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2018年12月23日
数詞の格変化1(十二月十八日)
ということで、より厄介な、正確には一つ目の1がむやみやたらと厄介な数詞である。とはいえ、指示代名詞と格変化が共通だから、変化を覚えること自体はそれほど難しくない。一番厄介なのは、1なのに複数形があるという理不尽である。
まずは単数から。「ten」は昨日取り上げたばかりなので、共通性の高い男性と中性をまとめて表にする。
1 jeden(男)/ jedno(中)
2 jednoho
3 jednomu
4 jednoho(活) / jeden(不)/ jedno(中)
5 jeden(男)/ jedno(中)
6 jednom
7 jedním
女性
1 jedna
2 jedné
3 jedné
4 jednu
5 jedna
6 jedné
7 jednou
問題は、形容詞「jediný(唯一の)」と形が似ているので、混同しないことだろうか。これは特に複数の格変化を覚えるときにも注意をしなければならない。複数もまとめて表にする。
1 jedni(活)/ jedny (不・女)/ jedna(中)
2 jedněch
3 jedněm
4 jedny(活・不・女)/ jedna(中)
5 jedni(活)/ jedny (不・女)/ jedna(中)
6 jedněch
7 jedněmi
格変化の語尾自体は「ten」と共通なので覚えること自体は問題ないのだが、末尾の子音の前につく「ě」が出てこないのである。ついつい形容詞の影響で、「y」や「ý」にしてしまって、ワードの校正機能に赤線を引かれてしまう。「ten」のほうではこんな間違いはしないので、やはり形容詞「jediný」が存在するのがいけないのだと考えている。こんな言葉、存在を知らなければよかったのだけど、使うと便利な言葉ではあるのだ。
さて、本来単数である「1」に複数形が存在する理由だが、それはチェコ語には複数形しか存在しない名詞があるからである。「noviny(新聞)」「toalety(トイレ)」「boty(靴)」「kalhoty(ズボン)」「ústa(口)」「brýle(眼鏡)」などがそれにあたる。
三性共通でない格では、「1」の活用語尾と名詞の活用語尾が一致することが多いから、「1」を使うためだけなら、性は特に意識しなくても問題ないのだが、名詞を正しく格変化させるためには性を判別することが重要なのは言うまでもない。また、地名にも複数の名詞が「Alpy(アルプス山脈)」「Tatry(タトラ山脈)」などしばしば出てくるが、地名に「1」を付ける状況は想像もできないので、気にすることはないか。
それでも、「1」に複数形があるのが納得できないという人には、あまり触れられないけど(サマースクールの記事では触れたかな)、2以上の数詞にも、名詞の単数につける形(種類を表す数詞)と、複数でしか使わない名詞につける形が存在することを指摘しておこう。2なのに単数につく、これもまた変な話だけど、文句を言っても仕方がない。単数と複数という考え方自体が、日本人にはなじまないのだから、グダグダ言わずに覚える、それがチェコ語を身につけるための一番の方法である。といいつつ、ぽろぽろこぼれているものも多いのだけどさ。
いや、でも「podle jedněch novin(ある新聞によると)」とか、何か落ち着かないのである。それでついつい「podle jedných novin」としてしまうのだけど、やっぱりワードに赤線を入れられてしまった。
2018年12月19日20時55分。