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『安全地帯V Friend』十三曲目、すなわちラストの曲、「記憶の森」です。
この流麗で美しいピアノをアレンジなさったのはトシヤ・タケザワさん、すなわち武沢豊さんのお兄さんの俊也さんだ、とのクレジットがあります。
メジャーデビューなさる前に、ツインギターでキメまくっていた武沢兄弟の兄、そしてこんな美しいピアノフレーズをお作りになる音楽人、武沢俊也さん、いったいどんな人物なんだ!そしてなぜ安全地帯を離れたのか!謎だ!伝説上の人物だ……このまま詳細を知らず伝説のままにしておくほうが神秘性があってよかろう……なんて思うんですが、ご本人はブログを開設されていたりして、勝手に伝説にしてすみませんでしたああああ!という気分になります。
聖飢魔II創始者のダミアン浜田陛下もわたくしにとってそのような人物でしたが、ご本人がビデオメッセージをDVDに載せたり、「サタン・オールスターズ」で共演したり、はてまたTwitterをおやりになったりと、わりと積極的に魔界からお顔をお出しになるものですから(多分にネタ的ですが)、もうそんな「伝説のメンバー」なんて言って楽しもうとすること自体がナンセンスなのかもしれないですね。勝手にわたくしが楽しがってるだけですし。リンゴ・スターの前任者のドラマーのことも、インターネットを駆使して調べればある程度のことが自宅に居ながらにしてわかってしまうことでしょう。意地でも調べませんが(笑)。
さてこの曲、「タタタタ」「(タタタ)(タタタ)」と、一小節の前半が八分音符×4、後半が八分三連×2のパターンでピアノの高音部が奏でられます。たったこれだけのことなんですが、なんと美しいのでしょう!もっと聴いていたいと思うのですが、たったの四小節で玉置さんが歌い始めてしまいます。ええー、ここはもう一回繰り返しで八小節でしょう?とか思うんですが、その歌がまた美しいため、違和感を表明する間もなく引き込まれてしまいます。
そしてそのままたっぷり16小節も聴かせて、曲は展開します。これまでアルペジオ主体だったピアノがコードストローク主体に切り替わります。おおー、ダイナミック!これまでの儚げなピアノが力強い響きへと変わりますので、大きく曲が展開した!感が大きいです。玉置さんの歌も「ゆめ」「まよ」と、二連発で弱起しますので、リズムが大きく変わった!感が強く感じられます。洋楽ですと、aとかtheとかの冠詞やら接頭辞やらがありますから、イチイチ弱起とか言わなくても弱起ばっかりになりがちなのですが、安全地帯の曲は日本語であるにもかかわらずこのように卓越した松井さんの作詞と、天下一品の歌い手である玉置さんの歌唱とが、見事に日本語ロックの壁をあっさり超えます。あっさりすぎて、本人たちは超えているという自覚すらないでしょう。この曲のこの部分は、それがよくわかる(わたくしがそれを思い出させられた、というのに過ぎませんが)箇所になっています。
曲はまたアルペジオ主体の箇所を繰り返します。そして、あのコードストローク主体の箇所もこのまま繰り返すかと思いきや、大音量のストリングスを従えて、曲は別の展開を見せます。これまでEmを中心にしたコード展開だったものが、Gを中心としたものに切り替わります。うおー!大展開!いや、ありがちといえばありがちな構築法なんですが、曲・アレンジのシリアスさと玉置さんの歌が陳腐さなどみじんも感じさせない迫力をかもし出しているので、聴くほうはただただ圧倒されるしかありません。ユベントスとかACミランがふつうにパスを回しているだけなのに蹴散らされ、なすすべもなく次々とゴールを決められてゆく弱小チームのような気分になります(笑)。
静寂な森を思わせる曲、アレンジ、そして歌詞……歌詞が示唆するのはもちろん「記憶の」森ですから、実際の森林を歌った曲ではないのは間違いないのですが、実際の森林に似合う曲であることもまた、間違いありません。もしこの曲がカラオケにあれば、ロケ地はきっと森林になることでしょう。深い霧が立ち込め、一本一本の木がよく見えないように、「記憶の森」のなかでも、かつての記憶がよく思い出せないわけです。ああ、黒沢監督並みに霧を待って、ロケ隊一週間待機、とかしないと撮れませんね(笑)。
これまでの恋物語は、この記憶の森を通過することによって、いわば「新しい世界・物語」へと章を進めるのです。「わかりはじめた」あなたを伴い、前世界のことは「やさしい声だけ」を胸に秘めるにとどめ、いざ新しい世界へ!実際は何もかも記憶に生々しく残っているにしても、それは忘れたことにするのがマナーってもんでしょうし、第一自分にケジメをつけた気分になれません。年をとると「別にそんなに肩ひじ張らなくてもいいんじゃない?過去が消せるわけじゃないし」とか、いささか無粋なことを考えてしまうのですが(笑)。
まだ若々しいふたりが新しい物語を始めるために、きっと思い切って飛び込んだ「記憶の森」で、この怒涛の三部作はその一部を終えます。次回からは『安全地帯V 好きさ』のご紹介にコマを進めたいと思います。
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「リターン・トゥ・フォーエバー」……いわれてみれば入りが似ているかもしれません。まだまだ安全地帯このときデビュー数年ですし、俊也さんと一緒にやっていたときもそう前のことではなかったのですから、そういうことも起こるでしょうね。
100kmってそれ大変ですね。わたくしも通勤で往復120q乗ってた時がありますけど(バイク)、通勤と違ってあちこちストップアンドゴー、荷物の上げ下ろしとかあるともう記憶が朦朧とするくらい大変だと思います。そんなときにラジオから「記憶の森」ですか。それはもう車を止めて当然です(笑)。沁みそうですねえ。
関係のない話しはさておき、この記憶の森。
私が配送ドライバーをかれこれ1日100キロメートル以上走ってた時期に、この曲が誰が出ていたラジオだったかは全く記憶の森に眠ってしまったのですが、そのゲストのメインの方が記憶の森をいきなりリクエストをしてフルサイズでかかってました。車の中で仕事をしているときに想定外の事が起きるとエピソード記憶として心に残るんですね!ちなみに車を駐めて聴いた場所は確かS市でした。
イントロのピアノ、てんてんてんてん、ててててんてん、のところの音の譜割が、少しだけ、ファーストのリターントゥーフォーエバーに(笑)似てませんか?いきなり「ううわーん!!」と、思い切り始まる感じ。
リターントゥーフォーエバーと記憶の森では空気や匂いは全く違いますが、何処かの広い記憶の森のような場所での撮影で、メンバー五人が遠くから徐々に中心に向かって歩いてるのが、収録されている三枚組アルバムのジャケット写真だったり、色々なことをこじつけるのも後から楽しいです。今日の雨は三枚組をまた聴こうと思います。ありがとうございます。
でみさん、全然羨ましく思うことなんか無いですよーー!
顔や姿が多少似てるって言っても、中身は全然違いますからね…。上司なんですが私より随分若くて、「どんな躾されたんや!親の顔が見たいわ」って思う事もしょっちゅうです。きっと今まで女性達に甘やかされて来たのでしょう、めっちゃ自己中で直属の女性陣は皆一日に何回もブチ切れそうになります。(私、本気でブチ切れたの2回あります)
中身が島耕作みたいなら、どんなに良かったか・・・。けど、腕はいいのでしょう(技術職です)不思議に仕事が来ます(笑)。 まあ、安全地帯に嵌るキッカケを作ってくれた事だけは感謝しています。
でみさんの曲のイメージポートレートは、とても新鮮で「なるほど!」と、参考にさせてもらっています。
ステキな夢なのに覚えてない、だけど気分がいい、というのはわかる気がいたします。安全地帯の歌は、この頃から明確な映像ではなくイメージだけを表現するような手法を取り入れているような気がいたします。だからこそ、覚えていない夢に近い印象がある……わかったようなクチをきいてすみませーん!
最後が衝撃的でした。
私、この曲聞いたとき、頭に攻殻機動隊の草薙小佐が
浮かびました。
彼女が、夜に海に沈んでいて水中から水面を眺める。
一シーンです。
自分の経験で言えば、
なんだかとても懐かしくて素敵な気持ちがする夢を
見てて、あぁもうすぐ目が覚める、って時ですかね。
生理的に涙が出てたりします。
起きるともう夢は形を失っていて何だったかわからない、でも、いい夢見たよなあ、て気持ちだけ覚えていて、
その日いちにち気分が良い。
玉置さん似の上司、羨ましいなあ。
一身上の都合から昨年仕事は辞めましたが、
そんな男前の上司には一度も巡り会えませんでした…。
仕事に張り合いでそう……。
そういう産みの苦しみやバンドの崩壊をも内包したアルバムだったのですね。
実力を認められ、売れて、次の段階に進むとき…
でも夢を叶えて、そこまで来るのに一体どれほどの事を犠牲にしたのだろうと思うと、さらにその先の苦しみから生まれたアルバム。
必ず聴きます。
世の常として、こういうときにバンドは壊れます。もちろん世の大半のバンドはここまで来られずに壊れるのですが……安全地帯は一流バンドだからこそここまで辿り着き、壊れました。バンド崩壊の予感をはらみつつ、それでも結束に向かう大きな力が抵抗し、信じがたい緊張感が生まれます。
もちろんすべてわたくしの妄想なんですが……『幸せになるために生まれてきたんだから』等を手がかりに考えると、玉置さんの陥った不安は相当なものだったと思われるのです。その不安を松井さんは容赦なく言葉に直します。メンバーは見事なアレンジと演奏で表現します。これはもう……こわれるしかない、だったのでしょう。
ああ、やっぱりLINEはあんまりお好きでなかったのですね。なんだか仲間がいたようで安心しました(笑)。
『太陽』を聴いてみたら、聞き覚えがありました。調べてみるとCMに使われた曲だったのですね。玉置さんがアカペラで歌っていた…
安全地帯が模索していた時代の歌…
危機迫るかのような曲調でそれまでの曲調と随分違いますね。こんな感じは初めてなのでしょうか?
リアルタイムで聴いておられたタトバさんは『胸が痛くなる』と仰った…
そこには何があったのでしょう?
時系列に沿って聴いていけば分かるのかも知れませんが、まだそこまでたどり着いていません。
小さな会社ですので、情報を共有するためのLINEなんです。私も避けていたのですが、仕方なく(笑)。まあ、便利な面もありますが…
ご子息、随分サッカー好きなんですね。しかもセリエA好きとは、実に通です!最近はあまり欧州や世界で勝ち抜けないようですが、イタリアサッカーには他にない魅力があるように思います。
安全地帯に寄り添いすべてを見てきた……うーん、何だかすごいことをしてきたような気が一瞬だけしますが、実際には、油断すると十年くらい活動をしないバンドなので、可能な限りリアルタイムで楽しむようにしてきただけのような気もします。当時はネットなんてなかったですし、最近初めて知ったこともかなりあります。ですから、実はいつだって後おいなんですよね。
ははあ、会社のLINEなんてものがあるのですね。それはそれは、さぞ盛り上がったことと思います。わたくし、職場のウワサはなるべく遮断して生きることを選択しておりますもので、可能な限りLINEは利用しないように努めているもので、そういう情報に触れてみたいような触れてみたくないような不思議な気持ちです(笑)。ただ、不義理をしたくはないので、イチ抜けたしたいようなしたくないような、というお気持ち、わかるような気がいたします。なんにせよ、お疲れ様でした。よい週末をお過ごしください。
アイドルが幼稚園児!それはいい得て妙!紅白で観た女の子の集団、何かに似てると思ったら、お遊戯ですね、幼稚園の。あっはっは。
基本、残業はしたくないですが、(技術者は当然ですが)補助のオペレーターは皆主婦なので、誰かが『一抜けた!』すると他の人に迷惑がかかるので、それはしたくないのです。
でも今回はいつもと若干違ったので(笑)、週明けから様々な妄想LINEが飛び交い、面白かったですよ。
あの映画は安全地帯のそういう時期に主演された映画だったのですね。
私は現在から過去の安全地帯と玉置さんを見ているので、時系列の出来事を全て知らないのもあって、曲とうまく繋がらない。
安全地帯の動画とかを観てても逆再生というか、まるで映画の『メメント』を観てるような感覚に陥るのです。
トバさんのように、安全地帯にずっと寄り添って、全てを見てきた人が羨ましいです。
息子の影響でWOWOWのサッカー中継を観てましたのでよく分かりますよー!
ミランのオーナーが大統領になるなんて!(笑)
昔の歌番組の動画を観てると、安全地帯の完成度の高さに驚きますもん! それ故にアイドル歌手が幼稚園児に見えてしまう。
当時は思わなかったのですがね‥‥
この曲は美しいですよね……かなり初期のころから気に入って聴いていました。あの頃はただいい曲いだなーでしたけど、なんでこんなに気に入って聴いていたんだろう?と考えてみると、リズムとか展開とか歌詞とかの要素が複合的に作用しあって云々、というのがこの記事なんです。それを言ったら本ブログの記事は本来全部そうなんですけども。
サッカーの話を分かっていただけて嬉しいです!わたしそんなには詳しくないんですけども。90年代〜00年代の、あの頃のイメージのままです。ユベントスとか。安全地帯の凄さって、サッカーでいうと、蹴ったり止めたりといった基本技術がきちんとできる選手たちが当たり前に揃っていて(Jリーグあたりだと、これもあやしいです)、さらに華麗な連携プレーの連続を当たり前にできてしまうチームワークなんですね、あの頃の、セリエAの強豪チームみたいに。夢のようなことが目の前で起こっている!それが安全地帯のコンサートみたいだなー、と思うわけです。
ピアノのメロディ、なんて美しいのでしょう。儚げな前半からは想像出来ないような壮大な感じの後半なんですね。もっと聴いていたいのに唐突に終わる。
短い曲なのに、心を鷲掴みされた感じです。
ユベントスとミランの例えが秀逸過ぎて…まさにその通りですね。