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2020年02月27日
チェコ語の疑問詞3(二月廿四日)
またまた忘れてしまいそうだったけれども、思い出したので続ける。前回は数詞に関して質問をするための疑問詞を取り上げたが、今回はまず、順序数詞を問う疑問詞である。チェコ語の順序数詞は、1が「první」、2が「druhý」となる以外は、数詞との関連性が非常に高いので覚えやすい。品詞としては形容詞扱いをしてもいいのかな。日本語だと名詞か、形容動詞か悩むところだけど。
順序数詞が形容詞、もしくは形容詞的な変化をするということは、順番を問う疑問詞も、形容詞型の言葉だということになる。前回の数を問う「kolik」からの派生語なのだろうけど、「kolikátý」という言葉が使われる。使われると言いながら、絶対にこれを使わなければいけない場面というのはそれほど多くなく、昔チェコ語のサマースクールに来ていた外国人とチェコ語で話をしていたときに使ったら、「何それ」と言われたこともある。
日本だと教科書に取り上げられていたと思うので、大抵の人は知っていると思うが、日付を聞くときにこの言葉を使う。日付で思い出さなければいけないのは、「prvního ledna」のように、なぜか2格を使うということで、この疑問詞も2格で使用することになる。
・Kolikátého je dnes? Dvacátého čtvrtého/Čtyřiadvacátého.
(今日は何日ですか?/廿四日です)
日付を、「何番目の日」と意識しているわけなので、月や年、世紀に関しても、「kolikátý měsíc」「kolikátiý rok」「kolikáté století」という表現が使えるはずなのだが、どちらかというと、日本語の「どの」にあたる形容詞型の疑問詞「který」を使うことの方が多い。日本の年号を使う場合、非常に限定的な使い方になるけど、「v kolikátém roce éry Heisei(平成何年に)」とかやるのはありかもしれない。でも、この場合でも、「který」で十分である。
時間の場合も、「kolikátá hodina(何時)」という言い方はあるけど、ほとんど使わず、「v kolik hodin(何時に)」「od kolika hodin(何時から)」などの表現のほうがはるかによく使われる。「七時半」と言われて、「何時半?」と聞き返すときに、「půl kolikáté?」という質問はしそうだけど、これも「kdy」とか、「v kolik」で用は足りるから、無理して使う必要はない。
それから、建物の階について問うのも、「kolikáté patro(何階)」という表現が使えるので、次のようなやり取りもできる。
・V kolikátém patře se to bude konat? Ve třetím.
(それは何階で行なわれるの?/四階だよ)
気をつけなければいけないのは、確か英語でもそうだったけど、階の数え方が日本語と一つずれていること。一階はチェコ語では「přízemí」という。厄介なのは、うちの部屋のある建物もそうなのだけど、入り口を入るとすぐに上りと下りの階段がある建物で、下は地下一階というよりは半地下で、上は二階というほど高くなっていない。その場合、入り口を入ったところが「přízemí」で、ちょっと階段を上ったところが「první patro」となるのだろうか。その場合は日本と同じかなあ。正直よくわからない。
ただし、この例に挙げた文も、残念ながら「ve kterém patře」と「který」を使うことのほうがずっと多い。チェコ語も、特に話し言葉では簡単な表現を好むところがあるようである。日本語でも確かにそんな表現はあるけど、普通は使わないというのも結構あるわけだし、いやそんな表現は日本語の方がはるかに多いわけだから、ここはチェコ語に文句を言うところではあるまい。こういう表現をあえて使うことで出てくる効果というのもあるし。
何階かを聞くのではなく、建物が何階建てかを聞く場合には、またちょっと違った形容詞型の疑問詞「kolikapatrový」を使うことができる。できるんだけど、こんな長ったらしい言葉は使いたくないのか、「何階建てですか」と聞くのではなく、「階はいくつありますか」と聴くほうが多いので、「Kolik pater má tato budova(この建物には階はいくつありますか)」と聞かれるほうが多いかもしれない。
この手の「kolika」の後にあれこれつけて疑問詞になるものもいくつかあって、「kolikaletý(何年の)」「kolikanásobný(何倍の)」なんかがすぐに思いつく。もちろん、これらの表現も、別な言い方で十分なので、わざわざ覚える必要はないのだけどね。
もう一つ、「何回目」かを聞く質問にも「kolikátý」を使う。こんな質問そんなに何度もするわけではないし、うまく使えば「kolikrát」で何とかなるからなあ。とはいえせっかくなので、例文を挙げておく。
・Po kolikáté se letní školy zúčastníte? Po třetí.
(サマースクールに参加するのは何回目ですか?/三回目です)
重要なのは前置詞の「po」を使うということで、確信がないのは、「Po kolikáté」と二つの単語にするのか、「Pokolikáté」とつなげて一単語にするのかということである。初めてが「poprvé」と一単語になることを考えると、つなげたほうがいいのかなあ。書くときはともかく話すときは、つなげても、つなげなくても発音は変わらないから、どっちでもいいか。
こういう細かいことは、普通の教科書では分量の関係で書かないのだろうけど、分量を気にせず書けるのが、ブログの利点と言えば言えるか。これでも細かすぎるのでちょっと遠慮して少なめにしたんだけどさ。次はここでもちょっと触れた便利な「který」である。説明することはあんまりないので、例文の山になりそうである。
2020年2月25日24時。