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2020年03月21日
残念なことども(三月十八日)
非常事態宣言が出され、国境が閉鎖され、レストランや店が閉鎖され、外出も制限された上に、外出する際には鼻と口をマスクなどで覆うようにという命令が出たけれども、もともと引きこもりに近いような、職場と家を往復するだけの日々が多かった人間にとっては、生活に大きな変化はない。一時買占めで品薄になっていたパスタやお米も、みんな十分に買い置きをしてしまったのか、普段以上に品物が残っている。
問題があるとすれば、今週は職場にも出なくなったので、生活にメリハリがなくなったのと、ただでさえ職場への往復で毎日一時間ぐらい歩くだけで運動不足気味だったのが、完全な運動不足に陥っていることぐらいである。部屋の中で運動する気にはなれないし、運動しなくても腹は減るのである。今のバビシュ首相主導のコロナ対策は、全面的に賛成する気はないけど、だからと言って、あえてその指示を守らないというほど若くもないから、外出とかする気にならないんだよなあ。
この三月中旬には、日本から知人が二人オロモウツに来ることになっていたのだけど、出発も間近になってからの状況の急変で、来チェコが取りやめになってしまった。来る予定の日にはまだ入国規制はされていなかったから、無理すれば来られただろうけど、帰りは非常事態宣言が出た後の予定になっていたから、便のキャンセルとかあって大変だっただろうことを考えると、取りやめにしたのはよかったのだろう。
一人の方とはほほ十年ぶりに再会になる予定だったので残念だったけど、会いに行く予定だったドイツの知り合いから、コロナウイルスの関係でアジア人差別がひどくなっているから来るななんて連絡を、まだイタリアでの流行がそれほど大きくなっていなかったころにもらったと言っていた。これだけでなく、今のドイツってろくでもない国になっているんだけど、どうして日本人ってドイツを過大に評価するのかねえ。例外を除けば、あいつら科学的な思考能力ないぞ。
この手のすべては外国人のせいだとか、外国人がいるからウイルスが入ってくるんだなんてことは、チェコ人の中にも考える奴はいるみたいだけど、あからさまに差別がひどくなったという話は聞かない。むしろ、流行が始まっていて危険視されつつあったイタリアにスキーに出かけて帰って来たチェコ人を、いじめる事例が増えているなんて話の方が問題になっていた。
この時点で、イタリア行きを禁止していれば、感染者の数がここまで増えることもなかったのだろうけど、当時はまだ感染者を出さないことよりも、重症者、犠牲者を出さないことに重点を置いた対策をとっていたから、無理だっただろうなあ。イタリアが高齢者対策に失敗というか、高齢者を保護する政策を採らなかったことで、犠牲者がうなぎのぼりに増え続けたことが、現在チェコで非常事態が継続している最大の原因の一つである。
カトリックの国、イタリアであそこまで爆発的に感染が広がった原因の一つは、教会のミサじゃないかなんてことを考えてしまう。チェコでもミサに通うのはお年寄りが多いし、宗教行事も禁止の対象にしたのは当然である。教会側も最初は反発しかけていたけど、最終的には人数が30人を越えなさそうなものも含めて、全面的に中止にしたようである。
気になるのはカトリックの教会だと、入るときか入った後か、ちゃんと覚えていないのだけど、器にたまった水を指に付けて、自分の額に十字を描くなんてことをすることである。あれって感染対策の観点からどうなんだろう。人が指をつけた水に自分もというのは平時であってもやりたいとは思わないけど、こんな事態の中では、なおさらやばそうな気がしてくる。
話を戻そう。もう1人来る予定だったのはコメンスキー研究者のS先生で、来られたらまたH先制に連絡をして、一緒に食事でもなんてことを考えていたのだけど、残念ながら中止になってしまった。チェコ政府の方針が変わらず、S先生が来られていたとしても、H先生の年齢のことを考えると、遠慮すべきだったのだろうとは思うので、3人で会食というのは実現しなかった可能性は高いのだけど、残念だという気持ちは拭えない。ウイルスを世界中にばら撒いた中国には、全く以て感謝の言葉しかない。
今年はコメンスキー没後350年という記念の年なので、夏には大きなイベントがプラハで行なわれるというから、その時にS先生やM先生たちがオロモウツまで来てくださることを期待しよう。いや、その前に夏までにこのウイルス禍が終結するか、普段の制限のない生活が戻ってきていることを期待する必要があるか。
なんだか、まとまりも落ちもつかない文章になってしまったけど、今日のところはこの辺で。
2020年3月19日24時。