いますけど(笑)。ご上司は例によってあずかり知らぬことですが、pukupukuさんが苦労してみてもいいかな、と思えるのでしたら、まあいいかあ、ですよね。
ファルセットの高音が美しく、優しくて、切ない。
切ない詩だけど、哀しいだけじゃない何かを感じさせてくれる曲ですね。
第二章が楽しみです。
玉置さん似の上司の容赦ない仕事の振り方で、ゆっくり聴く時間もない…。
腹が立ったら、本物の玉置さんだと思うことにしよう♪(笑)