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『安全地帯V Friend』十一曲目、「約束」です。
「Friend」後の、やや攻めすぎな感のある曲三連発とうって変わって、聴きやすいことこのうえないギターポップになっています。
ああ、ホーンの音が目立ちますんで、ブラスロックとかいったほうが世間のジャンル分けに近くなるとは思うんですが、当ブログ的には安全地帯の曲は九割がたギターロック、ギターポップということになります(笑)。この曲でも、武沢さんのものと思われるクリーントーンばっかり聴こえてしまうのだから、半ば病気かもしれません。すこし注意して聴けば、サビの箇所における、矢萩さんのものと思われるアルペジオや刻みも聴こえてきますし、それが効果的に鳴らされていることにも気づきます。これがまた抑制の効いた素晴らしい音で……とか、いつもの話になるのでこの辺にしておいて(笑)。
イントロとAメロBメロは、六土さんのベースがホーンとリズムを合わせ(逆か?)、田中さんがリムの音(カツ!カツ!という音)で全体のリズムを取りバスドラで六土さんのベースにおおむね歩調を合わせる、というリズム隊の基盤に乗せ、武沢さんがシャリシャリシャリーン!シャリシャリシャリーン!とクリーントーンで思う存分リズムギターを響かせる、そしてアオリはシンセとホーンに任せるという作戦ですね。この三人が奏でる軽やかなリズムの、なんと心地よいことか!
そしてサビでは、田中さんはこれまで我慢してたかのようにスネアをバシ!バシ!と叩きながらも、これまでのリムの音もコンビネーションに組み込んでリズムを豊かなものにします。そしてここが肝心なのですが、ハイハットをシャンシャン派手に鳴らします。しかしけっして目立つほどの音量では収録されていないという……これは実に渋いです。田中さんはきっと、ドラマーなら誰でも簡単に思いつくフレーズだけど……とか呆れ顔で言いそうですけど、わたくしのような勢いばっかりのロック馬鹿は、その細かい配慮が当たり前に行き届いた職人技にしびれるわけです。
さらにサビでは、そう、矢萩さんのものと思われるギターが、甘い音色で刻みと単音リフで玉置さんの歌に対するオブリガート兼アオリ的な役割を果たします。これがまた効いています。「トゥクトゥクトゥクトゥク……ウィウォーーン!」と、擬音で書くと滑稽になりかねませんが、こうとしか書きようのないこのフレーズ、ぜひ耳を澄ませて浸ってください!なんとカッコいいんでしょう。わたくし、自分のオリジナル曲でずいぶんマネしたものです。あ、それはパクったというのか(笑)。
さて、歌詞と歌ですが……
曲調はこんなにも爽やかなのが、なんと切ないことか!これは、失われた恋にとらわれ続けている心情を歌ったものです。なんでまた、こんな時期に!ああ、もちろんわざとなのでしょう(笑)。玉置さん、何もご自分の失恋をネタになさることはないでしょう、聴いているこちらは胸が詰まってしまうじゃないですか。ああ、もちろんそれを求めて聴いてるんですけども(笑)……とまあ、なんとも、玉置浩二という歌手がいかなる生き様を見せているかを、まざまざと見せつける曲であるといえるでしょう。
80年代中盤にはすでに、太田祐美さんがほんとうに木綿のハンカチーフをくださいと、故郷を離れた恋人に言ったとは誰も思えないような時代になってきていました。歌の世界は完全に作り事なんだということを中学生ですら理解してきたのです。そのご時勢で、玉置浩二は本当に自分のことを歌っているんだ!と大の大人にさえ思わせたこの迫力たるや、そんじょそこらの歌手にできることではありません。中森明菜さんが「難破船」を歌ったのがそれに近い迫力を感じさせましたけど、同時にあれは加藤登紀子さんの曲だということもみんな理解してましたから中森明菜さんの恋愛沙汰に関するリアリティはあんまり感じませんでしたし、いっぽう加藤登紀子さんの「難破船」はどう見てもマジでしたから(笑)、ロマンチックを通り越して恐怖に似た感覚さえあったものです。安全地帯の楽曲は、圧倒的な技量を駆使して、まさに絶妙のさじ加減で、ちょっと痛いくらいのロマンチックな恋物語を私たちに与えてくれたといえるでしょう。
歌詞中に織り込まれた、去った恋人あての手紙が届くとか戻ってくるとかのパターンはのちの「ひとりぼっちの虹」でも使われたものですね。恋と生活とが密接に関連したものであることを、恋愛のさなかにある人にふと思い出させる効果を抜群に発揮しています。そうなんです。恋はなんだか、二人だけのプラネタリウムみたいに非現時的な時間を私たちに与えてくれますが、実は、それは全部社会とか生活とかの一シーンの連続であって、間違いなく現実の出来事であるわけです。「ふたりの消息」を知らない差出人にとって、ふたりが別れたことなど、あずかりしらないことですので、あっさりと手紙を投函するでしょう。郵便局にとっては、それがだれそれの恋人あての手紙であるのか、税金督促状であるのかはまったくもってどうでもいいことですので、恋人に去られて傷心のさなかにある人にも、あっさりと手紙を配達してくれます。失恋の二次被害とでも呼ぶべきこれらの出来事は、じわじわと効くんです。
あなたと一緒に「夢」みたものを一人になってもまだ追いかけていて、まだ終わったと認めたくないけど終わってしまった「夏」を思い出し、そしてあなたと暮らしてきた生活の痕跡に囲まれて暮らす……ああ、恐ろしい(笑)。
つい先日、玉置さんがNHKのSONGSに出ていまして、どんなにつらいことがあっても、歌をやめたいと思っても、自分は「これも歌にしよう」とする歌手なんだ、といった旨のことをお話になってました。それで、わたくしの中でこの「約束」のリアリティがまた少し上がってしまいました(笑)。30年もたっているのに!しかもぜんぜん別のことを話していたのに!どうなっているんですか玉置さん!(完全に筋違いな賞賛)
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あっ、痛いというのは、はずしてるとかヤバいとか
じゃなくて、暴力流血シーンがかなり厳しい映画の
痛い、ですので、
そういうのを冷静に見ることができるなら。
私はちょっと見ていてクラクラしました。
監督さんが、塚本晋也さんという前衛系の方なので、
まあ、残酷シーン以外は、美しい映画であり、
Coccoさんの魅力満載だと思います。
あのころ、痛い歌手が何人か出ては消えましたが、ホンモノはCoccoさんだけだなー、と思ったことを覚えています。なんと傲慢な感想でしょう(笑)。
かなり痛い感じの映画ですが、Coccoさんが好きなら
行けると思います。
不思議なイメージの塊っぽくてオススメです。
映画のKOTOKOは、彼女のイメージビデオに近い映画ですが、彼女の儚い壊れそうで途切れそうな、でも細い最後の一本の糸が、絶対切れないグラスファイバーだよ、みたいなところが好きです。
玉置さんも、神経太そうに見えても実は脆そうなので
ちょっと似たタイプの芸術家かもですね。
この曲の寂しさは、元恋人を待ち続ける寂しさですよね。Coccoさんの「強く儚いものたち」とは逆バージョンですが、同種の、何かがあります。
すごい。
オリジナルじゃない曲をアップしてください〜。
で、
この曲…。
なんだろう、曲調は明るめなのに、
歌詞は切ないですね。
別れたのにまだあなたを思って
ここにいるよ。
とてもロマンチストな男性だなあ、と、
羨ましくなりました。
でもきっと別れた彼女は新しい世界を見ちゃってるのだろうなあ、と、想像してしまう……。
台風は大変な規模でしたね。まだまだ北の方は油断ができません。無事を祈ります。
できれば決めて、購入するつもりでしたが、メーカーも種類も多すぎて、決める事が出来ませんでした。
AKG、20万以上の物からリーズナブルなものまで色々ありました!その一番高価なのを試聴してみると・・・
私が今まで聴いていたのとは別世界の音でした(笑)。こんなにも違うのですね!
頭と耳のフィット感が楽だったのは国産メーカーの物でした。
ほぼ全部のメーカーのを試聴して、ウロウロしていたら時間が迫って来て、飲み会に向かいました〜。
一応、目星をつけて、カタログも貰って来たので、ネットで注文するかもです♪
実際に手に取ってみて試聴したこと、選ぶのにとても参考になり良かったです!
ありがとうございます!!
スタジオだと大きいアンプがありますし、なによりドラムがあって思い切り叩けますからね。スタジオのほうがやりやすいのは確かです。いまやるとしたら、ドラムだけスタジオに録音しに行って(それでもまる一晩とか借りますけど)、ほかは家で工夫して録音する、とかですね。いいものができるかは……作り手によるでしょう。わたくしだとお察しです(笑)。
以前、ネットでヘッドホンを物色していたのですが、どれが良いのか全然分からなくてそのままでした。今回教えて頂いたことを参考に試聴に行ってみます。ありがとうございます!
ええーーっ、アップ、ヤなんですか〜? 残念です(笑)。
ネット化が進んで、音楽業界も大変なんですね。
今は自宅でレコーディング出来ちゃうとは! でもスタジオの方が環境が整っていて、良いものが出来そうです♪
わたくしの知る歌のうまい人って、とにかく耳がいいんですね。わたくしとかみたいに、だいたいこんなんでいいやーとか中途半端にコピーする人は、あんまりうまくなりません。このとき、うまい人の歌をコピーするのが肝心なことでして……玉置さんならバッチリすぎます。
コピーまでしなくとも、そうやって音のすべてを聴き取ろうとなさるのは、立派な音楽の楽しみ方だと思います。
ヘッドホンですねー、マイクが邪魔とおっしゃっていたので、それはもしや音楽用ではないのでは?と思っておりました。音楽用でなくともいい音で聴けるのもあるでしょうから、買い替えるのがベストというわけでもないんでしょうけど……試聴にお出かけになってみては?わたくし、はじめてAKGのヘッドホンで聴いた時の感動は、今でも忘れません。よいヘッドホンに出会えることを祈念いたします。
オリジナルのアップは、恥ずかしいのでヤです(笑)。
ちなみにレコーディングなんて、大したことじゃありません。現代なら自宅でもできちゃうようなことを、わざわざスタジオ借りてやってたんですから、大げさだったなあと思います。あ!こうして音楽業界の収入が減っていくんですね。そう考えると、もっとスタジオを使うべきなのでしょう。音源もYoutubeとかでなくてCDプレス工場に頼んで配布すべきなのです。よくよく考えたら、なんで音楽のことでPC業界と通信業界に飯を食わすようなことになるんでしょうね、不思議です。その結果、音楽業界がどんどんやせ細り、若手が全然育たないわけで、結局自分で自分の首を絞めているわけです。わたしはもう若手に期待してないからいいですけど(笑)、これからの若い人たちが不憫でなりません。
それに、ご友人の結婚式にオリジナル曲を作るとは、なんてハイレベルで素敵なことを!
きっと新郎新婦のお二人は感激されたでしょうね。
その曲、ぜひYoutubeにアップしていただきたいですー!!
私も2000年前後は激動の年でした(笑)。ホント、人生って色々ありますよね〜。
ヘッドホンを正規の向きで聴いてみたのですが、右では何だか聴き取り難くて・・・
左の耳の方が感度がいいのかなー。そろそろ息子のお下がりのヘッドホンはやめて、新しいのを買おうかな♪
ライブのDVDだと玉置さんの曲の合間の息継ぎの声(音)がほとんど聞こえなくて、CDだと少しだけ、小さく聞こえますね。最初、「どうやって息継ぎしてるんだろう?」って不思議でした。
何だか段々と変態チックになりつつあります(笑)。
オリジナルやりましたねー。ヘビメタをやらなくなって、ついでにバンドもやらなくなったころ、友人の結婚を祝うために、曲を作ることになったんです。まさかヘビメタってわけにいきませんから(笑)、さんざん聴いて慣れ親しんでいた安全地帯っぽいアレンジをして、デモを作成しました。
それが思いのほかウケがよかったので、また音楽をやるようになりました。デモを何曲も作って、人を集めてレコーディングしたんです。その頃のものは、まだ少し残っています。恥ずかしいからもう聴きませんけど。
安全地帯って凄かったんだなあ、としみじみ思ったものでした。その頃はまだ安全地帯の復活(2002)前で、わたくしの私生活もスーパーブルーなものでしたが、そのことをきっかけに持ち直していきます。安全地帯が復活したときになぜか盛り上がっていて、安全地帯が休止しているときに、これまたなぜか沈滞するのがわたくしの人生らしいです(笑)。
私、ヘッドフォンのマイクが邪魔でいつも逆で聴いてました。
ということは右ですね。
仰るように、とっても効いていて、カッコいいです♪
武沢さんのシャリシャリシャリーン!シャリシャリシャリーン!も分かります。
トバさんのおかげで、随分聞き分けれるようになりました!
おお!ご自分のオリジナル曲でこれを!!
リアルタイムでは聞けなかったけど、SONGSで玉置さんが仰った事を読んで、30年後の今でもリアリティたっぷりで、切なく聴いてます。