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2018年12月26日
数詞の格変化5以上(十二月廿一日)
5以上の数詞の格変化は、どうしてといいたくなるぐらい簡単である。これをもう少し難しくしてもいいから他の格変化を簡単にしてくれというのは、無理な相談だけど、ついついそんなことを言ってしまいたくなるほどである。
5以上、99以下の数詞は、1格が子音で終わる。ほとんどは「t」で終わるのだが、例外的に「sedm(7)」「osm(8)」の二つだけは「m」で終わる。その子音の後に「i」をつけるかつけないかの変化しかない。具体的に言えば、ほとんどの名詞の複数と同じで、4格、5格は1格と同じで、残りの2格、3格、6格、7格には語尾の「i」をつける。
5
1 pět
2 pěti
3 pěti
4 pět
5 pět
6 pěti
7 pěti
あえて言うなら、注意しなければならないのは、「kost」などの子音で終わる女性名詞の単数変化に引きずられて7格を「pětí」にしないことであろうか。
それから、9だけは例外的に、語幹が変化して、2格、3格、6格、7格が「devěti」ではなく、「devíti」になる。10は「deseti」「desíti」という二つの形があるのだが、20などとの整合性を考えると、変化させない前者を使ったほうがいい。
19まで、それから20、30など1の位が0で終わるものは、あらわし方が一つしかないので、この簡単な格変化でいいのだが、21のような20以上で1の位が0以外のものの場合には、あらわし方が二つあり、それぞれ格変化のさせ方が違う。
21を「dvacet jeden」と二つの単語に分けて読む場合には、「dvacet」と「jeden」をそれぞれ別々に格変化させなければならない。つまり「dvacet」は「i」をつけるだけだから簡単だけど、「jeden」は後に来る名詞の性に基づいて格変化しなければならなくなる。名詞を単数にするのか、複数にするのかでも悩むことになるので、それが嫌な場合にはもう一つの一単語化する方法を使うことになる。「jedenadvacet」にしてしまえば、格変化は20の場合とまったく同じである。ただしこの方法が使えるのは99までで、100を越えると、100の位を別に格変化させる必要が出てくる。
種類、組を表す数詞が形容詞の硬変化と同じ格変化をするのは4に準じるのだが、母音が微妙に変わるものがあるので注意が必要である。5は「paterý / patery」、以下「šesterý / šestery」「sedmerý / sedmery」「osmerý / osmery」「devaterý / devatery」「desaterý / desatery」と10まで挙げておく。「何重の」という意味の形容詞もありそうだけど、見たことも聞いたこともない。
さて、5以上の数詞の格変化そのものは簡単だが、使う際には気をつけなければならないことがある。それは5以上の数詞のついた名詞は、附属する形容詞などもふくめてすべて複数二格をとり、動詞と組み合わせるときには単数中性扱いにするというルールである。ここで、数詞と単複、性の関係についてまとめておくと、1は単数、性は名詞の性に基づく。2、3、4は複数、性は名詞の性に基づく。5以上は単数、性は名詞の性にかかわらす中性ということになる。
ただし、問題はこれで終わらない。1格で使う場合に、5以上の数詞につく名詞が複数2格になるからといって、すべての格で複数二格になるわけではない。数詞、名詞がともに1格と同じ形になるのは、4格と5格だけで、それ以外は普通の格変化をさせるのである。だから数詞に名詞を付けた状態で格変化させると以下のようになる。
9+hrad
1 devět hradů
2 devíti hradů
3 devíti hradům
4 devět hradů
5 devět hradů
6 devíti hradech
7 devíti hrady
これ、教科書では、5以上の後は複数2格というのが強調されるために、3格、6格、7格でも2格にしてしまいがちで、最初は間違いを指摘されても、ちゃんと2格にしているのに、何で間違いなんだと疑問に思っていたほどである。
昨日の例文を5以上の数詞に変えてみよう。
・Pět Japonců bylo v této hospodě.
飲み屋に五人の日本人がいました。
・Jel jsem do Prahy se šesti kamarádkami
六人の友達と一緒にプラハに行きました。
・Studoval jsem na sedmi univerzitách.
7つの大学で勉強しました。
まだ何か書くべきことがあるような気もするけれども、とりあえずこれでお仕舞い。次は100である。
2018年12月22日12時。